映画『ザ・ビートルズ:Get Back THE ROOFTOP CONCERT』
【2月9日 記】 今朝 facebook にこんなことを書いた:
今夜『ザ・ビートルズ:Get Back』を観てきます。Disney+ に入らないと観られない。僕の周りにはそのためだけに入会した人も何人かいますが、僕自身はどうしてもそうする気が起こらなくて、半ば諦めていたのですが、2/13 までの5日間のみ都内4~5館を含むあちこちの映画館で上映していることに気づきました。IMAX 2D で観られるので、待っていた甲斐がありました。
だが、これはちょっと早とちりだった。
同じピーター・ジャクソン監督だし、同じタイトルだと思ったのだが、映画のほうは Get Back のあとに THE ROOFTOP CONCERT というのがついていた。
そう、これは Disney+版の中の屋上でのパフォーマンス部分を IMAX用にリマスターしたものであり、長大な Disney+版のごく一部であった。
しかし、あちこちに書いているように、僕がミュージック・シーンに登場したのはビートルズが解散した年だ。
ビートルズは現象としてはリアルタイムで知っていたが、音楽としては後から遡って聴いたのであり、従ってビートルズについてはそれほど詳しいわけではない。
考えてみたら、彼らが出演していた映画は部分的にしか観たことがないし、こんなに長時間、まとまった形で彼らの演奏を観るのは初めてかもしれない。
そんな調子だから、今日 IMAX のデカい画面を見上げながら、「あー、このギター・フレーズはジョージじゃなくてジョンが弾いてたのか」などと、筋金入りのビートルズ・ファンからしたら随分間抜けなことに感心していた。
そういうわけだから、改めて今日観てみて、ものすごく興味深かったし、面白かったし、やっぱり魅せられた。
ビートルズってやっぱりすごいのだ。
一人ひとりがすごい。リンゴの重い感じのドラムス。ポールの縦横無尽なベース。ジョージの非凡なフレージング。ジョンのエモーショナルなパワー。各メンバーの作曲家としての能力。
そして、それよりも彼らのコンビネーションがすごい。コーラス・ワークもそうだけれど、お互いに目と目で合図しあってバンドとしてのまとまりが見事に構成されている。
1時間ほどの短い作品だが、充分に堪能した。音も良かった。
そして、これはこの映画においてはサイドストーリーなのだが、街なかのビルディングの屋上で真っ昼間から大音響で演奏しているのにも関わらず、近所の人や通りがかった人のほとんどが好意的に受け止めているのがすごいと思った。
もちろん、中には近所迷惑だと怒る人もおり、通報する人もいて警官がやって来たのだが、スタッフは四の五の言って演奏が終わるまで引き延ばそうとし、警官も苦言を呈し場合によっては逮捕すると脅してはみるものの、現実には手も足も出ず、漸く屋上に入れてもらったが呆然と見守るしかない。
――こういう公権力との争いは、ある意味「ロック」的な要素であり、そういう意味でも非常に面白かった。
Disney+ の6時間に及ぶドキュメンタリを観たらきっともっともっと面白いのだろうけれど、しかし、それでもやっぱり加入する気にならないのも確かではあるが(笑)
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