映画『さがす』追記
【2月5日 追記】 役者について書くのを忘れていた。
『岬の兄妹』のときは、それなりにキャリアはあってもほとんど名前を知らない役者ばかりだったのが、今回はかなりのキャストになってきた。
そして舞台は大阪だ。佐藤二朗の大阪弁は、練習の成果は窺えるがネイティブのものではない。それに対して伊東蒼は紛れもなく“ほんまもん”の大阪弁だ。「壊れてるんとちゃうの?」ではなく「壊れてんちゃうん?」になっている辺りが聞いていて嬉しくなる。
この辺りは役者が大阪出身というだけでなく、監督/脚本の片山慎三も大阪出身であるところが大きい。
伊東蒼は『空白』では父親の古田新太に徹底的に抑圧されて潰れかけの中学生、今度は失踪した父親をしたたかに探し続ける中学生で、この辺の対比が面白かった。逆に古田新太と佐藤二朗の父親像の違いに見えてくるところが面白い。
清水尋也はこれでもう 13本も出演作品を見ているが、僕は 2015年の『ソロモンの偽証』の不良役で名前を憶えた。一昨年の『甘いお酒でうがい』での松雪泰子のかなり年下の恋人役も印象深かった。いろいろな役をこなす俳優だ。今回はまた新境地ではないだろうか。
佐藤二朗のうまさについてはもう書かないが、他の脇役も含めて却々充実したキャストだったと思う。
Comments