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Sunday, February 27, 2022

映画『愛なのに』

【2月27日 記】 映画『愛なのに』を観てきた。城定秀夫監督、今泉力哉脚本。Photo_20220227160801

今泉力哉監督の『街の上で』を観た人なら記憶に残っているかもしれないが、あの映画で中田青渚が演じた衣装スタッフの役名が「城定イハ」で、彼女が自分の名前の漢字を説明するときに「映画監督の城定秀夫」を引き合いに出していた。

僕はあれを見て、「ははぁ、今泉力哉は城定秀夫のファンなのか。ひょっとしたらこれは今泉力哉から城定秀夫へのラブ・コールなのかもしれないな」と思った。

同じ年に公開された今泉監督作品『あの頃。』では脚本が冨永昌敬で、この組合せもすごいなと思って、映画を観たら実際面白くて、僕は twitter に「今度は今泉脚本、冨永演出の映画を観たい」と書いたりしたのだが、そうこうしていると耳に入ってきたのが今回の L/R15企画である。

今泉監督と城定監督のコラボレーションとして、この『愛なのに』と『猫は逃げた』の制作が発表され、前者は今泉が脚本を書いて城定が演出、後者は城定が脚本を書いて今泉が演出と聞いて驚いたのだった。

僕は『愛がなんだ』で完全にノックアウトを食らって、それ以降の今泉作品は全部観ているし、それより前の作品も何本か遡って観た。

一方、城定秀夫については『アルプススタンドのはしの方』が初めてで、それまで名前も知らなかった。あの映画は原作となった高校生の戯曲のほうにスポットが当たって、監督については「それを料理した手練れ」みたいなトーンで軽く触れられただけで、それほど注目もされなかったように思う。

でも、あの映画のテーストと今泉力哉のテーストは合っているなと思った。

その後、佐藤二朗原作・監督・脚本・出演の『はるヲうるひと』を観て、エンドロールに「脚本協力 城定秀夫」の名前を発見し、その「協力」の内容や度合いは分からないが、世間で言われているように、確かにこの人は幅が広くて多才な人なのだと僕は直感した。

僕は観ていないが、城定秀夫は首藤凛の脚本による『欲しがり奈々ちゃん~ひとくち、ちょうだい~』も撮っている。

さて、前置きが長くなったが、この『愛なのに』はそういう風に他の監督や脚本家と精力的に組んでいる2人の監督の夢の合作第一弾なのである。

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Saturday, February 26, 2022

【note】 以心伝心は宝くじ

【2月26日 埋】 今回は最近ちょっと思ってることを note に書きました。

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Wednesday, February 23, 2022

『全裸監督』 season2

【2月23日 記】 今さらながらだけれど、Netflix で『全裸監督』の season2 を観た(と言うか、見終わった)。

随分間が開いてしまったが、season1 を観た後 Netflix を退会してしまったので仕方がない。それが、『浅草キッド』を観るために3度目の入会をして、『浅草キッド』を見終えたので『全裸監督2』全8話に移ったわけだ。

season2 が始まったときの評判は、僕が聞いた限りでは、それほど良くはなかった。貶されるというほどではないが、「season1 ほどではない」という声が多かったように思う。「セットも前ほど金使ってないしな」と言ってる人がいて、「セットに金かけりゃ良いドラマができるのかい」と思ったのをよく覚えている。

しかし、実際に season2 を観てみると、僕にはこちらのほうが遥かに良かった。人間の哀しみを描いていたから。やるせない作品になっていたから。

振り返ってみると、season1 では村西とおる監督(山田孝之)の狂気(もちろんエロに対する狂気である)が前面に出すぎて、一色のドラマになっていたように思う。

season2 でももちろん村西の狂気は描かれている(今回は衛星放送に対する熱狂、と言うか、妄執である)。しかし、それに加えて、次々と失敗が重なって堕ちて行く村西の悲哀が見事に描かれている。

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Sunday, February 20, 2022

【note】 京都のきーひん、神戸のこーへん

【2月9日 埋】 また古い文章を掘り起こして note に投稿しました:

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Saturday, February 19, 2022

映画『ノイズ』

【2月19日 記】 映画『ノイズ』を観てきた。廣木隆一監督。

相変わらず引き画が多い。

この監督はワンカットの長回しで知られる人で、この映画にもそういうシーンはふんだんにあったが、僕はいつもこの監督の力強い超ロングの構図が心に刺さる。そういうところにも注目してほしいなと思う(長回しで撮るからこそ引いた画も増えてくるのは確かだが)

予告編にも使われていた部分なので、ここまでは書いても良いと思うのだが、猪狩島で黒イチジクを育てている圭太(藤原竜也)と、その幼馴染で猟師をしながら時々圭太のいずみ農園を手伝っている純(松山ケンイチ)、同じく幼馴染で今は島の駐在警察官になっている真一郎(神木隆之介)が不審者ともみ合いになって殺してしまうところから話は始まる。

島民の“かさぶた”となって島を守ろうとする真一郎が「なかったことにしましょう」と言い出して、そこからいろんなことが狂ってくる。

そして、ビニールハウスの中で死体を前に立ち尽くしている3人からカメラは引いて、引いて、ゆっくり引いて、ビニールハウス全体がフレームに収まったところで、その入り口の上にタイトル「【noise】ノイズ」が出る。そういう引き画の怖さである。

島にやってきた県警の刑事・畠山(永瀬正敏)が農園を訪ねて「お前がやったんじゃないのか」と詰問するシーンでも、かなり引いた構図になっている。こういう大事なところでは並の監督であればカメラは役者の表情をアップで撮る。それをわざわざ表情が分からないぐらいのロングで撮るのが廣木隆一なのである。

彼の引き画には、自然の大きさを感じさせると言うよりも、人間の矮小さを提示しているような感じを受けながら、僕はいつも彼の映画を観ている。

他にもそういう構図はたくさんある。

中学時代の純と加奈(後の圭太の妻=黒木華)の2ショットからカメラがパンしたら道の向こうに小さな圭太の姿が捉えられたりするのもそうだし、葬儀会場から立ち去る畠山が「ヘドが出そうな団結心だな」と吐き捨てるところも俯瞰の超ロングである。

僕はいつも彼の画作りに魅了されてしまう。今回のカメラは廣木監督とも多くの作品で組んでいる鍋島淳裕だ。

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Thursday, February 17, 2022

検査と断水と人生

【2月17日 記】 今日は僕の大腸内視鏡検査とマンションの増圧給水ポンプの点検による断水が重なった。

って、なんじゃそりゃと思うかもしれないが、やったことある人は知っての通り、大腸内視鏡検査当日は朝から1リットル以上の下剤を飲まされてトイレに何度も何度も行くことになる。その日とトイレの水が出ない日が重なると大変なことになる。

もちろん、どちらのスケジュールも昨日や一昨日に突然決まったものではなく、かなりの long notice だったから、もしもモロに重なるようなら(マンションの点検のほうは無理だろうから)病院に言って検査の日時を変えてもらっていただろう。

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Monday, February 14, 2022

【note】本棚が語れることの限界

【2月14日 埋】 最近ちょっとペースが上がり過ぎのような気もしますが、また長めの文章をアップしました。

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Sunday, February 13, 2022

「キネマ旬報」2月下旬号(2)

【2月13日 記】 今年は前の記事から少し間が空いてしまいましたが、例年通りキネマ旬報2月下旬号で発表された2021年邦画ベストテンのデータ分析記事を書きました。

毎年同じ説明をしていますが、今回も一応手法を解説しておきます:

キネマ旬報ベストテンは、審査員がそれぞれ合計55点を持って、1位には 10点、2位には 9点、…、10位には1点と入れて行き、その合計得点で順位が決められています。今回の審査員は「本誌編集部」を含めて 62名とやや多めです。

それぞれの映画の得点を、僕は「合計点=点を入れた審査員の平均人数×平均得点」という形に分解してみるのです。

例えば同じ 150点獲得の映画でも、一方は

  1. 合計150点=30人×平均5.00点

他方は

  1. 合計150点=20人×平均7.50点

だったりします。その場合、(a) は多くの人に広く受けた映画、(b) は特定の人の心に深く刺さった映画と言えるのではないか、ということです。

これは統計学的には必ずしも正しい手法ではありませんが、投票結果の上位 10本ぐらいに絞ってやっている限りは映画の傾向をうまく捉えているのではないかと思っています。

さて、2021年の結果は:

  1. ドライブ・マイ・カー
    299点=39人×8.31点
  2. 茜色に焼かれる
    190点=30人×6.33点
  3. 偶然と想像
    181点=23人×7.87点
  4. すばらしき世界
    178点=25人×7.12点
  5. 水俣曼荼羅
    167点=23人×7.26点
  6. あのこは貴族
    153点=26人×5.88点
  7. 空白
    149点=24人×6.21点
  8. 由宇子の天秤
    142点=25人×5.68点
  9. いとみち
    124点=22人×5.64点
  10. 花束みたいな恋をした
    97点=18人×5.39点

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Friday, February 11, 2022

映画『ちょっと思い出しただけ』

【2月11日 記】 映画『ちょっと思い出しただけ』を観てきた。松居大悟監督。

冒頭、高速道路、そこから見える東京タワー、雨、新宿の夜景に続いて、伊藤沙莉が白手袋を嵌めて車を運転しているシーンが来る。暫くして、彼女がタクシー運転手の役だと分かって僕は少し驚いた。

この映画は、松井監督と長らく交流のあるクリープハイプの尾崎世界観が、自身のオールタイム・ベスト映画だと思っている、ジム・ジャームッシュ監督の『ナイト・オン・ザ・プラネット』に着想を得て書いた新曲『ナイトオンザプラネット』を聴いた松井監督が、「これを長編映画にしたい!」と脚本を書き始めたのが最初だったと言う。

僕は『ナイト・オン・ザ・プラネット』は観ていないのだが、この映画は本作の中でも一部引用されており、そこで主演のウィノナ・ライダーが演じていたのがやはりタクシー・ドライバーだった。そして、同じくジム・ジャームッシュの流れから同監督の映画に出演歴のある永瀬正敏もキャスティングされたとのことである。

さて、話は元に戻って、冒頭から暫くタクシー運転手・葉(よう、伊藤沙莉)の場面が続き、次に怪我をしてダンサーとしてのキャリアを絶たれ、今は劇場の照明係をやっている照生(池松壮亮)のシーンになる。

さて、この2人のストーリーがこの先どこかで交差してくるんだな、と思って観ていたのだが、そうではなかった。あ、なるほど、だからこのタイトルなのか!と合点した。

照生の部屋にあるデジタル表示の壁掛け時計が何度となく映る。残念なことに「7月26日」と書いてあったら頭に入るのだが、日本人の場合「26.Jul.」と書かれていると却々ピンと来ず記憶にも残らない。「えっと、今観ているこのシーンは何日で、さっきのシーンは何日だっけ?」などと考えてしまう。

しかし、観ているうちに全部が7月26日であることに漸く気づいた。そして、曜日が少しずつ違うということは違う年のこの日を描き続けているのだと漸く理解した。この日は照生の誕生日なのだ。

そして、最初のシーンではみんなマスクをしていた。建物に入るときに手指の消毒もしている。「オリンピックやるなんて思いませんでしたね」という台詞もある。つまり、このシーンは 2021年で、そこから1年ずつ、映画は遡っているのである。だから、その後に描かれたシーンでは誰もマスクなんかしていない。

『ボクたちはみんな大人になれなかった』もそうだが、少しずつ時代を遡って行く映画というのは却々辛いものがある。今の、必ずしもハッピーエンドではない状況を知った上で過去を見るので、野放図な希望を持って見ることができないのである。

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Thursday, February 10, 2022

『筒美京平 大ヒットメーカーの秘密』近田春夫(書評)

【2月10日 記】 筒美京平が亡くなったのが 2020年の秋。この本はその後に書かれて翌年の夏に出版された。筒美京平を近田春夫が語るという、歌謡曲ファン垂涎の組合せだ。

本の存在は知っていた。もっと早く買えば良かった。

この本は初めから終わりまで近田春夫と誰かの対談の形式になっているのだが、冒頭を読み始めてすぐに気になったのは、この近田春夫の対談相手は誰?ということ。

該博な知識と的確な分析力を持ち、近田春夫と伍して話せるこいつはタダモノではないと思った。その人が最後のほうで姿を表す。──この本全体の構成も務めている下井草秀だった。僕は知らなかったが、かなりいろんなものを手掛けてきた音楽系のライターだった。

第一部はその下井草と近田の対談で進む。上に書いたように、下井草は単なる聞き手ではない。だからうねるようにして議論が進んで行く。とても楽しい。

近田は京平さんのメロディの中に

今のJポップからは失われてしまったたぐいの女性性

を見出していたりする。

一方で、近田は平尾昌晃や中村泰士のような、「うんと若い頃にはビートの強い楽曲を書いていた」のに「齢を重ねるに従って、叙情に満ち溢れたシブいバラードに走ってしまう」作曲家たちを評して、

(平尾や中村は)アカデミックな意味で洋楽の構造に興味をいだいていたんじゃないわけ

と評する。必ずしも平尾や中村を悪しざまに捉えているわけでもないのだが、それは「少なくとも自分はアカデミックな意味で洋楽の構造に興味をいだいてきたぞ」という意味であり、もっと言えば京平さんもそうだったということだ。

だから、この本は僕が読んでも楽しいのだ。アカデミックな構造の根っこのところまで降りて語ってくれているから。

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Wednesday, February 09, 2022

映画『ザ・ビートルズ:Get Back THE ROOFTOP CONCERT』

【2月9日 記】 今朝 facebook にこんなことを書いた:

今夜『ザ・ビートルズ:Get Back』を観てきます。Disney+ に入らないと観られない。僕の周りにはそのためだけに入会した人も何人かいますが、僕自身はどうしてもそうする気が起こらなくて、半ば諦めていたのですが、2/13 までの5日間のみ都内4~5館を含むあちこちの映画館で上映していることに気づきました。IMAX 2D で観られるので、待っていた甲斐がありました。

だが、これはちょっと早とちりだった。

同じピーター・ジャクソン監督だし、同じタイトルだと思ったのだが、映画のほうは Get Back のあとに THE ROOFTOP CONCERT というのがついていた。

そう、これは Disney+版の中の屋上でのパフォーマンス部分を IMAX用にリマスターしたものであり、長大な Disney+版のごく一部であった。

しかし、あちこちに書いているように、僕がミュージック・シーンに登場したのはビートルズが解散した年だ。

ビートルズは現象としてはリアルタイムで知っていたが、音楽としては後から遡って聴いたのであり、従ってビートルズについてはそれほど詳しいわけではない。

考えてみたら、彼らが出演していた映画は部分的にしか観たことがないし、こんなに長時間、まとまった形で彼らの演奏を観るのは初めてかもしれない。

そんな調子だから、今日 IMAX のデカい画面を見上げながら、「あー、このギター・フレーズはジョージじゃなくてジョンが弾いてたのか」などと、筋金入りのビートルズ・ファンからしたら随分間抜けなことに感心していた。

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Tuesday, February 08, 2022

掘り出しモノ賞

【2月7日 記】 twitter ベースの映画賞である coco賞の投票部門のひとつだった「掘り出しモノ賞」を選ぶのが楽しかったので、coco賞がなくなってからも選び続けることにして、以来ブログに書いてきた。

選んでいる基準は年によって、映画によって微妙に違う。

共通しているのは、大作かインディーズか、映画がヒットしたかしていないかにはあまり関係がないということ。

「大ヒットはしていないけれど自分の周囲で随分評判が良くて、いろんな記事を読む限りこれは絶対良いぞ、と思って観に行ったら本当に良かった」というようなケースは「掘り出しモノ」とはしていない。それは「評判通り、期待通り」だから(笑)

で、2021年の作品で選んだのは『老後の資金がありません!』。

あまり期待せずに観に行ったら思いの外面白く、こういうテーマではヒットはしないだろうなと思ったのだけれどそこそこのヒット作になり、特に草笛光子の演技が素晴らしく、周囲の評判も頗る良かった、ということで選んだ。

2012年以来、毎年の“掘り出しモノ”は下記の通り:

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Monday, February 07, 2022

「キネマ旬報」2月下旬号(1)

【2月7日 追記】 『キネマ旬報』2月下旬号が発売されたので、今年も僕が年末に書いた「『キネマ旬報』ベストテンの20位以内に入ってほしい邦画10本」とつきあわせてみる。

まず、2021年のキネ旬ベストテンは下記のとおりである:

  1. ドライブ・マイ・カー
  2. 茜色に焼かれる
  3. 偶然と想像
  4. すばらしき世界
  5. 水俣曼荼羅
  6. あのこは貴族
  7. 空白
  8. 由宇子の天秤
  9. いとみち
  10. 花束みたいな恋をした

このうち3)5)8)は未見。

残り7本のうち、僕が一番驚いたのは6)の『あのこは貴族』。ベストテンに入るとは思わなかった。僕は選んでいないが、それは他に推したい作品があったからで、とても良い映画だと思った(僕は「とても素敵な映画」と書いている)のは事実。岨手由貴子監督の次回作にも大いに期待したいところ。

同様に9)『いとみち』もこんなに上位に来るとは予想もしなかった。これも良い作品だった。素直に横浜聡子監督に祝福を贈りたい。

それから、10)も選ばなかったのだが、これは前の記事にも書いたように、とても好きな映画だったのだけれど、ま、放っておいても20位以内には入るだろうと思ってわざと外した作品だ。しかし、10位以内に来るとは思っていなかった。これも少し驚いた。

それとは対照的に全く驚かなかったのが1)。これも間違いなくベストテンに入ってくると思って選ばなかったのだが、予想通りぶっちぎりの1位だった。

まあ、いずれにも僕が評価していない映画ではなく、僕として応援したい作品が他にあったというだけのことだ。

残り3本のうち、2)4)7)はいずれもリストアップしていたが、4)は最終的に外してしまった作品。

ということで、僕が応援した作品は 10位までには、2)『茜色に焼かれる』と7)『空白』のとりあえず2本が入った。

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Sunday, February 06, 2022

【note】続・テレビの中の固定観念

【2月6日 埋】 note にまたちょっと長めの文章を投稿しました。

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Saturday, February 05, 2022

映画『さがす』追記

【2月5日 追記】 役者について書くのを忘れていた。

『岬の兄妹』のときは、それなりにキャリアはあってもほとんど名前を知らない役者ばかりだったのが、今回はかなりのキャストになってきた。

そして舞台は大阪だ。佐藤二朗の大阪弁は、練習の成果は窺えるがネイティブのものではない。それに対して伊東蒼は紛れもなく“ほんまもん”の大阪弁だ。「壊れてるんとちゃうの?」ではなく「壊れてんちゃうん?」になっている辺りが聞いていて嬉しくなる。

この辺りは役者が大阪出身というだけでなく、監督/脚本の片山慎三も大阪出身であるところが大きい。

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Friday, February 04, 2022

映画『さがす』

【2月4日 記】 映画『さがす』を観てきた。片山慎三監督。

知らない監督だなと思ってスルーしていたのだが、映画の評判が良いのでもう一度調べてみたら、『岬の兄妹』の監督だということに気づいて慌てて見に行った次第。

『岬の兄妹』はえげつない映画だった。極度の貧困から知的障碍の妹に売春をさせる(そして自分はその女衒となる)物語だった。胸塞ぐストーリーなのに、時々おかしく、そして何よりも構図が素晴らしく、画に力のある監督だった。

あの映画評の終わりに「次回作も断然観たい」と書いておきながら、危うく見逃すところであった。

そして、この映画もまたかなりえげつない映画である。えっと、しかし、設定やストーリーをどこまで書いて良いのかものすごく迷ってしまう。

冒頭はハンマーを振り回す練習(?)をしている原田智(佐藤二朗)。これが何を意味するのかは最後まで見ないと分からない。

そして、次のシーンは道路の向こう側を必死で走る楓(伊東蒼)をこちら側の歩道から車道越しに撮る引いた画。やがてそれは智の娘であり、万引で捕まった父親を引き取りに来たことが分かる。20円足りなくておにぎりを盗んだらしい。のっけからなんと情けない設定か。

場所は大阪市西成区だ。原田家に母はおらず2人暮らし。智は楓に「今日、連続猟奇殺人容疑で指名手配中の犯人・山内を見た」と言うが、楓は「人違いや」と取り合わない。

翌日、楓が起きたら父はいない。連絡も取れず3日経っても帰ってこない。先生や警察にも相談したが埒が明かない。同級生で楓に片思いしている豊(石井正太朗)と2人で智が働いている工事現場を突き止めて訪ねてみたが、そこにいたのは父とは似ても似つかない同姓同名の原田智(清水尋也)だった。

ところが、やがてそれは同姓同名の原田智などではなく、父の名前を騙った連続殺人犯・山内だったことが分かる。ここからストーリーはとんでもない方向にどんどん飛んで行く。──この辺でやめておこう。

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Wednesday, February 02, 2022

『賢い子はスマホで何をしているのか』石戸奈々子(書評)

【2月1日 記】 筆者は次々とプロジェクトを立ち上げながら日本のデジタル教育を牽引してきた人。親たちや社会が持っている固定観念を打ち砕きながら、スマホやタブレットを駆使した教育や、子供にプログラミングを学ばせるメリットを熱く語っている。

この本のエッセンスは全て「プロローグ」に書かれており、概要を知りたいだけならこの数ページを読めば分かる。例えば:

私は正直、(スマホを)「使ってもいい」「使ってはダメ」の二択で語られていることにものすごく違和感を持っています。(中略)いかにすればデメリットを極限まで減らし、メリットを極限まで増やせるか? そう発想するのが大人の知恵です。(中略)「どうすればリスクを極限までおさえ、デジタルを活用して大きな教育効果を上げられるか」という議論に時間を割くほうが生産的です。(中略)子育てをスマホに丸投げすることと、スマホを活用することは、まったく別問題です。

なんと怜悧な考察だろう。

当たり前のことを、当たり前にやる――。本書でたびたび言及すると思いますが、私が日本の教育にもっとも求めるものはそれです。

そう、教育にはそういう冷静さが必要なのだ。

だが、このプロローグを読むだけではまだ物足りない。挙げられている数多くの例や著者独自の論理展開を通じて深堀りされた本編をぜひとも通読すべきである。

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