ミュージック・ライフ随想
【1月1日 記】 去年の年末も NHK『紅白歌合戦』はほとんど観なかった(4~5組かな、観たのは)。もう紅白に興味が持てなくなって長くなる。
やっぱりあれは多様性の時代が始まる以前の産物だったのではないかという気がする。
いや、番組自体は最近の歌も古い歌も、演歌もロックもアイドルも、いろいろ取り揃えて多様性を打ち出そうとしている。でも、あの番組は日本人の価値観が皆似通っていた時代だったからこそ盛り上がったんじゃないだろうかと思う。
最近の歌はどうも響かない、などと年寄りはよく言う。人間はそもそも青少年期に聞いた歌しか聴きたいと思わないのだという非常に科学的な説がある。確かにそうかもしれない。
最近の作品でもサザンオールスターズなんかには心動くのではあるが、あれは最近のリリースであってもやはり昔の歌なのかもしれない。
でも、「青少年期に聞いた歌しか」と言うのはちょっと誇張で、もう少し後、40代前半ぐらいまでには好きな歌がもっともっとあった気がする。それよりも何よりも、最近の歌は(難しいという表現はちょっと違うが)複雑で憶えられないのである。
てなことを言いながら、しかし、カラオケで昔の歌を歌おうとしたら(などと書きながら、カラオケも長らく行ってないな)、完璧に知ってるはずの歌が大サビに来ると突然歌えなかったりする。あるいは、サビはしっかり憶えているのに、出だしがあやふやだったりする。
いやはや、年を取るとはこういうことなのだろう。
でも、何であれ、好きな歌はやっぱりある。最近リリースされた若い歌手の歌の中にも、頻度は少ないかもしれないが、確かに好きな歌は見つかるのだ。
だから、そう捨てたもんじゃないと自分では思っている。しかし、好きな歌であっても、最近は何度聴いても完璧には憶えられない曲が少なくない(笑)
まあ、でも、良いではないか。良い曲は良い。そして、良い曲を聴く。できれば良い曲だけを聴く。
それが今の僕のミュージック・ライフである。
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