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Monday, January 03, 2022

BS日テレ 笑点ドラマスペシャル

【1月3日 記】 昨夜、BS日テレの笑点ドラマスペシャル『笑点を作った男 立川談志』を観た。

12/30 に妻が見つけてきて「これ観よう」と言うので、なるほど面白そうだと録画しようと思ったら、「第4弾」と書いてある。それはどういうことかと調べてみたら、このシリーズは以下のような構成になっていた。

  1. 桂歌丸(尾上松也)
  2. 五代目三遊亭圓楽(谷原章介)
  3. 初代林家木久蔵(柄本時生)
  4. 立川談志(駿河太郎)

4人とも長寿番組『笑点』のレギュラーを務めていたメンバーである。括弧内はそれを演じた役者名である。第1弾が放送されたのは 2017年だ。第2弾は 2019年の民間放送連盟賞の優秀賞を受賞している。

ならば、この3本を観てから 1/2 放送の第4弾を観たいところだが、どっかでやってないか?と思って探したら、果たせるかな、よく採られる手法なのだが、第4弾の番宣を兼ねて TVer で配信していた。当然視聴期限は第4弾の放送が始まる 1/2 19:00 である。

それで 12/30 日から毎日1本ずつ、1/2 の第4弾本放送まで4日連続で一気見してしまった。非常に面白かった。

中身を見ると、これは第1弾の評判が良かったから第2弾を作り、それがまた受けたから第3弾をというような形で制作されたものではなく、恐らく最初からこの4部構成で考えていたのだろうと思う。これは却々良いアイデアだった。

4人の群像劇として時系列で描くことも可能だが、そうすると第1弾では誰一人まだ真打ちになっておらず、『笑点』の放送開始ははるか先である。視聴者は飽きてしまって見るのをやめるかもしれない。

その点このように、誰か一人に焦点を絞って一気に描いてしまうことで各話のダイナミズムは保たれる。

当然この4人のうちの誰かと誰かが絡むシーンは、それぞれの話の中で繰り返し出てくる。しかし、視聴者にとっては回想シーンのような位置づけになって、抵抗なく観られるのだ。

そして、それぞれの話で巧みに部分的に抜いてきて部分的に描いているので、各話が進み一度観たシーンがもう一度出てくるたびに、「あ、それはそういうわけだったのか」「その後こんなことになってたんだ」「ああ、そこに繋がっていくのか」と、点と点が結ばれてくる。巧い構成だ。

そういう意味では今回の第4弾だけ観た人は少し気の毒だ。これまでの3回から抜いてきているシーンが必要最小限の短いものばかりなので、やや説明不足であるし、新たな発見がないのである。

さすがに第4弾ともなると、これまでに観てきたシーンが結構何回も出てくるのだが、しかし、これはやっぱり4本とも見るのが大正解だった。

配役は、上記の一覧を見ただけだと「それはちょっと違うかも」と思ってしまうのだが、しかし、見ているといつしか尾上松也は歌丸に、谷原章介は圓楽に、柄本時生は木久蔵に、駿河太朗は談志になってくるから不思議だ。

そして、このシリーズではこの4人の奥さんがかなり重要な役割を担っていて、それぞれ水川あさみ、貫地谷しほり、成海璃子、篠田麻里子が演じていて、彼女たちも実に良い。名人というのはやはり夫人に恵まれ、夫人に支えられてこそなのだなと感心してしまった。

さらに、それぞれの師匠を演じた笹野高史、佐野史郎、橋爪功、角野卓造がこれまた四者四様に素晴らしく、特に橋爪功の林家正蔵は爆笑ものだった。また、師匠だけでなく、ここでも内助の功を果たすそれぞれのおかみさんたちも良かった。

他の落語家では、四代目桂米丸を渡辺いっけい、三遊亭小圓遊を松尾諭、初代林家三平を若い頃は中尾明慶、その後を小手伸也、三遊亭楽太郎(のちの六代目圓楽)を塚本高史、三代目古今亭志ん朝をマギーが演じている。

その他では日テレの笑点のプロデューサを春風亭昇太が演じており、また、存命の落語家たちも、ナビゲータを含めていろいろな役で登場している。そして、三波伸介役がそっくりだと思ったら実の息子が演じていた(笑)

こうやって並べると却々の労作である。後に DVDボックスにでもなるのだろうか。観ていない人は買う価値が充分あると思う。Hulu では全話配信しているようだ。

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