Amazon Prime Video『ある夜、彼女は明け方を想う』
【1月10日 追記】 映画『明け方の若者たち』を観て、帰宅してパンフレットを読んでいたら、同じスタッフ/キャストで撮ったこの映画のアナザー・ストーリー『ある夜、彼女は明け方を想う』が Amazon Prime Video で観られると知り、即観てみた。
原作者のカツセマサヒコが書き下ろしたスピンオフである。45分の掌編。
これは『明け方の若者たち』を観た人は断然観たほうが良いと思う。
『明け方の若者たち』を観ていない人は先にこっちのほうを観てはいけない。あまりに薄くてワケが分からないと思う。
そして、まだ『明け方の若者たち』を観ていなくて、これから観ようと思っている人は、この文章を読むのはここでやめたほうが良い。
ここでは<彼女>(黒島結菜)の視点で物語が語られている。映画の方は全編<僕>(北村匠海)の視点で、年上の彼女が一体何を考えてどんな気持ちで彼とつきあっていたのかがあまり鮮明ではなかったが、これを観ることによってその辺りが強化され、物語は全き形に完成すると思う。
<僕>のシーンは映画から抜かれたものばかりだ。新撮された<彼女>のシーンに、映画では登場しなかった<彼女>の<夫>が登場する。演じているのは若葉竜也である。
映画では如何にも年上の女性っぽかった黒島結菜が、若葉竜也と一緒だと急に幼さが現れて来る。うまく演技できているということだ。
2つを合せて観ると、却々納得感がある。スカイツリーや花火、クジラ公園でのハイボールの空き缶など、映画とこのビデオがしっかりと繋がってくる。
ただ、あんまり制作費をかけられなかったのか、大学の教室は教室に見えないし、<彼女>の自宅の調度品(特に若葉が洋服をかけるところ)などもあまりに安っぽい。そこだけが残念だった。
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