NHK MUSIC SPECIAL 『伝説的ミュージシャンたちの50年』
【9月23日 記】 NHK MUSIC SPECIAL 『伝説的ミュージシャンたちの50年 ~ユーミン・尾崎亜美 そしてSKYEヘ~』を観た。
本放送は 9/20(月・祝)の夕方で、テレビをつけたらやっていたのだが、すでに番組エンディング部分だったので、昨日 NHK+ で頭から観た。我々の世代にはたまらんのである。
松任谷正隆、林立夫、鈴木茂、小原礼の4人が今 SKYE という名前のバンドを組んでいるらしい。知らなかった。そして全員がなんと 70歳なのだそうだ。
番組の中で松任谷正隆が「キャラメル・ママではもうちょっとちゃんとバンドをやりたかったのにできなかったから」と語っていた。
確かにキャラメル・ママはバンドと言うよりはプロデュース集団であり、アレンジャー・チームであり、バックバンドという様相が強かった。
そして、キャラメル・ママの細野晴臣を小原礼に入れ変えるとこのメンバーになる。ちなみに、後から僕が調べたところによると、SKYE というバンドは元々あって(なんと 1968年結成)、メンバーには林、鈴木、小原がいたと言う。その3人に松任谷を加えたのが新生SKYE だった。
番組では、その4人に松任谷由実と尾崎亜美が加わり、『卒業写真』と『マイ・ピュア・レディ』も歌った。「ああ、ユーミンは声が出なくなったなあ」と思ってもやっぱりたまらんのである。そして、番組を見終わった後、自分の書いた記事でもう一度『マイ・ピュア・レディ』のコード進行の復習をしてしまった。
松任谷由実は松任谷正隆夫人と言うよりも、キャラメル・ママのプロデュースでデビューしたのが有名な話。僕も当時、「そんな若い娘のバックをキャラメル・ママがやったのか!」と驚いた記憶がある。
尾崎亜美は当時「荒井由実の妹分」みたいなキャッチフレーズでデビューしており、ユーミンとも親交があった。そして、何よりも驚いたのは、いつの間にか小原礼と結婚していたのだ。それは知らなかった。
小原礼は結構プレイボーイだったらしく、尾崎亜美は高橋幸宏に何度も「小原と結婚してくれてありがとう。おかげであいつは丸くなった」と言われたというエピソードを紹介していた。この辺りの音楽のファンの人たちには言うまでもないが、小原礼と高橋幸宏はともにサディスティック・ミカ・バンドのメンバーである。
その小原は元々ギタリストだったのに鈴木茂のプレイを見て、(ちょうどバンドのベーシストが辞めてしまったという事情もあったが)こんな上手い奴には勝てないと思ってベースに転じたと言っていた。
他にも『あの日にかえりたい』のフィルインの最後に林立夫がスティックを落としたとか、面白いエピソードがたっぷり。ムッシュかまやつのエピソードと昔の映像(ユーミンと『中央フリーウェイ』をデュエット)も良かった。
そして、SKYE はムッシュに捧げた『Dear M』をスタジオで演奏した。気負いのない良い曲だ。その後ユーミンと亜美をバックコーラスに従えてもう一曲『ISOLATION』。
このバンドはなかなか悪くない。熟成した旨味がある。鈴木茂って、僕ははっぴいえんどの頃はあまり好きなギタリストではなかったのだけれど、今はとても良く感じる。これこそ円熟。
そして、レギュラーメンバー以外に女性のブラスセクション3人がいる構成も、音的に非常に良いバランスだと思う。CD を予約してしまった(10/27発売予定)。
2021年9月28日(火)に再放送がある。
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