『ソロモンの犬』道尾秀介(書評、いや書評になってないかもw)
【9月18日 記】 道尾秀介という作家を読むのは初めてなのだが、もちろん随分前から名前を聞いたことはあった。ひょっとしたら彼の小説がドラマ化されたものを観たことがあるかもしれない。
いずれにしてもすでにたくさんの作品を発表して、賞もたくさん獲っている人気作家だ。だから、褒めないとファンに怒られるのかもしれないと、今プレッシャーに押し潰されそうな気分なのだが、褒めるにしても貶すにしても、僕はあまり適任ではない。
何しろ僕は謎解きとかトリックとかいうことにあまり興味がないのである。ひたすら人物がよく描けているものを好んで読む。仕掛けの巧みさより、文章がウィットに富んでいることを喜ぶ。
だから、広い意味でミステリ系の作家で、僕が今まで熱中して何冊も連続して読んだのはクレイグ・ライスとハーラン・コーベンぐらいのものなのだ。
この小説はそういう意味で仕掛けが巧みな小説なのだろう。読んでいて何度も騙された。しかし、真相を知って思うのは、それ、ちょっと無理があるなあ、ということだ(ゴメンナサイw)。
まあ、だけど、そこにはそもそも拘っていないのだから、それはそれで良し。
ここで描かれている人物はやや類型的ではあるが、まあ、筋運びとしてはそれが上手く機能していて面白かった。
犬の行動分析みたいなところに目をつけて物語を展開したのはなかなか独創的な発想だと思う。もちろん、そういう科学できっちり断定しきれないものを持ってきているだけに読んでいてちょっと無理があったりもするのだけれど(笑)
これ以上書いても、皆さんには多分何の参考にもならないでしょうから、この辺でやめておきます(笑) 面白かったです。いつもの3倍ぐらいの速度で一気に読みきったから、それはまあ、確かかな。
いつもは「書評」のつもりで書いてるけど、今回は「感想文」ってとこですね。
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