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Wednesday, September 29, 2021

映画『空白』

【9月29日 記】 映画『空白』を観てきた。吉田恵輔監督・脚本。

この脚本はすごい。ちょっと書けないと思う(今回はちょっとストーリーに触れすぎているかもしれないので、これからご覧になる方はご注意ください。以下の文章を先にお読みにならないほうが良いかもしれません)

途中に突然劇的な展開があって、そこから一気に恐ろしい話になる──というのがある時期の吉田恵輔監督のひとつの型だったので、これもそうかもしれないと思って見ていたのだが、この映画はそれほど複雑な構成ではなかった。

ただ、映画が始まってすぐの、花音(伊東蒼)が車に轢かれるシーンを、駐車していた車の陰から道路に飛び出して出会い頭の車と衝突するという単純な形に留めなかった辺りが、如何にも吉田恵輔ではある。

主人公は添田充(古田新太)。漁師である。漁師の腕は確からしいが、居丈高でいつも怒っていて、気に入らないものを力でねじ伏せようとする男。僕が心底嫌いなタイプの男だ。それは自分の父親を思い出させるからなのだが。

添田は離婚していて、中学生の娘・花音と2人で暮らしている。別れた妻・翔子(田畑智子)は別の男と再婚して近所に住んでいる。今妊娠中だ。

花音は大人しく、目立たない子で、友だちもほとんどおらず、何事もてきぱきとやることが苦手で、自分のことを言葉でうまく伝えることもできない。父親に対しても、怖くてほとんどまともに口がきけない状態だ。

その花音がマニキュアを万引しているのを見咎めたスーパーの店長・青柳(松坂桃李)が逃げ出した花音を走って追っかけるが、その途中で彼女は車に轢かれて死んでしまう。

添田は悲嘆に暮れる。そして怒り狂う。

そもそも理性なんてものとは無縁な男だから、自分勝手な理屈で娘は万引なんかしていないと決めつけ、青柳を吊し上げ、学校に怒鳴り込み、雇って同じ漁船に乗せていた野木(藤原季節)にまで当たり散らしクビにしてしまう。

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Sunday, September 26, 2021

複数アカウントの功罪、と言うか不思議

【9月26日 記】 若い人は大概 twitter のアカウントを複数持って使い分けているという。本アカと裏アカ、それ以外にも全くの別人格になりきったアカウントなどを持っていたりするのだそうである。

一方で、就活中の学生の裏アカを見つけ出して、そこで社会生活上不適切な主張をしていたり、あるいは自分の違法行為を吹聴していたりしないか調べる会社があって、少なからぬ企業がその会社を使って学生を選別しているとの記事を先日読んだ。

そもそもガードが甘いから裏アカの正体を突き止められてしまう、みたいなことが書いてあったが、それ以前に今自分がどのアカウントでつぶやいているのかを勘違いして自ら露呈してしまうケースもあるだろう。そういうことは twitter の黎明期からあったことだ。

僕は複数のアカウントは持っていない。ひとつしかないアカウントは会社のキャラのアカウントなので、プライベート用のアカウントがもうひとつあっても良い気はするが、しかし、現実には仕事のことも私生活の話もずっとひとつのアカウントでつぶやいている。

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Saturday, September 25, 2021

映画『君は永遠にそいつらより若い』

【9月25日 記】 映画『君は永遠にそいつらより若い』を観てきた。僕はほとんどの映画をまず監督で選んでいるが、今回はそうではない。狙いは奈緒だ。Photo_20210925175301

奈緒はもう少し前からいろんなテレビドラマで注目を浴びてきたらしいが、僕はどれも見ていなくて知らなかった。去年 KTV の『姉ちゃんの恋人』で主演の有村架純の親友役をやっているのを見たのが初めてで、こんなに上手くてこんなに魅力に溢れた女優がいたのか!と一気に好きになった。

だが、この映画は奈緒が主演ではない。主演は佐久間由衣だ。名前にも顔にも記憶があった。調べたら彼女が出演した映画を2本見ていたが、印象は残っていない。

この映画では、佐久間由衣が演じる大学4年生・堀貝佐世と同じ大学だが学部は違っていて、学年も1年下の猪乃木楠子が奈緒の役だ。猪乃木はひょんなことから学内で堀貝と知り合い、やがてなんとなく惹かれ合い、静かな友情が育まれて行く。

原作は津村記久子のデビュー作(当初は違うタイトルだったようだ)。津村記久子は大阪出身の芥川賞受賞作家だが、僕は読んだことがない。ちなみに今は僕が務める放送局の番組審議委員会の委員だったはずだ。

原作がそうなのか、今回の脚本や演出がそうなのかは分からないが、如何にも頭で考えましたという感じの話で、作り物感が強い作品だ。逆に言うと、如何にも大学生らしい頭でっかちな感じをうまく出しているとも言えるのだけれど。

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Thursday, September 23, 2021

NHK MUSIC SPECIAL 『伝説的ミュージシャンたちの50年』

【9月23日 記】 NHK MUSIC SPECIAL 『伝説的ミュージシャンたちの50年 ~ユーミン・尾崎亜美 そしてSKYEヘ~』を観た。

本放送は 9/20(月・祝)の夕方で、テレビをつけたらやっていたのだが、すでに番組エンディング部分だったので、昨日 NHK+ で頭から観た。我々の世代にはたまらんのである。

松任谷正隆、林立夫、鈴木茂、小原礼の4人が今 SKYE という名前のバンドを組んでいるらしい。知らなかった。そして全員がなんと 70歳なのだそうだ。

番組の中で松任谷正隆が「キャラメル・ママではもうちょっとちゃんとバンドをやりたかったのにできなかったから」と語っていた。

確かにキャラメル・ママはバンドと言うよりはプロデュース集団であり、アレンジャー・チームであり、バックバンドという様相が強かった。

そして、キャラメル・ママの細野晴臣を小原礼に入れ変えるとこのメンバーになる。ちなみに、後から僕が調べたところによると、SKYE というバンドは元々あって(なんと 1968年結成)、メンバーには林、鈴木、小原がいたと言う。その3人に松任谷を加えたのが新生SKYE だった。

番組では、その4人に松任谷由実と尾崎亜美が加わり、『卒業写真』と『マイ・ピュア・レディ』も歌った。「ああ、ユーミンは声が出なくなったなあ」と思ってもやっぱりたまらんのである。そして、番組を見終わった後、自分の書いた記事でもう一度『マイ・ピュア・レディ』のコード進行の復習をしてしまった。

松任谷由実は松任谷正隆夫人と言うよりも、キャラメル・ママのプロデュースでデビューしたのが有名な話。僕も当時、「そんな若い娘のバックをキャラメル・ママがやったのか!」と驚いた記憶がある。

尾崎亜美は当時「荒井由実の妹分」みたいなキャッチフレーズでデビューしており、ユーミンとも親交があった。そして、何よりも驚いたのは、いつの間にか小原礼と結婚していたのだ。それは知らなかった。

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Tuesday, September 21, 2021

妻の入浴

【9月21日 記】 妻は時々風呂上がりに汗をかいている。これが僕には分からない。いや、最初に書いておくと、汗をかくのが良いとか悪いとかいう話ではない。Bathtub3629302_640

僕は風呂上がりに汗をかくことは滅多にない。冬はそもそも寒いから汗をかきにくいし、だからと言って汗をかくまでずっと風呂に浸かっていることもない。夏は暑いのでシャワーに切り替えて湯には浸からないので汗はかかない。入浴前にかいた汗はシャワーで流されている。

だから、どうして妻が汗をかいているのか、そのメカニズムが分からない。かつ、汗をかくほどなのにすぐに冷めてしまう。冬場などはせっかく入浴したのに寝る頃には足先などが冷たくなってしまっている。風呂から上がったらすぐに分厚い靴下を履くように勧めてみたが効果はまるでない。

僕はそういうことはない。入浴後に「熱の冷めない不思議な靴下」を履くと、寝る前に靴下を脱いでもポカポカしている。

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Sunday, September 19, 2021

映画『サマー・オブ・ソウル』

【9月19日 記】 映画『サマー・オブ・ソウル』を観てきた。本来は 7/2 の封切り予定だったが、コロナで公開日が 8/27 に延びた。

随分前からマークしていた映画なのだが、僕が邦画を何本か先に観ている間に評価が高まって人気が沸騰したらしい。パンフレットは売り切れていた。

奇しくも去年の今日は『メイキング・オブ・モータウン』を観ていた。 2年続けて 9/19 はブラック・ミュージックの日だ。ただし、こちらはモータウンだけではない。ブルーズ、ソウル、ジャズ、ゴスペル、モータウン・サウンド、そしてラテンまで!

ウッドストックと同じ日にこんなブラック・ミュージックのフェスが NY のハーレムの公園で開かれていたとは全く知らなかった。そして、その開催中にアポロ11号が月面着陸していたとは(日本人にとって月面着陸は深夜のイメージだったし)。

長らく眠っていた、と言うより葬り去られていたこのフッテージを1本の映画に仕立て上げるのに、これを単なる記録映画に留めなかったのがすごいと思う。ものすごい編集である。

歌と演奏の間に当日の出演者や観客のインタビューが入る。ニュース映像もインサートされる。でもミュージックは途切れずオーバーラップしている。映像同士も時々オーバーラップしている。どれだけ大変な編集だったろう。いや、その前に素材を全部見るだけでもものすごい時間がかかったはず。

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Saturday, September 18, 2021

『ソロモンの犬』道尾秀介(書評、いや書評になってないかもw)

【9月18日 記】 道尾秀介という作家を読むのは初めてなのだが、もちろん随分前から名前を聞いたことはあった。ひょっとしたら彼の小説がドラマ化されたものを観たことがあるかもしれない。

いずれにしてもすでにたくさんの作品を発表して、賞もたくさん獲っている人気作家だ。だから、褒めないとファンに怒られるのかもしれないと、今プレッシャーに押し潰されそうな気分なのだが、褒めるにしても貶すにしても、僕はあまり適任ではない。

何しろ僕は謎解きとかトリックとかいうことにあまり興味がないのである。ひたすら人物がよく描けているものを好んで読む。仕掛けの巧みさより、文章がウィットに富んでいることを喜ぶ。

だから、広い意味でミステリ系の作家で、僕が今まで熱中して何冊も連続して読んだのはクレイグ・ライスとハーラン・コーベンぐらいのものなのだ。

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Thursday, September 16, 2021

『浜の朝日の嘘つきどもと』(TV版)

【9月16日 記】 映画に先行して放送された『浜の朝日の嘘つきどもと』のTV版を観た。映画版と同じくタナダユキ監督・脚本。CMなしで54分の作品。

せっかく映画版を観たのでどこかでTV版を配信していないかなと思って検索してみたら U-NEXT でやっていた。

U-NEXT には前から加入していたかと言えばそうではなくて、オリンピック前にテレビを買い替えたときに付いてきた「最大3か月無料クーポン」で加入して今無料期間なのである。加入したものの取り立てて観るものがないなと思っていたのでちょうど良かった。

さて、映画を観たときにはタイトルの「嘘つきども」という表現が今イチしっくり来ないなと思っていたのだが、TV版を観てみて合点が行った。これはTV版用のタイトルだったのだ。

福島中央テレビからタナダ監督へのオファーは最初から映画とテレビを同時に作るということであったらしいが、物語としては後から公開された映画がTV版の前日譚という形を採っている。で、このタイトルは明らかに先行公開・後日譚のTV版のものだ。

TV版の冒頭は映画版のラスト・シーンと繋がっており、自殺を考えている映画監督の川島(竹原ピストル)が朝日座に映画を観に来るところから始まる。

その川島に館主の森田(柳家喬太郎)と浜野あさひ(高畑充希)が嘘八百を並べ立てて自殺を思いとどまらせるというのがTV版の前半である。なんなら資産家の未亡人・松山秀子(吉行和子)も“嘘つきども”に加えても良い。

しかし、映画のエピローグ部分で、森田とあさひがうらぶれた川島を見咎めて突然「いっちょう引っ掛けてやるか。お前は客の金をくすねてる設定な」みたいなことを言い出すのは如何にも無理やり感がある。

ただ、あのシーンを入れておかないと、映画版とTV版が全く繋がらない。そう、内容的にはこれはむしろ全く別の企画だと思ったほうが良い。それを無理やりくっつけたのがあのエピローグだったのだ。

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Monday, September 13, 2021

『息吹』テッド・チャン(書評)

【9月12日 記】 とんでもないものを読んでしまった。いや、貶しているのではない。驚いているのである。

僕はそもそも SF というジャンルを読みつけていない。この本を何故読もうと思ったのかももう憶えていないのだが、誰かの書評か紹介文を読んで面白そうだと思い、普段あまり手を出していないこういうのも読んでみようと思ったのだろう。

そのときに多分映画『メッセージ』の原作となった『あなたの人生の物語』の著者だという辺りの情報は得たのだと思う。しかし、いつものことだが、実際に読み始めるころにはそんなことはすっかり忘れていた。

なんであれ、この本を含めて、これまでに 27篇の中短編小説しか発表していないのに、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、星雲賞をはじめ世界の SF賞を合計20冠以上獲得している巨匠である。これがまだ2作目の本だとは言え、僕なんぞの手に負える作家ではない。

冒頭の「商人と錬金術師の門」を読み始めたら、なんとこれは『千夜一夜物語』ではないかという設定の作品。

これはタイムトラベルものだが、多くのその手の作品と違って「過去を書き換えることはできないが、過去を深く知ることはできる」という設定に則っているということを、読み終わって訳者あとがきではじめて気がつくという体たらくである(笑)

で、そもそも何編の作品が収められているのかも知らずに読んだので、この後もこのアラビアンナイトの設定が続くのかと思ったら、2作目以降にはまた作風も舞台も設定も全く違う8篇の SF が続いていた。

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Sunday, September 12, 2021

マンションのインターネット断絶

【9月12日 記】 先日、我が家の PC が突然インターネットに繋がらなくなった。夜の 10時台である。直感的に「多分これはマンションごとやられたな」と思ったのだが、原因の切り分けには手間がかかる。

まずは特定のサイトの問題ではないかどうか調べるために、いくつか他のサイトも見てみる。紛らわしいのは、ちゃんと表示してくれるサイトもたまにあるということ。でも、それはキャッシュを読んで表示しているだけなので、そこから先には飛べないし、読み直したら消えてしまう。

DNSエラーの表示が出たサイトもあったが、それだけでここで断定してしまわずに、もう少し調べる。

次にブラウザの問題かどうか、メーラーを立ち上げてみる。ふむ、繋がらない。

続いて、自分の PC の問題ではないかどうかを確かめるために妻にも訊いてみる。妻の PC も同じ症状。同じく iPhone も Wi-Fi には繋がらない。

続いてルータの不具合ではないか、一旦電源を落としてみたりする。再起動すると何故か再設定を促されるが、途中で止まってぐるぐる回っている。Router157597_1280

ルータからイーサネット・ケーブルを抜いて PC に直挿ししてみるが、やっぱり繋がらない。どうやらルータの故障ではないらしい。

別の部屋の端子に別のケーブルを挿して同じことを確かめるが結果は変わらない。ケーブルや端子の問題でもない。

──以上で少なくとも我が家の内部の問題ではないことが分かった。

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Saturday, September 11, 2021

映画『浜の朝日の嘘つきどもと』

【9月11日 記】 映画『浜の朝日の嘘つきどもと』を観てきた。Img_0989

これはもうほんとにタナダユキにしか書けないし撮れない、爽やかなほど憎たらしいタナダユキらしいタナダユキ監督脚本作品。

う~ん、この感じ、タナダユキ・ファンにしか分からないだろうな、と思う。

震災10年後の南相馬の潰れかけた映画館が舞台だが、監督自身が「必死に頑張って生きています、ということではないアプローチで」と語っている。

タナダユキはそういう作家なのである。

高校の視聴覚準備室で浜野あさひ(高畑充希)と茉莉子先生(大久保佳代子)が DVD で映画を観るシーンで、「100年後のことを考えてご覧よ」(少し間を措いて)「お前なんか絶対生きてないよ」と先生が言う。

言われたあさひは目を丸くして驚く。先生が「どうした?」と訊く。「いや、もっといいことを言うのかと思った」とあさひ。「いいこと言う大人なんか信用できるか?」と返す先生。──そう、これがタナダユキなのだ。

映画はあさひが、自分には縁もゆかりもなかった南相馬の朝日座という映画館を訪れるところから始まる。ちなみにこの映画館は実在するらしい。ファースト・カットは駅についたあさひの足許。キャリーバッグと白い靴しか見えない。

漸く映画館を探し当てると、そこでは廃業/売却を決めた館主の森田保造(柳家喬太郎)がフィルムを燃やしている。先生の遺言で映画館を立て直すつもりでやってきたあさひはそれを必死で止める。名を問われてあさひはとっさに茂木莉子と偽名を使う。

ここでの2人の最初の長い長い会話のシーンと言い、あさひと茉莉子先生が初めて高校の屋上で話すシーンと言い、この映画ではやや引いて固定したカメラの2ショットの1カットで延々と会話劇を見せるシーンがものすごく多い。

これが面白い。まるで役者と役者の技の応酬のような感じがある。高畑充希と柳家喬太郎の“間”が絶妙である。

ちなみに、森田保造という名前は明らかに森田芳光と増村保造の合成である。柳家喬太郎は森田芳光の大ファンなのだそうだ。

そして、タナダユキ監督とは NHK のテレビドラマ版の『昭和元禄落語心中』で落語監修と出演をした以来の関係で、今回の映画ではタナダ監督は最初から柳家喬太郎のキャスティングを考えていたとのこと。確かに見事なハマり役だった。

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Wednesday, September 08, 2021

管と道

【9月8日 記】 8/17 の記事に書いたように、僕の尿路結石は 235日の長い旅を経て体外に出てきたのだが、その後いろいろ考えていると、調べたくなったことがある。

腎臓内に石があるときには痛まないのは分かる。ある程度の広さがあるからだろうと想像する。

それが尿管に入ると時々痛む。僕の内科の主治医は尿管には難所が3箇所あって、そこを抜けるときに痛むと言う。一方、泌尿器科の主治医は「動き出したかどうか、どこにあるかどうかに関わりなく痛みはやって来ます」と言う。

それに比べて、石が膀胱にまで降りてきて、「尿道を通って外に出るときには痛まないのですか?」と聞くと「流れに乗って出てくると痛くないです」と泌尿器科の主治医は言う。

となると、尿管より尿道のほうが管が太いから痛まないのではないか?──というのが素人考えの推理である。

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Sunday, September 05, 2021

パルスオキシメーター

【9月5日 記】 パルスオキシメーターを買ったのはいつだったろうか。それまで名前も聞いたことがなければ、そんな測定器具がそこそこの値段で売っていることも知らなかったが、ご多分に漏れず、このコロナ禍をきっかけに買った。Pulseoximeter6582524_640

コロナの場合は所謂「幸せな低酸素症」になって、自分では血中の酸素濃度がいちじるしく低下していることに気づかないまま死に至ることがあると言う。恐ろしいではないか。

で、買ったものだから時々測ってみるのだが、何度測っても 90%台後半で落ち着いている。多少疲れているとか寝不足だとか、風邪を引きかけているなんてことは全く関係がないみたいだ。

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Saturday, September 04, 2021

映画『鳩の撃退法』

【9月4日 記】 映画『鳩の撃退法』を観てきた。いつものように監督で選んだのではなく、原作を読んで面白かったから。そして、今年になってから読んだのでまだ本の記憶が薄れておらず、今のうちに観たかったから。

これだけ長くて複雑な話を2時間の映画にまとめるのは結構な冒険である。しかし、この映画はあっぱれと言うしかないぐらい、小説のあちこちを見事に切り貼りしていた。

多くの部分を削ぎ落とし、ちょこちょこと設定をいじって、それでも全体の印象が小説からかけ離れることなく、しっかりと独立した物語になっていた。驚きである。

特に、原作のややトリッキーな書き出しを棄てて、原作では下巻の途中からしか出てこない出版社編集者の鳥飼(土屋太鳳)を冒頭から出し、その時点からの津田(藤原竜也)の回想であり想像であり執筆である形にしたことによって、ものすごく分かりやすくなった。

津田がいる場面にもうひとり津田が出てきて回想したり解説したりするというのもなかなかのアイデアだった。後半、鳥飼が富山(原作ではどこの街なのかは書かれていないが)に飛ぶ設定は原作にはなかった。これもうまい端折り方だ。

もちろん2時間に押し込めたことよって失われたものは少なくない。その点をいくつか順番に述べると、

まずは非常に登場人物の多い複雑な物語なので、これを2時間にしてこんな速いテンポ(津田の早口)で進めてしまうとついて行けない客も多いのではないかと心配になった。原作を読んでいないとちょっとしんどいところもあったのではないだろうか?

それから、元直木賞作家でありながら今はデリヘル嬢の送り迎えで生計を立てている津田の女性関係が、最初の不動産屋・慎改を除いてほぼ全て省かれている。これは2時間という枠を考えると、構成上は大正解だとは思う。

しかし、津田の女ったらしの面、とりわけ必ずしも好色ということでもなく、むしろ生きて暮らしていくために女ったらしをやっているような、それだけに嫌らしい面が描かれていないのは非常に残念ではある。

そして、原作者の佐藤正午があえて明示的に書いていないことを、数多く台詞で断定的に説明してしまっていた。これは佐藤が主人公・津田に言わせているように TMI、つまり too much information、「語りすぎ」である。

でも、映画ではこのくらいにしておかないと解らない客が続発するんだろうなとは思う。また、原作通りに映画化すると、「伏線が回収しきれていない」などと宣う客も出てくるのだろう。

ただ、言うまでもないが、物語で一番大事なことは伏線を回収することではないのだ。書きすぎないことこそがこの原作小説の真骨頂であり、佐藤正午を佐藤正午たらしめている部分でもあるので、そこを明示的に語らせるしかなかったタカハタ秀太監督(脚本も藤井清美と共同)には同情する。

その忸怩たる部分もあって、映画にも「TMI、つまり too much information だ」という台詞を残したのではないかと思うのは考えすぎだろうか?

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Friday, September 03, 2021

外付け DVDドライブ

【9月3日 記】 先日会社の PC が新しくなったのだが、付属の充電器/ACアダプタは会社に置きっぱなしにして、自宅でのテレワーク用にもうひとつ買ったという話を書いた。

実はもうひとつ問題があって、今度の会社の PC は随分軽くなって持ち運びが楽になったと喜んでいたのだが、それもそのはず、DVDドライブが内蔵されていないのである。

DVDドライブがないと明らかに業務に支障を来すので、当然外付け DVDドライブも一緒にあてがわれたわけだが、そうなると今度は PC と DVDドライブの両方を持って家と会社を往復することになる。

もちろん DVDドライブを使わない日も多いが、いつ必要になるか分からないので、家か会社に置いておくわけには行かず常に持ち歩く必要がある。

となると、せっかく軽くなった意味がない。そして、下手すると前よりかさばる。

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Wednesday, September 01, 2021

証券会社の不思議

【9月1日 記】 私が生まれてはじめて株式を購入したのは 2000年2月14日でした。Businesswomen6494072_640

小さい頃から堅実な性格と言われた私は、銀行に預金はしても、株式のような元本保証のない危ないものにはそれまで手を出したことがありませんでした。

しかし、1990年代の金融危機を通じて、銀行に預けておけば安泰ということは決してない(つまり、銀行だって倒産するし、そうなると預金がパーになることだってある)ということを学びましたし、何よりも当時の低金利に嫌気がさして、いっちょうやってみるか、みたいな気持ちで株の売り買いを始めた記憶があります。

それで思い出すのは、当時は売ったときの譲渡益税は別として、売ったときも買ったときも手数料を取られました。私が使っていた証券会社は売り買いともに 5% の消費税込みで 3150円を徴収されました。

それがふと気づくと1日の約定代金が 50万円までは無料になっています。他には IPO や立会外分売も手数料ゼロです。これは私が使っている証券会社の例ですが、他社も似たようなものでしょう。

私は取引の回数も少ないですが、とりわけ高額の取引が少ないので、この5年間で言えば手数料を取られたのは8回しかなく、あとはすべて無料です。

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