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Thursday, August 26, 2021

「マスクをしてください」と言う人

【8月26日 記】 地下鉄の車内で座っていたら、僕の左隣に座っていた上品そうな老婦人がいきなり毅然とした大きな声で「マスクをしてください」と言った。

僕はマスクを着用しているので僕のことではない。では誰なのか?

その老婦人の前後左右を見回したが全員マスクをしている。あまり間を空けずにまたその老婦人が「マスクをしてください」と繰り返したので、もう一度見渡したら、僕の真正面に立っている老人(ま、僕も老人だがw)がマスクをずらして電話をしていた。

「あなた、どうしてマスクを外して電話をなさるの?
喋るのであればマスクをしたまま喋ればいいんですよ」

と老婦人は畳み掛ける。

そういうことなのだ。老婦人は老人が車内で電話をかけていることに苦言を呈しているのではなく、電話で喋るためにマスクをずらしていることを指弾していたのである。

電話をしていた老人は、たまたま電話が終わったのか、それとも怒られたから切ったのかは知らないが、ともかく僕がもう一度見たときにはマスクを元に戻して黙っていた。反論もしないし謝罪もしない。

そうこうするうちに電車は僕が降りる駅のホームに入ってきたので、僕は席を立った。すると、当然ながら、僕の正面に立っていたマスク外し電話老人が、僕のあとに座ることになる。電車が完全に止まるまでの間、僕はハラハラしながらそれを見ていた。

老婦人は幾分身体を左に傾けて手でガードするような姿勢をとりながら、右隣に座った老人に対してあからさまに嫌悪感を表していた。一方、座ったの老人ほうは、ま、そうするしかないのだろうけれど、無視だ。

でも、老婦人は攻撃の手を緩めたりはしなかった。

「あなた、マスクの横に隙間ができてるじゃないですか。
ちゃんとマスクをしてください。そこから唾液が飛ぶんですよ」

と、最初から全く変わらぬ、毅然とした、強い口調で言った。

その辺りで僕は現場を去って電車を降りた。

そういうことなのである。

僕は「この老婦人の言う通りだ!」と言いたくてこれを書いているわけではない(ま、その通りだとは思うのだが)。逆に、「いくらなんでもそんな言い方はないんじゃない?」と言いたいわけでもない。

僕が思ったのはこういうことだ。

世の中には必ず「ま、このくらいは別にいいんじゃない?」という考え方をする人間と、そういう人に対して業を煮やす人間がいる。それはいつの時代にもそうだったのかもしれないが、しかし、今のコロナ禍の中で、後者の苛立ちはもう限界に来ているということだ。

そういうことなのである。そういうことは分かっておいたほうが良いと思うのである。

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