『Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築』大澤文孝、玉川憲 、片山暁雄、今井雄太(書評)
【7月16日 記】 難しくて読んでも解らないかもしれないな、と思って読み始めたが、意外によく解った。
とは言え、それはあくまで僕の場合の話であり、誰が読んでもよく解る本ではないだろうとは思う。単なるユーザとしての経験は何年もあるが、コンピュータやネットワークのことをほとんど勉強したこともないという人だと、読み始めても途中で放り出すかもしれない。
僕が人生最初の PC を買ったのが 1994年。信じられないかもしれないが、当時の PC には何百ページにも及ぶマニュアルがついていた。マニュアルと言うよりもむしろ技術解説書である。僕はまずその本を読破した。そういう人間である。
もちろん、PC を使い始めたばかりのころに「仮想メモリ」などと言われても、何のことだかさっぱり解らない。だから、だいぶ PC に慣れてきた頃に、もう一度最初から最後まで読破した。僕はそういう人間である。
ネットワークに関しても、長いユーザ歴の中で何度か集中的に、独学/座学で勉強したこともある。
そういうこともあって、この本は割合よく解った。と言うか、この本を読みながら、「あ、そうか、そうだったな」とか「ああ、そういうの確かに勉強したな」などと、昔学んだ記憶が次々に甦ってきた。
会社では AWS がガチで使われている。もちろん僕は実務者ではないから、実務上、設定上の細かいこと、詳しいこと、具体的なことは解らない。
ただ、元々、「そういうことは解らなくていいや」「ただ、大まかな構造が解ればいいや」と思って読み始めた本である。
仕事で時々目にするシステム構成図などについては、僕の職務上の立場からすれば完全にスルーしても何の問題もない。でも、概略は知っておきたいなと常々思ってきた。
この本のおかげで、よく目にする「EC2」とか「インスタンス」とかいう代物が一体何なのか、少なくとも上辺は理解できた。
そういう目的で読んで、そういう目的がちゃんと達成された。僕にとっては良い本であった。
もちろん、この本は入門書であり、すでに自分でネットワークを構築し始めているような人には物足りないだろうとは思うが。
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