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Saturday, July 31, 2021

映画『イン・ザ・ハイツ』

【7月31日 記】 映画『イン・ザ・ハイツ』を観てきた。テレビで本編の一部が紹介されているのを見た瞬間に、これは観るぞ!と心に決めた作品。

トニー賞4冠とグラミー賞の最優秀ミュージカルアルバム賞を受賞した、ブロードウェイの大ヒット・ミュージカルの映画化と言うだけのことはある。音楽もダンスも超絶にカッコいい。

ミュージカルというものは、どんなに歌や踊りが素晴らしくても、ストーリーがあまりに単純かつ陳腐でげっそりすることが多いのだが、これは誰かが何かを成し遂げたり運命を乗り越えて悲恋が実ったりするようなクサイ話ではなく、基本的に群像劇であり、そして人生讃歌になっているので気持ちよく観られる。

ビートがきついラテンのリズムにラップが乗っかっている音楽の構成が素晴らしい。ヒップホップのラップも悪くないが、僕は昔からラテンのラップが大好きだ。移民の物語の世界観ともうまくマッチしていた感がある。

メインの登場人物となる4人は当然として、アブエラ(おばあちゃん)役の女性まで圧倒的な声量と澄んだ声質をしているのに驚かされる。モブのコーラスもものすごく層が厚く、ハーモニーも絶品で、まさに Wall of Sound である。

そして、ダンスはやはり日本人とは体のキレが違う。この動き、この閃き! 店の前の広い道路や、プールなどでのダンサー総動員のパフォーマンスは、カメラワークを含めて圧巻である(アパートの外壁で踊るシーンのなんと美しかったことか!)。

長期の停電で powerless な中、これだけ powerful なラテンの血を見せてもらっただけでも元気が出る。心が踊り出す。

143分という長めの尺だが、これは本当に観る値打ちがある。まさに堪能した。

アメリカのテレビ・ドラマでは脚本を書いている人がプロデューサであるケースは普通だが、この映画では原作者であり、作詞作曲を含めて音楽を担当し、さらにプロデューサのひとりでもあるリン=マニュエル・ミランダがピラグア(かき氷)売りとして出演しているのが面白い。

監督は同じ移民であるとは言え、ラテンとは何の関係もない台湾系のジョン・M・チュウである。これも面白い、と言うか、驚く。

アメリカ映画としては珍しく、長い長いスタッフロールの後にエピローグがあるので慌てて席を立たないように。

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