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Sunday, July 18, 2021

映画『竜とそばかすの姫』

【7月18日 記】 映画『竜とそばかすの姫』を観てきた。

細田守監督作品は、遡って『時をかける少女』も観たが、初めて観たのは『サマーウォーズ』で、あれには驚いたし、魅了された。

でも、その後3本の長編アニメを観て、どれも良かったけれど、結局どれも『サマーウォーズ』を超えられていない気がしている。それがちょっと腰を引かせる理由にもなっている。

その上、今作は『美女と野獣』がモチーフになっていると聞いて、そう言われると絵柄まで似ているではないか!と思うと、だんだん観る気が失せてきた。

とは言いながら今回も一応は観に行ったわけだ。観てみると、さすがにこのチームは作画能力が高い。

冒頭で電脳空間 "U" と、そこでのアバターである "AS" の説明があるのだが、その背景となっている画が、これは明らかに『サマーウォーズ』を超えてすごい。圧倒的な情報量である。単なるデザインとしても美しい。

そして、現実空間においても、透明な瓶に挿した花の茎が水の中で屈折していたり、徒歩やバスや電車で移動すると光の移ろいに伴って顔が陰になったり日向になったりするところなど、ほんとうに肌理細やかである。

人物は平面アニメ特有の描き方で、動きも現実の人間と比べるとやや大げさでぎこちないが、木や草や水の流れや川面に映る像など、風景の作画能力がめちゃくちゃ高い。

で、ストーリーのほうは、すずが何故歌えなくなったのかとか、ベルはどうしてそんなに竜に惹かれたのかとか、ちょっと分かりにくいと言うか説得力に欠けると言うか、観客がうまくのめり込めない面もあったが、まあ、青春を応援する良い話だった。

主人公のキャラクター・ボイスにまだそれほど名が売れていないミュージシャンの中村佳穂を起用したのは成功だった。もちろん現実世界でのすずとしても、U での人気歌手ベルとしても。歌ももちろん彼女が歌っているし、細田監督と共同で歌詞を書いたりもしている。

音楽は、劇中歌も含めて非常にレベルが高く、適度に複雑で適度に美しくて良かった。多くの曲は音楽監督も務めた岩崎太整が書いている。

ちなみに、世の中にはジブリの映画音楽のファンという人たちもいるが、僕はジブリの音楽センスが嫌いだ。良い曲もないではないのだが、全体的にひどいセンスだと思っている。その点この映画は良かった。

で、帰ってパンフを見て初めて分かったのだが、すずの親友のヒロの CV はなんと YOASOBI の幾田りらだった。他の役も声優ではなく俳優が多く、すずが思いを寄せる幼馴染のしのぶに成田凌、その友だちのカミシンに染谷将太、同級生の美少女ルカに玉城ティナ、すずの父親に役所広司、竜に佐藤健と豪華である。

そして、すずを見守る村の合唱隊のおばさんたちを、森山良子、清水ミチコ、坂本冬美、岩崎良美らに演じさせたのも楽しい試みであった。

まあ、ストーリー的にはやや薄い感じのする部分もあったが、アニメはやっぱり作画の表現力に尽きる。そういう意味では今回も他の追随を許さない、圧倒的な力量を見せてもらった。力作である。

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