The stone is still there
【3月2日 記】 石はまだそこにいた。3000発の集中砲火にも耐え、われても末に逢はむとぞ思ふどころか、頑なに割れもせで。石が強いとはこのことだ。
体外衝撃波による尿路結石破砕の話である。
当日、術後のレントゲン写真を見ながら、医者が「ああ、まだ、ここにあるなあ。うーん、少し縦長になったかな」などと弱気なことを口走ったので不安にはなっていたのだが。
とにかく2~3週の間を置いてまた来てくださいと言われた。この経過観察の間に事が進展する場合もあるのかなと信じた。
しかし、おしっこが出るたびに(どれぐらいの大きさになっているかは分からないが)石っぽいものが混じっていないか注意深く観察したにもかかわらずそれらしいものはなかった。
幸いにして痛くも痒くもなかったのだが、それは石が動いていない証拠かもしれないと嫌な気がしながら。
そして、今日17日ぶりに行ってまた撮ったレントゲン写真を見ながら、医者は「うむ、頑固にいるなあ」と呟いた。
「うーん、あと1か月見させてください」と医者は言う。
「1か月後にやっぱり動いてなかったらどうするんでしょう?」と僕が訊く。
「もう1回破砕を試みるか、内視鏡による手術をするか」と医者が答える。
「1度目はダメだったけど2度目で破砕に成功した、なんてことはあるんでしょうか?」と僕が訊く。
「それはあります。ただし、2回やってダメだった人が3回目に成功することはあまりありません」と医者が答える。
ふーむ、もう1回やったら合計 6000発かよ。でも、切るよりかマシか。とにかくまた1か月、石の健やかな旅路を祈りながら暮らすしかない。
帰り際にもうひとつ訊いた。「前にいただいた石を流れやすくする薬がまだたくさん余ってるんですが、飲まなくていいですか?」
医者は投げやりに言った。「効果ないみたいだから、いいです」
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