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Wednesday, March 31, 2021

コーヒーミル買い換え記

【3月31日 記】 長年使っていたコーヒーミルが壊れて買い換えてまだ日が浅いのだが、先週末、さらに別のやつに買い換えた。Coffeemill

結局前のやつはダメだった。いつも豆を買っているヤマモトコーヒー店で買ったのだが、最初からあの親切な店主に相談すべきだったのだ。

あのおじさんは単なるコーヒー豆屋の店主ではなく、多分コーヒーが好きで好きで、好きだからこそ膨大な知見やノウハウを持ち合わせており、好きだからこそ誰にでもそれを伝授したくてウズウズしている、というタイプの御仁だと思う。

それだから必然的にひとりの客に対して説明が長く、丁寧になり、その結果必然的に他の客は話しかけられないタイミングが多くなる。

あの日もそんな感じで他の客の相手をしていたので、僕は女性の店員(店主の奥さんなのかな?)にちょこちょこっと質問して、セラミック刃のコンパクトなコーヒーミルを買ったのだ。

ところがこれを使ってみると、豆を挽いている最中に何度もつっかかって回らなくなる。おまけに前は2人で2杯ずつ4杯分の豆を、取っ手を大体 100回まわしたら挽き終えたのに、このコーヒーミルは 270回もまわす必要があり、おまけに力も相当必要で、途中で何度か休まないと挽けなかった。

そのうえ挽いた豆は、ものすごく細かい粉状のものから刃と穴の隙間につまる大きめの欠片まで、ものすごく挽きムラがあり、細かさの調整ネジもこちらの期待通りにはならない。

それで、2ヶ月ぐらい経ってから、豆を買いに行った時に例の店主に相談してみたのだ。

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Monday, March 29, 2021

映画『騙し絵の牙』補足

【3月29日 追記】 一昨日観た映画『騙し絵の牙』の補足。今回の記事は若干ネタバレありです。ご注意ください。

まず、この映画の宣伝方針は間違えているのではないかという気がしてならない。ポスターなどに書いてあるキャッチコピーは「騙し合いバトル、開幕!」、「ウソを見破り、ウラを暴け」──これは少し違うのではないか?

宣伝担当者はこの映画のコンゲーム的な面白さをアピールしたいのだろう。それはそれで的外れではないのだが、この映画の凄さは単なるコンゲーム的な面白さに留まらないところだと思う。そこをアピールせずにどうする?

そのほうが客が入るという計算なのか?

別のポスターでは上下段に出演俳優15人を並べて、真ん中に「全員ウソをついている!」って、これはひどくないか? もちろん何人かはなにがしかの嘘をついているが、嘘をつきまくっているのは大泉洋が演じる速水ぐらいのもので、中には全く嘘をついていない人まで含まれている。

ウソついてんのはお前のほうやろ! 宣伝担当者!

こういうポスターを観ると本当に悲しくなる。

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Sunday, March 28, 2021

note:「ロマンポルノ無能助監督日記」

【3月28日 記】 ずっと読んでいる金子修介監督の note「ロマンポルノ無能助監督日記」が、ここに来ていよいよ面白くなってきた。

今、第30回まで来て、森田芳光監督と金子修介助監督の仕事の話になってきたからだ。

毎回最後に 100円の有料コンテンツがついているが、それを読まなくても何の問題もないので、興味のある方はお読みになると良いと思う。

金子修介監督の note のページ

僕はこの連載を読むまで、金子修介が森田芳光の助監督をしていたことを長らく忘れていた。初めて金子修介監督の一般作品『1999年の夏休み』を観た時に、①日活ロマンポルノ出身の人なのか、②森田芳光の助監督をやっていたのか、と思ったのだが、そのまま②を忘れていた。

もうひとつ言うと、『1999年の夏休み』の前にロマンポルノの『OL百合族19歳』を観ていたのだが、これが金子修介監督だということも忘れていた。

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Saturday, March 27, 2021

映画『騙し絵の牙』

【3月27日 記】 映画『騙し絵の牙』を観てきた。本来であれば昨年の 6/19 に公開のはずが、コロナ禍で延期になっていた作品だ。

もう、べらぼうに面白かった。吉田大八監督の作品は『クヒオ大佐』以外全部観ているが、一度も期待を裏切られたことがない、と言うか、観るたびにぶっ飛んでしまう。

今回で言えば、このテンポだ。もちろん物語自体の面白さもあるのだけれど、映像作品としてのこのテンポは(BGM の選び方と使い方の巧さもあってのことだが)他の監督には出せないのではないかと思った。

とても構成力のある監督だとは思っていたが、今回のテンポには舌を巻いた。映画の最初から最後まで一瞬たりとも観客の気を逸らせない。

原作の小説を書いた塩田武士という作家を、僕は読んだことがないのだが、聞けば『罪の声』もこの人だとか。これはかなりのストーリー・テラーである(逆にストーリーしか語らない作家かもしれないと思うと怖くて読めないのだがw)

しかも、この小説は塩田が大泉洋を主人公に当て書きしたというから驚きだ。

そして、その大泉洋を主役に映画化しておきながら、大泉は撮影中に監督から何度も「今のは大泉さんっぽかったから NG です」と言われたと言うから、これまた面白い。大泉のようで大泉でないのである。それこそがリアルということではないだろうか。

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Friday, March 26, 2021

『筒美京平 SONG BOOK』

【3月26日 記】 あっちの CD評を書いてこっちの CD評を書かないわけには行かないので書く。宮本浩次の『ROMANCE』に次いで買ったのは『筒美京平 SONG BOOK』だ。

このブログにも何度も書いているように、僕は筒美京平の信奉者であり、筒美京平を愛してやまないファンである。

でも、このトリビュート版が武部聡志プロデュースでなかったら、そして、武部聡志と本間昭光がアレンジし、橋本愛が歌った『木綿のハンカチーフ』を試聴していなかったら、僕はこの CD を買っていなかったかもしれない。

この『木綿のハンカチーフ』はそれほど素晴らしい。原曲の非常に印象的なイントロを捨てて、ピアノだけの伴奏で橋本愛が歌い始める。彼女が歌うなんて知らなかったし、巧くもない。だけど、武部のピアノと橋本の声がきれいに溶け合って、じんわりと聴く者の心に染み込んでくる。

このアルバムも『ROMANCE』同様、選曲が素晴らしい。

作詞家も橋本淳と松本隆ばかりにならないように、阿久悠がいて、林春生がいて、阿木耀子がいて、北山修がいて、秋元康がいて、康珍化がいる。──なんという豪華なラインナップだ。そして、編曲家陣も武部、本間の他に亀田誠治や小西康陽が参加するなど、ものすごくそそられる。

以下にラインナップを上げておく。括弧内に原曲の歌手名を入れ、全て筒美京平作曲に決まっているので、それに続けて作詞、編曲、歌唱の順に名前を記しておく。

  1. 『人魚』(NOKKO)NOKKO、武部聡志、LiSA
  2. 『東京ららばい』(中原理恵)松本隆、亀田誠治、片岡健太(sumika)
  3. 『木綿のハンカチーフ』(太田裕美)松本隆、武部聡志/本間昭光、橋本愛
  4. 『ブルーライト・ヨコハマ』(いしだあゆみ)橋本淳、西寺郷太、アイナ・ジ・エンド(BiSH)
  5. 『卒業』(斉藤由貴)松本隆、武部聡志/亀田誠治、生田絵梨花(乃木坂46)
  6. 『また逢う日まで』(尾崎紀世彦)阿久悠、武部聡志、北村匠海(DISH//)
  7. 『サザエさん』(宇野ゆう子)林春生、本間昭光、miwa
  8. 『魅せられて』(ジュディ・オング)阿木耀子、MANABOON、芹奈&カレン(Little Glee Monster)
  9. 『シンデレラ・ハネムーン』(岩崎宏美)阿久悠、小西康陽、一青窈
  10. 『さらば恋人』(堺正章)北山修、武部聡志、前田亘輝(TUBE)
  11. 『ドラマティック・レイン』(稲垣潤一)秋元康、武部聡志、JUJU
  12. 『君だけに』(少年隊)康珍化、武部聡志、西川貴教

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Wednesday, March 24, 2021

『決壊』平野啓一郎(書評)

【3月24日 記】 デビュー以来しばらく敬遠していた平野啓一郎を、読んでみたら意外に面白かったので、ここ数年、少しずつ読み始めている。作品によって随分と振り幅のある作家だということが分かってきた。

これは上巻/下巻に跨る大著である。それにしても、読み始めはこの話がどんなところをどっちに向いて走って行くのか全く見えない。僕のように予備知識なく読み始めていると、どんなジャンルの小説なのかさえ分からない。

冒頭は沢野良介が法事のために、妻と幼い息子を連れて郷里の福岡に帰るところから始まる。

その新幹線の中で良介は何か違和感を感じるのだが、この違和感が何だったのか、多くの読者はどこかで種明かしがあると思って読み進むのだが、いつまで経ってもそれは解き明かされない。

むしろそれは読者が自分の頭で考えなければならないものを突きつけられているのだと、後になって気づくしかないのである。

しばらくすると、今度は良介の兄の崇の記述が始まる。崇は小さい頃から勉強ができスポーツも得意な、クラスの中心的な人物であり、やがて東大に進み、公務員になり、国会図書館に務めている。

結婚はしていないが、女性にもて、ステディに肉体関係を結んでいる女性が何人かいる。

この優秀な兄と、兄を愛する一方でコンプレックスを抱いている弟の話かと思って読み進んで行くと、あるところから、今度は学校で暗いからといじめに遭っている中学生・北崎友哉の話になる。

この3つがどう繋がるのかが分からない。

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Sunday, March 21, 2021

平岩紙

【3月21日 記】 今クールはテレビドラマを割合よく見ている。その中で特に評判になっているのが TBS『俺の家の話』で、僕も結構楽しんで観ているのだが、このドラマで特に僕が惹かれる役者は長瀬智也でも戸田恵梨香でも江口のりこでもなく、平岩紙である。

この平岩紙は僕が今まで見てきた平岩紙の中で史上最高の平岩紙ではないかと思う。

と言っても、僕はそれほど彼女をを見てきたわけではない。そもそも大人計画の舞台を観たことがないので、映画とテレビドラマが全てである。彼女が出た映画は、調べてみたら 2004年以来合計 12本観ているが、残念ながらはっきりと記憶に残っている作品はない。テレビドラマも同様。

名前が珍しい(紙のように色白だから松尾スズキがそう名付けたのだそうだ)のですぐに憶えはしたが、言うならば僕はこのドラマで初めて彼女を、彼女の演技を、しっかりと認知したわけだ。

このドラマで彼女の関西弁を聞くまで、僕は彼女が関西出身だとは知らなかった。そして、夫がフジファブリックの Vo/G だとは知らなかったし、もう41歳だというのも意外だった。

このドラマは宮藤官九郎の脚本ということもあって、荒川良々や三宅弘城、阿部サダヲらいろんなメンバーが出演しているが、いやあ、大人計画って本当に層が厚い。

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Saturday, March 20, 2021

映画『まともじゃないのは君も一緒』

【3月20日 記】 映画『まともじゃないのは君も一緒』を観てきた。

前田弘二監督は、劇場公開映画のデビュー作となった『婚前特急』(2011年)を観てそこそこ面白かったのだが、王道の所謂スクリューボール・コメディで、僕が期待したようなひとひねり、ふたひねりある構成でもなかったのに少し失望して、その後は観ていなかった。

普段は大体監督で映画を選んでいる僕だが、今回は成田凌と清原果耶という、旬の組合せに惹かれて観たのである。2人とも同年代の俳優のレベルを突き抜けた巧い役者だと思っている。

で、『婚前特急』で前田弘二と共同で脚本を書いていたのが高田亮で、今回の映画でも彼がオリジナル脚本を物しているのだが、2人はアマチュア時代からのコンビなのだそうだ。

僕は高田亮と聞いて俄にピンとこなかったのだが、調べてみると『さよなら渓谷』、『そこのみにて光輝く』、『オーバー・フェンス』など、数々の名作を手掛けている名脚本家であった。

この映画はその2人のコンビが非常にうまく機能して、絶妙の会話劇になったと思う。これも所謂スクリューボール・コメディということになるのだろうが、僕は何度も声をあげて笑った。

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Wednesday, March 17, 2021

髭の剃り方と徒然草と妻

【3月17日 記】 前に書いたことの繰り返しになるが、僕は何十年も髭の剃り方を誤っていたようだ。Razor159759_640

髭の剃り方と言っても、シェービングフォームをつけて蒸しタオルで蒸して剃刀で剃るわけではなく、電気シェーバーである。

中学に入ってすぐの頃だったと思うのだが、父親の使い古しのシェーバーを譲り受けて以来、人生のほとんどの朝にシェーバーで髭を剃ってきた。

で、前にも書いた通り、会社の同僚が髭剃りの所要時間について書いているのを読んで、俄に自分の剃り方が間違っていた(だから、時間がかかりすぎる)のではないかと気になってきたのである。

ひょっとしたらシェーバーで髭を剃るときに固く握って肌にぐいぐい押し付けすぎているのかもしれない──そう思って、軽く握って肌の上を滑らすように剃ると、所要時間が若干縮んだような気がした。

深く剃るには根元までしっかり押し付けなければという僕の意識が間違っていたのかもしれない。

しかし、そう思って一度はそのように髭の剃り方を改めたのだが、気がつくといつの間にか昔の剃り方に戻っていたようだ。僕は何をするにもとかく力が入ってしまうのである。最近そのことに気づいて、また滑らせる剃り方に戻したら、やはりこのほうがよく剃れる気がする。

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Monday, March 15, 2021

『ROMANCE』宮本浩次

【3月14日 記】 久しぶりに CD評をひとつ。長らく買おうかどうしようか迷っていたアルバムだ。

エレファントカシマシというバンドは、そのグループ名の通り「なんだ、こいつら、うるせえな」と思って、僕はあまりまともに聴いたことがなかった。が、その宮本浩次が最近カバーバージョンをやっていることは知っていた。

言うなればカバー・マニアであり、長らく J-POP の歴史を研究してきた僕だから、当然早い時期に聴いてはみたのだが、編曲に新機軸が感じられず、なんか選曲が良いだけという気がして、とりあえず初回限定盤は見送った。

でも、世間の評判は良いし、自分で聴いて良くないと思ったくせにいつまでも気になる。それで何ヶ月か経ってもう一度聴き直してみた。その結果が、「やっぱり買おう」という決断だった。そう、リッピングではなく CD を買おうと決断した。

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Sunday, March 14, 2021

『あのこは貴族』の貴族が行きそうもない居酒屋のシーン

【3月14日 追記】 昨日観た映画『あのこは貴族』で、主人公の華子(門脇麦)が多分生まれて初めて入ったであろう庶民的な居酒屋で、大きな声の関西弁で連れの女とワーワー言ってる男の役を、僕は原田泰造だと思って観ていた。

こういうことって時々ある(皆さんはないだろうか?)

まあ、似てると言えば似てるというレベルなのだが、どれくらい似ているかはあまり大きな要素ではなく、言わば出会い頭の思い込みである。

しかし、台詞の量は少なくないとは言え、こんなところに結構名優である(と僕は思っている)原田泰造を使うのはもったいないし、そもそも原田泰造は関西出身ではなかったはずで(ネプチューンでは関西人は名倉潤だけだったはずだ)、あんなに流暢な関西弁が喋れるはずがない。

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Saturday, March 13, 2021

映画『あのこは貴族』

【3月13日 記】 映画『あのこは貴族』を観てきた。ノーマークの映画だったのだが、周囲の評判がかなり良かったので。で、実際観てみて、あまりの出来の良さに驚いた。

どこがどうなのだと言われると困るのだが、岨手由貴子監督の頭の中にはしっかりと映画文法が詰まっている感じがした。卓越した感性も、しっかりとした表現力と技法の上に乗っからないと伝わらないだろう。

山内マリコの小説が映画化されるのは、『アズミ・ハルコは行方不明』(2016年、松居大悟監督)、『ここは退屈迎えに来て』(2018年、廣木隆一監督)に続く3本目。僕は彼女の小説を読んだことはないが、映画は2本とも観ていて、どちらもとても良かった。

冒頭は 2016年(だったかな?)の元日、タクシーの中の榛原華子(門脇麦)。家族で会食する都内のホテル(あの扉は椿山荘かな?)に向かっている。浮かない顔をしているのは、今日家族に紹介するはずだった婚約者と今日別れてしまったから。

華子はどうやらとても「ええとこの子」、ハイソサエティな感じ、深窓の令嬢と呼ぶべき金満家の娘。後のシーンで家は松濤にあることが分かる。田園調布なんかじゃない。松濤である。そしてお買い物は日本橋である。

榛原家は医者一族。開業医の父(佐戸井けん太)と母、長姉の香津子(石橋けい)と次姉の麻友子(篠原ゆき子)、香津子の夫(山中崇)と子連れで出戻った麻友子の息子、そして祖母の京子(銀粉蝶)がホテルの一室に集って高そうな料理を食べている。

この場面での会話劇が、脚本が良いのか演出が良いのか、とにかくリアリティがあってそれぞれの人物の特徴も際立って素晴らしいのである。のっけから引き込まれてしまった。

その席で、「別れたのであれば、医者と見合いをしないか」という話になるのだが、華子はそれに全く抵抗することもなく受け入れる。

で、後日見合いをした医者が、これがなんともイケてない。キョドってるというやつだ。

その後、結婚を焦った華子がいろんなところで会う男性たちが、これまたさまざまなタイプなのだがいずれも見事にイケてない。彼らは全て後に登場する弁護士・青木幸一郎(高良健吾)の引き立て役として機能している。

幸一郎の家は政治家一家である。慶応幼稚舎から慶応大学、大学院は東大。叔父は代議士。榛原家よりもさらに1ランク上の、由緒正しき大金持ちである。

華子は幸一郎に一目惚れして、幸一郎も自分の妻にふさわしい女性として彼女を受け入れ、ほどなく2人は婚約する。

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Wednesday, March 10, 2021

手洗いの効用

【3月10日 記】 ウィルス対策の一つとして「首より上に触るな」というのがある。それを聞いて、なるほど!そういうことか!と痛く感心してしまった。Virus163471_1280

つまりは、多分ウィルスがいくら手に付いても手の皮膚からウィルスが体内に侵入してくることはないということなのだ。

何を今さらと言われるかもしれないが、僕にとってはこれは目からウロコだった。

手に生傷でもついていれば、そこからウィルスが入ってくることはあるのかもしれない。でも、そうでない限り、ウィルスは鼻とか口とか目とか、穴と言うか裂け目と言うか、あるいは粘膜と言うべきなのか、とにかく体の表面に開いた入り口からしか入って来られないということなのだ。

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Sunday, March 07, 2021

血圧計に思う

【3月7日 記】 もう何年も前だが、医者に「血圧計を買って家で計測しなさい」と言われて、以来その通りにしているのだが、普段から自分の血圧をコンスタントに測っていると、血圧というものがちょっとしたことでどれだけ大きく変化しているかがよく分かる。Sphygmomanometer915652_640

ちょっと歩いたぐらいなら差は出ないが、ちょっと急ぐようなことがあってバタバタしていると血圧は如実に上がる。試しに風呂上がりに測ってみるとやはりかなり高い。

緊張していたり、不安を感じていたり、あるいは寒かったりしただけで一気に高くなる。でも、深呼吸して測り直すと、上も下も 20 ぐらい下がることはざらにある。病院で測ると家で測るよりも間違いなく高い。

そんな感じだと分かったら、病院で測った値をまるで信じる気にはならない。病院で測った値を見て偉そうなことを言う医者の話も聞く気にならない。困ったことである。

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Saturday, March 06, 2021

『三度目の恋』川上弘美(書評)

【3月6日 記】 川上弘美はそれほどたくさん読んではいないものの確かに好きな作家なのだが、これは本当に不思議な川上弘美を読ませてもらった。

例によって中身をあまり確かめずに読み始めた、と言うか、本を選ぶときには間違いなく何らかの紹介文を読むのだが、読み始めるときにはすっかり忘れているのだ。

主人公で小説の話者である梨子はなんと小学校に上がる前に10歳以上年長のナーちゃんにはっきりとした恋心を抱く。そして、そのことよりも驚くのは、何年か後に本当に結婚してしまうというところである。

梨子はあまり周りの子に馴染まない少女で、小学校ではいつも校務員の高丘さんのところに遊びに行っていた。高丘さんは高野山で修行したこともあるという不思議な雰囲気の大人で、梨子のことをとてもよく理解してくれて、面白い話をいっぱいしてくれる。

その一方で、梨子はその当時すでに、ナーちゃんに髪を触られると嬉しさで震えていたと言う。

そのふるえが、自分の体の奥底にあるどこかのふたの一つが開いてこぼれ出たものだと、わたしは知っていました。

などという、この辺りは、まさに川上弘美らしいなめらかな表現である。で、こういう恋の話がずっと続くのかと思ったら、いきなり江戸時代に飛ぶのである。

SF によくあるタイムスリップではない。結婚してから何十年ぶりに高丘さんと再会したおかげで、多分、高丘さんがいつか教えてくれると言っていた魔法の力のせいで、梨子は連続して江戸時代の夢を見るようになる。

その夢の中で、梨子は最初は貧しい農村の娘で、やがて吉原に売られ、禿としての修行時代を経て、おいらん・春月になる。

そこで客の高田と恋に落ち吉原から出奔しようと思うまでに至る。で、その恋に重ねられるのが、遠く平安時代に在原業平が書いた『伊勢物語』である。夢の中の春月も夢の中で『伊勢物語』を読んでいるのである。

話は逸れるが、僕は高校の古文の時間に習って以来、この『伊勢物語』がものすごく好きになった。『源氏物語』なんぞには全く何の興味もなかったしまるで評価もしていなかったけれど、『伊勢物語』は夢中で読んだ記憶がある。閑話休題。

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Thursday, March 04, 2021

BSフジ『HIT SONG MAKERS 消えゆく昭和の音楽の星たち』

【3月4日 記】 録画してあった『HIT SONG MAKERS 消えゆく昭和の音楽の星たち』(2/21 BSフジ)を漸く観た。去年亡くなったさまざまな歌謡曲~J-POP 関係者、とりわけその中でも筒美京平となかにし礼という2人の巨星にスポットライトを当てた特別番組だ。

BSフジが誇る音楽番組の名作『HIT SONG MAKERS』での取材をメインに再構成したものであることがタイトルから伺える。

ちなみに僕はこの番組が出した5枚組のDVDを持っている。そして、このブログにも何度も書いてきたが、僕は筒美京平という作曲家を崇拝している。

『筒美京平 Hitstory Ultimate Collection 1967~1997 2013Edition』も、リッピングではあるが全曲持っている。『筒美京平作品 楽譜集 Kyohei Tsutsumi Songbook Ultimate Collection 1966~2008 100songs』も買った。

そして、去年相次いで亡くなったこの2人については、筒美京平関連で4本なかにし礼関連で1本の記事を上げている。

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Tuesday, March 02, 2021

The stone is still there

【3月2日 記】 石はまだそこにいた。3000発の集中砲火にも耐え、われても末に逢はむとぞ思ふどころか、頑なに割れもせで。石が強いとはこのことだ。

体外衝撃波による尿路結石破砕の話である。

当日、術後のレントゲン写真を見ながら、医者が「ああ、まだ、ここにあるなあ。うーん、少し縦長になったかな」などと弱気なことを口走ったので不安にはなっていたのだが。

とにかく2~3週の間を置いてまた来てくださいと言われた。この経過観察の間に事が進展する場合もあるのかなと信じた。

しかし、おしっこが出るたびに(どれぐらいの大きさになっているかは分からないが)石っぽいものが混じっていないか注意深く観察したにもかかわらずそれらしいものはなかった。

幸いにして痛くも痒くもなかったのだが、それは石が動いていない証拠かもしれないと嫌な気がしながら。

そして、今日17日ぶりに行ってまた撮ったレントゲン写真を見ながら、医者は「うむ、頑固にいるなあ」と呟いた。

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