Sunday, February 28, 2021
Saturday, February 27, 2021
映画『三月のライオン』
【2月27日 記】 映画『三月のライオン』のデジタルリマスター版を観てきた。クラウドファンディングでミニシアターエイドを支援して、そのリターンとしてもらった無料鑑賞券を漸く使うことができた。アップリンク渋谷。
羽海野チカの漫画を大友啓史監督が神木隆之介主演で撮った『3月のライオン』ではない。『ストロベリーショートケイクス』や『さくら』の矢崎仁司監督による1992年公開の映画である。世界各国の映画祭で大きな話題を呼んだ作品だ。
まず思ったのは、この素晴らしい女優は一体どこに行ってしまったのだろう?ということ──主演の由良宜子である。僕は彼女の名前を聞いた記憶がない。調べてみても2001年を最後に出演作は途絶えている。このまま消えてしまったのだとしたら非常に残念だ。
間違っても実生活でこんなにぶっ飛んでて面倒くさい女の子とつきあいたいとは思わないが、女優としてはかなり好きだ。エロくて可愛くて健気で個性的──この映画の魅力は彼女の魅力に尽きると思う。
映画は何枚かのモノクロ写真と文字テロップで始まる。小さい頃からずっと兄を愛し兄を慕ってきた妹が、記憶喪失になった兄に対して自分はあなたの恋人だと偽って一緒に暮らす。そこまでのことを少年少女の幼少期の写真と文字情報で一気に伝えてしまってから映画は始まる。
ちょっと、そういう手法ってありかいな?とは思う。
兄はハルオ(趙方豪)、妹はナツコ(由良宜子)。ナツコは兄の前ではアイスと名乗っている。アイスは大きなアイスボックスを鞄代わりに持ち歩いて、そこに何でも入れている。そしてアイスキャンデーばかり食べている。兄は瓶のコーラばかり飲んでいる。
これはいつの時代なんだろう?と思う。コーラは缶ではなく瓶が普通だった時代。街路には公衆電話が立ち並び、そのガラスにはピンク・チラシが貼ってあった時代。バイクに乗るのにヘルメットが義務づけられてなかった時代。
1990年代初頭って、そんな時代だったか? なんか、もっと古い時代のように思える。
Friday, February 26, 2021
掘り出しモノ賞
【2月26日 記】 去年の映画の記事は全部書き終わったと思っていたのだが、ひとつ「掘り出しモノ賞」の更新を忘れていた。
これは twitter ベースの映画賞である coco賞の投票で、ベストテン以外に自分で名前をつけて独自の賞を選ぶことができるようになっていて、僕は毎年そこで「掘り出しモノ賞」と銘打って票を投じていたのである。
これが我ながら楽しかったので、coco賞がなくなってからも選び続けることにして、去年初めてこのブログにも掲載した次第である。
今後はこれを、毎年加筆修正して更新していこうと思う。
Tuesday, February 23, 2021
映画『花束みたいな恋をした』
【2月23日 記】 映画『花束みたいな恋をした』を観てきた。坂元裕二・脚本。監督は TBS の土井裕泰。この人の名前は「のぶひろ」って読むらしい。今回初めて知った。
山音麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)の、大学生から社会人(フリーターも含む)に至る、足掛け5年に及ぶラブ・ストーリーである。
2人の出会いと馴れ初めが描かれた部分では、「そんなに偶然の一致ってあるものか? いくらなんでもそこまで趣味嗜好と志向性が近い相手は現れんだろう」という感じがして、言わばおとぎ話のような恋愛である。
そもそもそんな組合せはありえないということもあるが、それよりも僕が思うのは、そこまで全部一致していなくても恋は成立するし、むしろ芯になる共通性が少しあって、あとは適当に違うほうが2人の関係はうまく行くということだ。
「芯になる」と書いたように、共通性は全体に広がる必要はない。細くても中心にあれば良いのである。
しかし、それにしても、ここまで感性の一致する相手と出会って、それが自分の恋愛対象となる性別の、恋愛対象となる年齢や環境の人であれば、2人は間違いなく恋には堕ちるだろうが…。
そして、その2人の共通性を語るために、これでもかこれでもかと言うぐらい作品名(小説、漫画、ゲーム、音楽、映画etc)や作家名、ブランド名などを繰り出してくる脚本の手法が本当に上手く機能していて、リアリティを感じさせてくれる。
reality は triviality の中に宿るのである。
Sunday, February 21, 2021
Saturday, February 20, 2021
電磁誘導方式の体外衝撃波による尿路結石破砕顛末記
【2月20日 記】 この歳になると(関西人の読者はきっと「どの歳やねん!」ってツッコんでると思いますがw)体にもいろいろガタが来て、去年の暮れには人生初の救急搬送を経験しました。それについても結構面白く書けそうな気もするんですが、今回は人生初入院について書きます。
これまた去年の暮れなんですが、腎臓で長年にわたり大事に保管してきた結石が尿管に移動しました。CT で調べると、自然に出て来るか来ないかギリギリぐらい大きかったので、それを破砕するために1日入院することになりました。
処置したら日帰りの病院もありますが、僕が行った病院では念のため1日入院させられます。これが僕の人生初入院になりました。2021年2月13日。
さて、体外衝撃波(って何ですかね?)で破砕するって言うから、ピシッと当てて「ハイ終わりました!」って感じかと思ったら、1秒間に1回ずつ 3000回当てるんだと。1秒1回で3000回て、割り算したらアンタ 50分もかかるっちゅうことですがな。
しかも、「我慢できない痛さではないので麻酔ではなく鎮痛剤を使います」と来ました。なるほど、つまり、我慢はできるけど、痛いのは痛いのね。
で、処置の2時間ぐらい前から点滴するんですが、来た看護師さんが、「私、こんなこと言っちゃいけないんですけど、針刺すの下手なんです」との自己申告通り、見事に点滴失敗。代わりの看護師さんがやってこれまた失敗。そこで、ふたりが声を揃えて「松岡さん呼んで来よう!」って。
…初めから松岡さん呼んでよ。松岡さんは大丈夫なんやろね。
さすが松岡さん!(って、初対面ですが)、刺すべきところを慎重に選んで見事1回でクリア! しかし、そんなとこで喜んでてどうする。ちなみに左の尿管なので、邪魔にならないように、点滴は右腕なんだそうです。
んで、点滴2種類プラス、30分前には痛み止めの座薬も入れます。前述の看護師さんに「座薬入れるお手伝いしましょうか」と言われました。点滴と違ってこちらは何故か自信ありげでしたが、「痔になったときに経験あるんで大丈夫です」とやんわり謝絶しました。
座薬が効いてきたところで、ふらふらするので車椅子に載せられて処置室に連れて行かれ、台の上に仰向けに寝て機械セット。腰の上方にもなんか機械があるんですが、この辺りから何かが降りてきて、衝撃波を飛ばすんでしょうか?
看護師さんに「ちょっと腰を浮かしてください」と言われて、何かと思ったら左腰の下の板を外します。すると、そこに自動車のエアバッグみたいなものがギュイーンと張り出してきて左腰を圧迫します。
そのときには分からなかったのですが、どうもそのエアバッグみたいなやつのどこか(あるいはエアバッグの背後?)から衝撃波が出て来るみたいです。
Friday, February 19, 2021
映画『あの頃。』
【2月19日 記】 映画『あの頃。』を観てきた。今泉力哉監督+冨永昌敬脚本という、ものすごい組合せ!
原作があったとはいえ、よくもまあこんなとりとめもない話を映画にしようと思ったな、というのが観ている途中からの感想。
アマチュア・バンドでベースを弾き、音楽の道で食って行けたらと考えていた劔樹人(=原作の漫画家本人、松坂桃李)がひょんなことから松浦亜弥のとりこになり、そこからまたひょんなことからハロプロ・オタクのグループの一員となり、ハロプロに狂いまくる青春時代の話。
この仲間たちを演じているのが仲野太賀、山中崇、芹澤興人、若葉竜也、コカドケンタロウというなんとも言えない曲者揃い。いい歳した社会人がバカばっかりやってる様がおかしい。
いつもの今泉脚本とはリズムも濃淡も異なるが、冨永昌敬は今泉力哉が尊敬する監督というだけあって、相性は最高、鉄壁の組合せである。
結構ろくでもない奴が揃っている中で、とりわけコズミン(仲野太賀)がひどい。そして、おかしい。フーゾク狂いで、ケチで、ネット弁慶で、身勝手でいきあたりばったりで、仲間たちからも「嫌な奴だ」と陰口を叩かれながら、でも、みんなから思いっきり愛されている。
『すばらしき世界』に続いて(と言うか、撮影した順番は逆だけれど)本当に見事な演技だった。もうお父さんは抜き去ったね(笑)
Thursday, February 18, 2021
外付けWebカメラ
【2月18日 記】 妻が「仕事で何台か外付けの Webカメラが必要なんだけど、ウチに余ってるのなかったっけ?」と言うので、その手のものをしまってある箱を開けてみたら2台入っていました。
そう言えば、こんなの買って使ってたなと、なんか懐かしい感じ。
今はノートパソコンにはカメラが標準装備されていますが、昔の PC にはそんなものなかったので USB 接続して使ってましたよね。主に Skype かな?
あの頃の Skype の画面って PC のモニターの 12分の1 か、せいぜい 8分の1 ぐらいの大きさで、そんな小さなプレイヤーでお互い外付けカメラで撮ったぼんやりした映像を見ていたものです。
だから、当然その頃買った Webカメラなんてかなり性能の低いものだろうと勝手に思い込んでいたのですが、動くかどうかテストしてみてびっくりしました。
2台あったうちの1台(Buffalo製)は残念ながら壊れていて何も映らなかったのですが、残った1台(Logicool製)のほうで撮った映像はめちゃくちゃきれいなんです。
Monday, February 15, 2021
『微妙におかしな日本語』神永暁(書評)
【2月14日 記】 2010年に岩波書店から出た『日本語 語感の辞典』は、僕が持っている書籍や辞書の中でひときわ僕の趣味を物語るものである。
文字通り、日本語の語感を書き綴った辞書で、ことばの「意味」ではなく「語感」に分け入っているところが、他には類を見ない、言わばマニア向けの辞書なのである。
いきなり話は逸れてしまったが、『微妙におかしな日本語』はこんな辞書を持っているような人向きの本である。
何年か前の日本語ブーム以来、「日本語のこの表現は間違い。正しくはこちら」みたいな本はたくさん出ているが、この本は、「『日本語のこの表現は間違い。正しくはこちら』みたいなことはよく言われているが、それは本当にそうなのだろうか?」という本なのである。
例を出したほうが早い。例えば「火蓋を切る」と「火蓋を切って落とす」はどちらが正しいか。これは前者が正しくて後者は誤りである。
これはこの本の一番最初に出てくる対比で、しばらくこんな感じの文章が続くのだが、途中から「多くの国語辞典でこの言い方は誤りとしているが、本当にそうだろうか」みたいな例がたくさん出てくる。そして、こちらこそがこの本の真の狙いなのである。
Sunday, February 14, 2021
映画『ファーストラヴ』
【2月14日 記】 映画『ファーストラヴ』を観てきた。堤幸彦監督。原作は島本理生の直木賞受賞作。今回は珍しく原作を読んでいる。ただし、毎度のことながらほとんど憶えていない。映画を見たら思い出すかと言うと、それほどでもない(笑)
ただ、やっぱり「こんな作品だったかな?」という思いはある。なんとなく原作はもっと面倒くさい小説であったような気がするのだ。ただし、これは僕が彼女のデビュー作『ナラタージュ』を読んだときの感想と混同しているのかもしれない。
ただ、いずれにしても人が生きて行くことの痛みを描いた小説だ。そして、映画のほうも、いくつかオリジナルのシーンを入れ込みながら、基本的には原作のラインを守って作って行ったようだ。
高名な画家である父親(板尾創路)を包丁で刺し殺した女子大生・環菜(芳根京子)。彼女は警察の取り調べに対して「動機はそちらで見つけてください」と言ったと報じられている。
公認心理師(原作では臨床心理士)の真壁由紀(北川景子)は彼女を取材して本を書こうと思う。恐らくなんとなく彼女の中に、自分が父親に対して抱いて悩み苦しんできた嫌悪感と近しいものを嗅ぎ取ったのだろう。
彼女の弁護を引き受けた弁護士は夫の我門(窪塚洋介)の弟(実際は従兄弟だが、事情があって我門の両親に引き取られ、弟になった)庵野迦葉(中村倫也)だった。
由紀は大学時代に迦葉とつきあっており、我門と知り合ったのはその後なのだが、それを隠して我門と結婚した(原作では隠していない)。
上にも少し書いたように、この物語では主人公の由紀と殺人犯の環菜の2人ともに、父親をめぐる似たような性的なトラウマがある。必ずしも犯罪的な行為があったわけではない。ただ、その絶望感と嫌悪感と恐怖感と諦めを混ぜ合わせたような感情を、2人とも「目が怖い」という表現で表している。
浅野妙子の脚本はまとまりが良すぎて、もう少し分かりにくくても良かったのではないかという気がした(もちろん分かりにくい部分も適宜残してあるのだが)が、役者たちの好演もあり、堤演出も外連味なく、良い映画になったと想う。
Friday, February 12, 2021
映画『すばらしき世界』
【2月12日 記】 映画『すばらしき世界』を観てきた。西川朝子P、西川美和監督・脚本。そうか、西川朝子氏は今はバンダイナムコアーツにいるのか。それで製作委員会に同社が名前を連ねている(トップの位置に表記してあるので、多分幹事社なのだろう)。
すごい映画だった。冒頭は旭川刑務所。殺人罪で服役しており、もうすぐ出所できる三上(役所広司)。反省しているかと訊かれて素直に反省しているとは答えない。
出所してとりあえずは東京の身元引受人である庄司弁護士夫婦(橋爪功、梶芽衣子)の家に居候する。やがて三上はアパートを借り、庄司の勧めでまことに不本意ながら生活保護を受け、仕事を探し始めるが、おいそれと仕事はない。
そんな三上を取材しようとフリーのディレクターの津乃田(中野太賀)がやってくる。そそのかすように彼をその仕事につけたのは津乃田の元勤務していた局のプロデューサー・吉澤(長澤まさみ)である。
一方で、周りは三上を蔑み排除する人間ばかりかと言えばそうではない。庄司夫妻もそうだし、時として三上にきびしいことを言いながらいろいろと骨を折ってくれるケースワーカーの井口(北村有起哉)や近所のスーパーの店長・松本(六角精児)もいる。
が、短気で一本気な三上の性格も災いして、簡単に堅気の世界には馴染めない。
刑務所から出てきた殺人犯の話となれば、観ているほうは当然次の劇的な展開を期待する。例えば真人間になって真面目に暮らし始めたらみんなが受け入れてくれた、とか、逆に昔の癖が抜けずについつい暴力に走ってしまいまた堕ちるところまで堕ちてしまった、とか。
でも、この映画ではその何かが却々起こらないのである。真面目にやろうとは思う。でも、運転免許も失効しているし、前科者を雇う会社もない。かと言って、まだ昔のヤクザ仲間には連絡を取っていない。その何も起こらないところが三上にとっては耐えられないくらい辛いことなのだ。
その一方で、最初はおっかなびっくりだった津乃田が次第にある意味三上に惹かれて行く様が、観客を映画に引き込んで行く。
Thursday, February 11, 2021
『パチンコ』ミン・ジン・リー(書評)
【2月11日 記】 (上下巻を通じての書評です)評判が良い。調べてみると全米図書賞の最終候補にもなった作品だった。でも、僕は最初却々読む気にならなかった。
物語の舞台は日本だから、自分と遠いところの話ではない。でも、同じ土地にいても、それは川を隔てた向こう側から描かれたものであって、自分には共感できないのではないかという思いもあった。
そう、ここで描かれているのは在日コリアンの家族四代の話なのだ。
ところがある日、知人が facebook に上げていた「今年読んだ本」の写真の中央にこの本があるのを見つけ、読書家の彼女に「面白かった?」と聞いてみたところ、「今年度ベスト」との返事を得て、漸く手に入れて読み始めた。
まず言えることは面白いということ。面白くて面白くてやめられないくらい面白い。これは連続ドラマにすると面白いな、と思っていたら、すでに Apple TV がドラマ化したのだとか。
とは言え、最初から面白いかと言えば、決してそうではない。冒頭からしばらくは展開が早すぎるのだ。
展開が早い物語を好む人もいるが、僕はそうではない。展開が早すぎると物語は往々にして薄っぺらくなる。ストーリーを考えるのに汲々としている感じが読者に伝わるのである。
リアリズムは得てして細部に宿っている。例えばこの本で言えば、ソンジャが初恋の人であり金満家のハンスと年月を経て再会したときに、本当にハンスなのかと、思わず彼の足許を見て、ピカピカの白い革靴を確かめる辺り。
人の記憶というものは、抽象的な概念ではなく、具体的な色や形や匂いなどの形をとっていることが多いのだ。
学のないソンジャが必死にハンスの話を理解しようとするときの記述も、如何にもソンジャらしい生活感に塗れた喩えを織り込んであって巧い:
それでも、豚の腸がはち切れそうになるまで詰め物をして腸詰を作るように、彼から聞いた話を頭に詰め込んだ。
イサクが自分の結婚について語るのを聞くとはなしに聞いてしまった女たちの描写も秀逸だ。
下働きの娘ドクヒはどぎまぎして首まで真っ赤になり、姉のボクヒから何を考えているのかといった目でじろりと見られた。台所では、ソンジャが夕食の膳から皿を下ろし、大きな真鍮のたらいの前にしゃがんで洗い物を始めようとしていた。
Wednesday, February 10, 2021
Sunday, February 07, 2021
「キネマ旬報」2月下旬号(2)
【2月7日 記】 今年もキネマ旬報2月下旬号で発表された2020年邦画ベストテンのデータを少し分析してみます。
統計学的には必ずしも正しいやり方ではないのでしょうが、僕が毎年やっているように上位10作品ぐらいに限定してやるのであれば、それなりに傾向は見えると思っています。
キネマ旬報ベストテンは、2020年の邦画部門の投票で言うと「キネ旬編集部」を含む 60人の審査員がそれぞれ合計55点を持って、1位には 10点、2位には 9点、…、10位には1点と入れて行き、その合計得点で順位が決められるわけです。
で、僕は集計表を見ながら毎年それを“分解”して遊んでいます。
作品の合計得点を、投票した審査員の数で割るのです。そうすると、その作品に票を投じた審査員1人当たりの平均得点が出ます。その平均得点と投票人数を見比べて、映画がどんな形で受けたのかを考えるのです。
つまり、投票した審査員の数は多いけれど平均得点は低い場合は広く浅く受けた映画、投票した審査員は少ないけれど平均点が高い場合は一部の観客に熱狂的に受けた映画ということになります。
さて、2020年の結果は:
Saturday, February 06, 2021
「キネマ旬報」2月下旬号(1)
【2月6日 記】 注文しておいた 「キネマ旬報」2月下旬号が昨日届いたので、例年通り、年末に書いた「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい邦画10本」と突き合わせてみる。
第1位については昨日の記事にも少し書いたが、あらためて第1位から10位までの作品を並べてみる:
- スパイの妻(劇場版)
- 海辺の映画館──キネマの玉手箱
- 朝が来る
- アンダードッグ
- 本気のしるし 劇場版
- 37セカンズ
- 罪の声
- 喜劇 愛妻物語
- 空に住む
- アルプススタンドのはしの方
昨日も書いた通り、去年はコロナのせいで本数を絞るしかなかったこともあって、見ていない作品が非常に多い。なんと第1位から第6位まで未見ではないか!
1)をパスした理由は昨日書いた通り。2)は、名匠・大林宣彦監督の遺作なのだが、僕はどうも近年の大林作品を観る気が起こらず、この映画も随分迷った挙げ句に観なかった。
3)は僕とは非常に相性が悪い河瀨直美監督の作品。脚本が大好きな高橋泉だったので、観ようかどうしようか、ものすごく迷ったが、迷っている間に上映期間が終わってしまった。
4)も5)も、あまり監督が好きじゃないんだよなあ。そういう映画は、去年のような環境だと却々映画館に足を運ぶところまではたどり着かない。逆に、6)は全くのノーマークだった。
で、第7位にやっと観た映画が出てきたが、これは僕が「放っておいても賞に選ばれる」という理由で選ばなかったやつ。ちなみにこの映画で宇野祥平が助演男優賞をもらった。怪演。花開いた感じ。おめでとう。
8)もあまり好きな監督じゃないのでパスしたのだが、この作品で水川あさみは主演女優賞を獲っている。これは機会があれば観てみたい。
第9位と第10位にようやく僕が選んだ映画が出てきた。鬼才・青山真治監督の久々の長編作品と、マイナーな上映形式でスタートした全国高等学校会演劇大会最優秀賞受賞作の映画化がともにベストテン入りしたのは大変嬉しい。
Friday, February 05, 2021
キネマ旬報ベストテン(1位のみ)
【2月5日 記】 毎年1月上旬には発表していたキネマ旬報ベストテンが、一昨年から2月下旬号が出る前日に邦画/外画の第1位と個人賞だけを発表するようになりました。
で、昨日がその日で、深夜に第1位は何だったんだろうと検索してみたら、なんと邦画は黒沢清監督の『スパイの妻』
これ、海外で賞は獲ったものの、僕の周りではあまり評判が芳しくなかったこともあって観てないんですよね。
黒沢清は贔屓の監督だし、一昨年までだったら評判が悪くても観に行ったと思うのですが、コロナ禍の下では映画を観る環境が非常に悪くて本数を絞るしかなく、結局除外するほうの作品に入れちゃいました。
もちろんいつかは何らかの形で観るつもりです。観て、自分の眼で確かめたいです。
Tuesday, February 02, 2021
Pokémon GO の愉しみ
【2月2日 記】 ゲーム機の類には馴染まずに育ったので、ポケモンが世に出てきたときには何の興味もなかった。それがアニメ化されたときにも、すでに大人になっていた僕には関係のないものだった。
でも、iPhone でプレイできる Pokémon GO が出きたときにやってみたら面白くて、これはもちろんポケモンのキャラクターに惹かれたのではなくゲームの仕組みに惹かれたのだが、それから4年半ほど飽きずに続けている。
ポケモンのキャラクターに惹かれたわけではないと書いたが、それはこのゲームが好きになったメインの要因ではなかったという意味であって、ポケモンのキャラクター自体は非常によくできていると思う。
そして、それぞれのポケモンのネーミングもなかなか面白い。
誰でも知っているピカチュウの場合を採れば、前半のピカはピカチュウが「でんき」タイプのポケットモンスターであることを表しており、後半の「チュウ」はねずみポケモンであることを表している(初め僕はウサギかと思ったのだが…)。
秀逸なもじり方、なぞらえ方、ひねり方、合わせ方をしたネーミングが多く、中には暫く経ってから意味が分かるポケモンもある。
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