ヒゲ剃りの科学
【1月6日 記】 生まれてはじめてヒゲを剃るようになった日からすでに何十年もの月日が流れていますが、ひょっとしたら僕はその間ずっとヒゲの剃り方を間違ってきたのではないかという気がし始めています。
いや、ヒゲの剃り方と言っても、シェービング・フォームをつけて、蒸しタオルで蒸らして、よく研いだ剃刀を当てて、というような難しい話ではないのです。あくまで電気シェーバーでの剃り方の話です。
そう思うようになったきっかけは、ヒゲの永久脱毛をした会社の同僚の話です。
いや、ヒゲの永久脱毛というのは一朝一夕にできるものではなく、何回も通うことになる上に、人によっては結構痛くて、そして、人によってどのくらい脱毛できるかが異なるのだということを、彼が facebook に書いた体験記を読んで初めて知りました。
彼の場合は、永久脱毛をしようと考えるくらいだから結構ヒゲの濃かった人で、本人によるとその濃かったヒゲが少し薄くなったという程度らしく、「毎朝 90秒かかっていたヒゲ剃りが 60秒で終わるようになった、みたいな感じ」と書いていました。
それを読んで僕は驚いたのです。
僕はむしろヒゲが薄いほうだと思いますが、それでも毎朝のヒゲ剃りは 90秒なんかでは絶対終わっていません。時間を計ったことはありませんが、3分ぐらいかかっている気がします。
一度シェーバーを当てたところにも必ず剃り残しがあり、またシェーバーを往復させて、というのを繰り返し繰り返しやって、ようやく終わるのが3分ぐらい。ひょっとしたら2分半ぐらいかもしれませんが、それでもヒゲの濃い彼よりも1分も余計にかかっています。それで、
それはおかしくないか? きっと僕のヒゲの剃り方が間違っているんだ!
と思った次第です。
そして、ちょうどそのころに出張で大阪に行って、突然気がついたのですが、なんと旅行用に使っている安物のシェーバーで剃ったほうが、自宅に置いてある BRAUN の立派なシェーバーで剃るよりも早くきれいに剃れるのです。それでまた、
それはおかしくないか? きっと僕のヒゲの剃り方が間違っているんだ!
と思った次第です。
それでいろいろ思い直して、いろいろ剃り方を変えてみて気がつきました。
僕はそもそもシェーバーを強くグリップしすぎていたのです、多分。それで、肌に対してグリグリとシェーバーを押し付けてグイグイ剃っていました。何をするにも体に力が入りすぎるのは僕の悪い癖でもあります。ただ、グリグリ剃ったほうが剃り残しなく深剃りできると信じてやっていたのも事実です。
でも、シェーバーを軽く握って優しく肌の上を滑らせたほうが、なんか効率よく素早くヒゲが剃れる気がします。多分、剃り方を変えて所要時間は 30秒ほどは縮まったような気がします。
今までどうしてそれに気づかなったのでしょう。
僕の同僚がヒゲ剃りタイムを 30秒縮めるために多分何万円も払って何回も処置をしたことと比べると、僕が剃り方を改めるだけで 30秒の節約を達成できたのは全くラッキーだったという気もします。
しかし、その一方で、何十年も間違った剃り方をしてきたのかもしれないと考えると、やれやれ、という気もします。
はて、僕はこれまでに何回間違ったやり方でヒゲを剃ったのでしょう? そして、今回身につけた“正しい”剃り方で、あと何回ヒゲを剃ることができるのでしょう?
« 私の石 | Main | 映画『ジョゼと虎と魚たち』 »
Comments