【1月14日 記】 note で最初の章が無料公開されており、読んだらめちゃくちゃ面白くて即 Amazon でポチッとした。

何故そんなに面白いかと言うと、それは当然僕が昔からの細野晴臣のファンだからであり、考えてみれば、断続的にではあるが、もう50年くらい彼の作り出すサウンドを聴いてきたのだ。
実際買ってみると公開されていた章の前にプロローグがあり、それは細野晴臣のファンとして夙に有名な某歌手兼俳優の話で書き起こされており、改めてそのキャッチーな構成に感心したりもした。
でも、このプロローグが、細野晴臣をあまり知らない読者をどれくらい惹きつけるのかは僕には分からない。
僕はさすがにエイプリル・フールは知らなかったが、はっぴいえんどの解散にはなんとか間に合ったという世代である。そこから聴き始めて、一番好きで聴いていたのははっぴいえんど解散後のソロ時代。所謂トロピカル三部作、とりわけ『泰安洋行』である。
YMO が結成されたときには、「あ、細野さん、なんか割とつまらないもんを始めたな」と思ったのをよく憶えているが、世間的には YMO で知って、YMO からファンになった人も多いのだろう。
この本は概ね年代に沿って書かれているが、20世紀時代のパートで言えば、そこに登場する日本のミュージシャンについては、僕はほぼ全員の名前を知っていた。単に名前を知っているだけではなく、作品や演奏スタイルを即座に思い浮かべられるぐらいだ。
さすがに、(僕があまり熱心に聴かなくなった)21世紀の記述に入ってからは名前を記憶していないミュージシャンもちょこちょこ現れたが、でも楽曲名に関しては知っているものも結構あった。
それくらいの長い長いファンだからこそ面白いのだ。あ、あと、僕の卒論のタイトルが『ニュー・ミュージックの新展開』であったというようなことも当然関係がある(笑)
この本の何が面白いかって、それは筆者が8年もかけて細野晴臣にインタビューをし、細野さんの周りの様々な人の話も聞き(残念ながら大瀧詠一はその前に亡くなってしまったが)、膨大な資料と音源を当たって書いているところである。
そして、書いている人が単なるドキュメンタリストではなく、音楽に関する基礎的な知識がしっかりとあり、それを分析する能力もあり、それに加えて人間存在に対する洞察力と理解があるということだ。
以下、僕が読みながら思ったことを箇条書き風に列挙するが、これはこれから読もうとする人にとっては明らかに「過剰書き」になっていると思うので、読むのをやめるのであればここですよと言っておこう(笑)
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