【11月14日 記】 映画『ホテルローヤル』を観てきた。
武正晴は好きな監督ではないのだが、脚本を書いている清水友佳子さんは twitter と facebook で僕とは長年の交流があり、僕の好きな脚本家のひとりである。
これまで僕が観てきたのは『夜行観覧車』、『リバース』、『わたし、定時で帰ります』(いずれも TBS)などで、この3作はいずれも奥寺佐渡子がメイン、清水さんがサブという位置づけで、斬れる台詞回しでキツイところを突いてくる奥寺+肌理細かいことば運びで温かみのある清水さんという組合せが絶妙だった。
6話のうちの3話を書いた WOWOW『ポイズンドーター・ホーリーマザー』も良かった。
そして、今年はついに NHK朝の連続テレビ小説『エール』を任された。予定されていた前任者の突然の降板を受けてのことではあったが、清水さんも抜擢された期待に応え、評判も良いみたいだ(僕はもう長らくこの枠のドラマは観ていないので知らないが)。
冒頭は山道を1台の車で走るカップル(丞威、冨手麻妙)(ここが北海道の釧路であることは筋が進むにつれて分かってくる)。車が止まったのはきれいな川の近く、閉鎖されて「立入禁止」の規制線が貼られたラブホテルの前。
どうやら男はカメラマン、女はモデルの卵で、廃墟となったラブホでヌード写真を撮ろうということらしい。
撮影しているうちに催してきて、途中から2人は裸で絡み合う。悶えた指が壁に引っかかり、何年も使われていない建物なのでずるっと壁紙が剥がれる。そこに何年か前の、壁紙を貼り直しているホテル従業員の映像がオーバーラップされる。巧い転換だ。
そして、もう少しいろんなシーンがあった後、ホテルの入口付近にある、「ホテルローヤル」と書いた大きな看板が映る。そこからそのロゴだけが抜け出してタイトルテロップとなるのだが、これが後のシーンに非常にうまく繋がって効いてくる。ネタバレになるから書かないけれど。
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