『オンエアできない! Deep』真船佳奈(書評)
【9月3日 記】 『オンエアできない! 女ADまふねこ(23)、テレビ番組つくってます』の続編。まあ、一応読んだということで記事を上げておくが、あんまり書くことはない(笑) 前作の書評をお読みいただければそれで充分かと。
ところで勢いで2冊(と言っても電子書籍ですが)一緒に買ったのに、どうしてこんなに間が空いたのかと言うと、別に忙しかったとかいうことではなくて、Kindle の表示の問題である。今回初めて気づいたのだが、シリーズ物は1冊にまとめられたりするようだ。
Kindle の画面では購入した本の表紙のサムネイルが並ぶのだが、そのうち読了した本についてはチェックのマークが入っている。ところが、そこにチェックではなく「2」という数字が入っている本があって、それが他でもないこの本なのだが、それをタップすると2冊の本が現れるという仕組みだ。
おかげで続編の存在をすっかり忘れていた。
さて、2冊読み終えて感じるのは、この真船さんという人もやっぱり何かを作りたい人なのだなということと、放送局というのはやっぱり何かを作りたい人が集まってくるところなのだな、ということ。結局何も作らせてもらえなかったけれど、僕だってやっぱりそういう人なのである。
彼女の場合は、制作局配属と言っても当然出だしは AD であり、ADさんだと多分部分的に関与させてもらっているという印象で、主体的に何かを作っているという実感はないはずだ。
そのことに対する、ある種の欲求不満がこういう漫画作品を生み出したのか、あるいは、この漫画は彼女の仕事を題材にはしているものの、作る動機としては直接仕事とは関係のない彼女の謂わば「余技」だったのか、その辺のところは分からない。
けれど、へとへとのボロボロの、時には泣きたい気持ちになりながら、いつしか番組ができて行く喜びの実感はちゃんと伝わってくる。最後はなんとかかんとか D デビューした話で終わっている。
そして漫画の最後は BS局への出向である。今、彼女は何をしているのか知らないが、やっぱり何かを作りたいという気持ちに動かされて、きっと働いているのではないかと思う。
ええ話やないですか。
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