« June 2020 | Main | August 2020 »

Wednesday, July 29, 2020

『嫌われモノの<広告>は再生するか?』境治(書評)

【7月29日 記】 境治氏の本は何冊か読んでいて、その都度書評を書いているが、その際にいつも書き添えているように、僕は境氏とは直接の知り合いである。最近はもっぱらリモートだが、以前は月に何度かはリアルで顔を合わせていた。

僕はまさにこの本で扱われるような領域で仕事をしており、境氏が主催するミライテレビ推進会議の、今となってはやや古株のメンバーでもあり、そういうわけで最低でも月に1回は境氏と接点がある。

会って直接雑談することもあれば、境氏が登壇するセミナーを聴きに行くこともあるし、逆に講演/登壇の依頼をしたこともある。

そういうわけで、僕がこの本を読んで、「へえ、そうなのか。知らなかった」ということは全くない、とまでは言わないが、ほとんど、多分全体の5%もない。

それは業務を通じて基礎知識があるというだけではなく、普段から境氏の話を聴き、境氏がネット上に発表した文章も読み、その上 twitter でも facebook でも繋がっているので、彼の考え方の基礎的な部分はこの本を読む前から知っていたからである。

ただ、これを読んで思ったのは、「へえ、境さん、そんな人のところまで取材に行ったのか」ということ。

やっぱり本を書くとなると、何となく解っているつもりのことでも改めてしっかりと取材をする必要があり、そういう意味で、この本はしっかりとやるべきことをやって書かれたものだということが分かる。

Continue reading "『嫌われモノの<広告>は再生するか?』境治(書評)"

| | Comments (0)

Monday, July 27, 2020

『コンフィデンスマンJP プリンセス編』

【7月27日 記】 映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』を観てきた。

テレビドラマの時は初回だけ観て、決してつまらないと思ったわけではないが、「あー、大体毎回こんな感じね」と思ってそれ以降は観なかった。それが去年の映画第1作はなんとなく観て、そこそこ面白かった。だから今回も観ようと思っていた。

第一印象は、「あー、金かかってるなあ」ということ。これでもかという豪華キャスト。大々的なロケセット(しかも海外ロケ)。豪華な衣装やら数多くの小道具やら、ドローンやら CG やら含めると大変な額だろう。

ただ、ストーリーとしては前作のほうがよくできていたのではないかな。今回は特に筋運びが雑な感じがした。と言うか、ひねりにひねった筋なので、観客は何度も騙されて、それなりに楽しめはするのだが、全体的に巧く運びすぎるし、いい話になりすぎている。

自分が書いた前作の評を読み返すと後味が良かったと書いているが、今回は後味を良くしようとしすぎている感がある。

でも、よくまあここまでこねくり回して複雑な筋を考えたなあというのは確かにあって、でも、それは僕が『キサラギ』(2007年)で初めて古沢良太脚本のドラマを観たときから好きになれない「知が勝ちすぎている」感じなのである。

そっち方面に走った作品を知的ゲームみたいに思って好む人もいるみたいだが、僕は御免だ。

Continue reading "『コンフィデンスマンJP プリンセス編』"

| | Comments (0)

Sunday, July 26, 2020

『ジョーカー』

【7月26日 記】 昨夜、WOWOW の録画追っかけ再生で『ジョーカー』を観た。

去年あれだけ評判になってたくさんの賞を獲っても僕は観なかった。

それは、ひとつには僕が邦画を優先しているからであり、もうひとつには、邦画であれ外画であれ、大ヒット作は翌年には大体どこかで観られると高を括っているからでもあるが、「観たあと非常に嫌な気分になる」と聞いて観る気が萎えたということもある。

しかし、見終わって全然嫌な気分にはならなかった。だって、1950年代、60年代の素敵な音楽に乗って、ジョーカーは笑って踊っているんだもの(笑)

そんなことを書くとお前はアホかと言われそうだが、しかし、この部分は決定的に違うと思う。まず、日本人が撮ると、この作品はもっと陰湿で暗澹たるものになっただろう。この映画は狂気ではあるが、苔生す洞窟にいるような陰湿さはない。むしろ発汗したような感じだ。

後味が悪い映画と聞いて、僕は『羊たちの沈黙』とか『セブン』とか『ダンサー・イン・ザ・ダーク』などを思い浮かべていたのだが、それらの映画ともまた決定的に違っている。

何と書けば良いのだろう? 確かにジョーカーことアーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)は狂っている。常人には理解し難い程度に狂っている。でも、どこか、心の深い深い奥底で、僕らと繋がっているような気がするのである。

それは、この映画が貧困と格差の問題を取り上げ、観客に社会の矛盾を突きつけているからではない。いや、そもそもこの映画はアメコミ及びハリウッドの代表的なエンタテインメントの一大ヒーローであるバットマンの敵役ジョーカーの誕生秘話なのだから。

Continue reading "『ジョーカー』"

| | Comments (0)

Friday, July 24, 2020

映画『劇場』

【7月24日 記】 映画『劇場』を観た。

行定勲監督の新作が、東京23区内で渋谷のユーロスペース1館だけとはどういうことだ? 山﨑賢人と松岡茉優が出ているというのに?──と首を傾げていたら、テレビでこの作品の宣伝を見た。スポンサーは Amazon。

そうだった。この作品は映画館での公開と同時に Amazon Prime での配信が始まっているのだ。何かで読んではいたのだが、すっかり忘れていた。

で、コロナ禍の中、渋谷まで出向くことも考えたが、結局テレビ画面で Amazon Prime を観た。こういうケースは通常「映画記事(TV等での鑑賞分)」に分類しているのだが、今回は劇場公開中の作品なので「邦画記事リスト」にも入れておく。

で、この作品の原作は又吉直樹である。そのこともあってか、吉本興業が製作幹事を勤め、配給も吉本興業である。

山﨑賢人が珍しく見た目が汚らしい役柄で出ている。劇団「おろか」の主宰者であり、座付作者で俳優でもある永田。でも、彼の脚本も劇団の公演もけちょんけちょんに酷評され、客も不入りというどん底にある。

劇団員からは「永田さんは前衛を履き違えている。他の劇団はウチをバカにしている」などと言われ、逆ギレするありさま。

そんな中、ある日、画廊のウィンドウを覗いていたら、興味を持って同じように覗いてきた沙希(松岡茉優)と出会う。極度の人見知りで、おまけに金もないのに、永田は自分でも信じられないような積極性を発揮して、沙希をお茶に誘う。

彼女は中学から演劇をやってきて、上京して専門学校に通いながら女優を目指していた。そして、いつしか永田は彼女の部屋に転がり込んで一緒に棲むようになる。

Continue reading "映画『劇場』"

| | Comments (0)

Thursday, July 23, 2020

亜鉛の華と東豊関

【7月23日 記】 特定のクリニックの宣伝をしたいわけではないので、ここでは匿名にしておくけれど、要はやっぱり医者にもピンからキリまであるのだという話。

僕は皮膚が弱い。結構いろいろな疾患に悩んできた。毎日が嫌で嫌でたまらなかった営業マン時代には、いつの間にか首の右側、顎の右下辺りにカチンカチンのアトピー性皮膚炎ができていた。それが何年か掛かっていつしか消えたと思ったら、今度は背中だった。

赤くなって、痒くなる。皮膚科の医者に行くと、「これは脂漏性湿疹です」と言う医者と、「そんな見立てをしたのはどこの医者ですか? これは脂漏性湿疹ではありません」と断言する医者がいたけれど、くれる薬はどちらもリンデロンかニゾラールかマイザー軟膏か、という代わり映えのなさ。

10年以上いろんな医者に通ったが、症状が軽減してはぶりかえす繰り返しだ。

そんなときに妻が、自分の通っている皮膚科が名医だから、1回行ってみたらと言う。そこは青山にあるクリニックで、通っているのはほとんどが女性である。皮膚病の治療に来ていると言うよりも美容/エステ目当ての人が大半である。

そのことは聞いていたので躊躇していたのだけれど、ある日指の股がただれてきた。左手と右手の3箇所。痒くて痒くてたまらない。掻くと皮が剥ける。それで、良い機会だから指と背中をセットで診てもらおうと青山まで行ってきた。

予約できないシステムなので、オープン20分前に行ったらすでに6人並んでいた。全員女性。その後も次々に客(そう、患者と言うより客という感じ)は来たが、僕以外は全員女性。受付も看護師も先生も全員女性。

Continue reading "亜鉛の華と東豊関"

| | Comments (0)

Monday, July 20, 2020

追記:映画『ステップ』

【7月20日 追記】 一昨日の映画『ステップ』の記事で書き残したこと。

この映画では、山田孝之が演ずる武田健一のひとり娘・美紀を、年代に分けて3人の子役が演じていた。その3人の真ん中、6~8歳を演じたのが、昨今売れまくっている白鳥玉季である。

ともに TBSだが、『凪のお暇』、『テセウスの船』で、非常に重要な役を見事にこなしていた。映画では『mellow』での主人公・田中圭の不登校気味の姪や、『酔うと化け物になる父がつらい』の主人公・松本穂香の幼少期など、こちらも印象に強く残る演じっぷりだった。

実年齢は、今年10歳だから役柄より少し上だ。6歳の役は、身長からしてもさすがに無理があると思ったが、でも、やっぱりこの子は巧い。

で、パンフレットで読んだのだが、彼女が完成試写を見たときに、自分のあとに美紀を演じた田中里念について、こんなことを言ったのだそうだ:

同じ人間なのに、私が大きくなった時、あんなに静かなキャラに変わっちゃって大丈夫なの?

すごいと思いません? 10歳ですよ。

Continue reading "追記:映画『ステップ』"

| | Comments (0)

Sunday, July 19, 2020

Play Log File on my Walkman #137

【7月19日 記】 約1か月ぶりのプレイログ披露。今回も最近聴いた中から5曲選んで。

  1. ヤングブラッズ(佐野元春)
  2. スローなブギにしてくれ(南佳孝)
  3. シェットランドに頬をうずめて(竹内まりや)
  4. ぼくの倖せ(渡辺勝)
  5. MOON(REBECCA)

Continue reading "Play Log File on my Walkman #137"

| | Comments (0)

Saturday, July 18, 2020

映画『ステップ』

【7月18日 記】 映画『ステップ』を観てきた。本来公開予定日であった 4/3 から、どれほどこの日を待っただろうか。

いや、昨年の 10/10 に映画『左様なら』を観たときに、映画が終わった後トークショーがあり、そこにゲストの飯塚健監督が登壇して、「いま、山田孝之くんとやろうと言っている企画があって」と言うのを聞いてから、どれだけこの日を待っただろう。

そう、『左様なら』の出演者で、あの時登壇していた日高七海も今日の映画に出ていた。小学校の教師の役だ。

僕は 2006年の『放郷物語』以降、ずっと飯塚健を追いかけてきた。ほとんどの映画とテレビ番組も観てきた。

さて、今回の映画は重松清の原作だと言うので、何か魔法とか奇跡めいたことが起きるのかと思ったら全く起きなかった。

いや、重松清の原作だからと書いたが、僕が彼の作品を最後に読んだのはもう何十年も前のことだ。だから、上の認識は間違っているのかもしれない。ただ、その時何を読んだのか全く憶えていないが、僕のイメージはそんな感じだった。

僕は重松清を1作か2作読んで、あまりにげっそりしてそれ以降は全く読んでいない。

僕にはそういう作家が何人かいて、例えば東野圭吾や湊かなえがそうなのだが、実はこの3人ともかなり多くの作品がテレビドラマ化/映画化されており、その多くが結構素晴らしい作品になっている。

それは、(最初に1~2作しか読んでいないのにそんな風に断定してしまうと怒られるかもしれないが)ストーリーをひねり出すのに汲々とするあまり非常に薄っぺらい人物しか描けていない作品であるが故に、逆に優秀な脚本家にとっては肉付けのしやすい作品なのではないかと思うのである。

ま、そんなこと書くとファンは怒るかもしれないが、これは根拠を挙げて議論しても仕方ないので、ま、そんな感じに読んじゃった人もいるんだ、と軽くスルーしてほしい。

Continue reading "映画『ステップ』"

| | Comments (0)

Friday, July 17, 2020

定期券で入場できない不思議

【7月17日 記】 駅ナカというネーミングで駅構内のお店が充実し始めてから、JR の駅(JR だけじゃないのかもしれませんが)では時々「買い物のために入場する場合は入場券が必要で、定期券で入ることはできない」みたいなアナウンスを始めています。

私は、え?そうだったのか?という意外な思いでいます。そんなこといつ決めたんだろう?

どうも JR側が作った身勝手なルールに思えて納得が行きません(JR だけじゃないのかもしれませんが、他の会社を調べるのも面倒なので、ごめんなさい、とりあえずここでの主語は JR にしておきますね)。

だって、定期券って、改札口の通行手形みたいなもんじゃなかったんですか? 少なくとも私はそう理解していました。

A駅から H駅までの定期券を持っていたら、A駅、H駅はもちろんのこと、その中間の B, C, D, E, F, G駅の全てで自由に乗り降りできる通行手形。

システム上そういう風になっているかどうか(つまり、乗り降りした駅が定期券で定めた区間内に収まっていれば通すという仕組みになっているかどうか)は知りませんが、運用上はそう考えないと辻褄が合いません。

もし定期券で入場してそのまま出口から出てはいけないのであれば、そういう場合はフラッパーゲートが閉じる設定になっていないとおかしいでしょ? それをやらずに金を払えというのはご都合主義じゃないですかね?

Continue reading "定期券で入場できない不思議"

| | Comments (0)

Monday, July 13, 2020

続・布の寿命

【7月13日 記】 以前、コーヒーの布製フィルタは一体何回、いつまで使えるのだろう?と書いた。

先日、コロナウィルスの猛威が恐ろしくて却々行けなかった新宿に久しぶりに出たので、これを買ったヤマモトコーヒー店に寄って訊いてみた。

ここのおじさん(多分店主)は、コーヒー豆を生業としていると言うよりも、コーヒーが好きで好きでたまらなくて、それをみんなに伝えたくて働いている、みたいなオーラを全身から溢れ出させているような人物である。

僕がコーヒー豆を買いに来ていても、他のお客さんに一心不乱にコーヒーの淹れ方を教えていて、却々僕の注文を聞いてくれなかったようなことがたびたびあった。

そういうわけだから、僕が豆を買ったついでに質問すると、同じように懇切丁寧に解説してくれた。

Continue reading "続・布の寿命"

| | Comments (0)

Sunday, July 12, 2020

『サンセット・パーク』ポール・オースター(書評)

【7月11日 記】 ポール・オースターの作品は柴田元幸による翻訳が出るたびに読んでいるが、期待を裏切られたことがない。特に今回は1章1章を読み終えるごとに、「なんでこんなに面白いのだろう!」と驚いてしまった。

周知の通り、オースターは自分の作品の映画化を、プロデューサーとして自ら手がけたりもしてきたが、今回は彼の作品の中でもとりわけ映画的な小説だと思った。それはある種の群像劇だからだ。

主人公はマイルズ・ヘラーという28歳の男性だが、彼以外にも多くの登場人物があり、冒頭から暫くはマイルズの語り口で物語が進められるが、途中からは各章がそれぞれの人物の視点で語られるのである。

それはマイルズがまだ小さかった頃に離婚した父と母であり、それぞれの再婚相手であり、ビング、アリス、エレンという、後にニューヨーク市が所有する廃屋を不法占拠してマイルズと共同生活を送る友人たちであり、彼らのストーリーが、あるいは同じストーリーの彼らから見た側面が語られる。

Continue reading "『サンセット・パーク』ポール・オースター(書評)"

| | Comments (0)

Saturday, July 11, 2020

映画『のぼる小寺さん』

【7月11日 記】 映画『のぼる小寺さん』を観てきた。

古厩智之監督には嵌っていた時期があって、初めて観た『さよならみどりちゃん』(2005年)から、『奈緒子』(2008年)、『ホームレス中学生』(2008年)、『武士道シックスティーン』(2010年)まで4作連続で観た。

何本も続けて観るというのは毎回満足度が高かった証である。テレビでは古厩監督が3話を演出した『MM9』も面白かった。これは全く評判にならなかった深夜ドラマで、僕の周りには実際に見てボロカスに酷評した人もいたが、僕は大好きで、これにも結構嵌った。

ところが、それ以来全く観ていない。決してその時点で見限ったというわけではなく、多分毎回の興行成績があまり芳しくなかったのだろう、古厩作品の上映規模が小さくなってしまって、気がついたら見逃してしまっていたのである。

というわけで、今作は10年ぶりの古厩作品鑑賞ということになるのだが、いやあ、やっぱり良い!

Continue reading "映画『のぼる小寺さん』"

| | Comments (0)

Thursday, July 09, 2020

移動時間と勤務時間

【7月9日 記】 一日のうち部分的に出社、部分的にテレワークをしたときの家と会社の移動時間についてずっと考えている。納得が行かないのだ。

ウチの会社では、そういう場合の移動時間は勤務時間には含まれないと明記されている。皆さんの会社でもそうなんだろうか?

純粋に理屈として納得が行かない。

例えば9時に出社して12時に退社する。そして13時から家で働く。その場合の 12:00-13:00 が勤務時間には当たらないと言う。

いや、この例だと昼休みがかぶるからややこしい。昼休み込みで13:30 まで働いたとしよう。1時間かけて帰宅して 14:30 にテレワークを開始したとしたら、13:30-14:30 は勤務時間ではないと言う。

これが理解不能である。

Continue reading "移動時間と勤務時間"

| | Comments (0)

Monday, July 06, 2020

『南瓜とマヨネーズ』

【7月6日 記】 WOWOWから録画したままずっと放ってあった映画『南瓜とマヨネーズ』を観た。冨永昌敬監督。この監督は割合好きだ。2017年のキネ旬第25位。

ツチダ(臼田あさ美)はせいいち(太賀)と同棲している。せいいちはプロのミュージシャンを目指していて、日夜曲作りに励んでいるが全く仕事をしておらず、完全にヒモ状態。昔のバンド仲間(浅香航大、若葉竜也ら)とも意見が対立して抜けてしまった。

ツチダのほうは、しかし、せいいちに徹底的に自分の夢を追い求めてほしい。そのためなら何だってする。27歳にして生まれて初めて水商売のバイトもやり、そこの客の安原(光石研)に求められて怪しげな“愛人”にもなった。せいいちのためなら何だってできる。

そこまで尽くされると大抵の男は息苦しくなる。せいいちにもそんな瞬間が来る。そして、ある日ツチダのバイトがバレて、2人の仲は気まずくなってくる。でも、別れはしない。

ツチダはある日、バンドマンのハギオ(オダギリジョー)と再会する。昔ずっと好きだった男だ。そして、追っかけるようにしてよりを戻す。

オダギリジョーが相変わらずめちゃくちゃ自然で巧い。悪い奴じゃないけどちゃらんぽらん。昔と同じように好きで好きで追っかけてくるツチダに対して、「まあ、やらせてくれるんなら」みたいな感じがよく出ている。

一方で、誰かにべったりくっついていないと生きていけないツチダを、臼田あさ美が好演している。あっちへふらふら、こっちへふらふら。

Continue reading "『南瓜とマヨネーズ』"

| | Comments (0)

Saturday, July 04, 2020

映画『MOTHER マザー』

【7月4日 記】 映画『MOTHER マザー』を観てきた。大森立嗣監督。邦画のフィクションを観るのは実に3ヶ月半ぶりである。舞台挨拶付きだと思ってチケットを取ったのだが、よく見たら「舞台挨拶中継付き」だった。Mother

秋子(長澤まさみ)はお金にも男にもだらしない女。初めはシングルマザーかと思ったのだが、後のシーンで元夫が出てきて、離婚して息子を引き取ったのだということが分かる。

息子の周平(幼少時は郡司翔)には彼女なりに愛情を傾けてはいるものの、小学校にも通わせず、親きょうだいから金をせしめるためのダシに使い、実家や妹の家にひとりで行かせて小芝居をさせ、それでもお金がもらえなかった周平を大声で罵倒する。

しかし、周平はまさに秋子の呪縛にかかったかのように、言われるままに動いてしまう。実際、当惑や嫌悪感もありながら、周平は周平で秋子のことが好きなのである(終盤の台詞に出てくる「共依存」と呼ぶべき関係なのだろう)。

しかし、秋子に働く気はほとんどなく、パチンコばかりしているので、いつも金がない。家のガスや電気もよく止められる悲惨な生活である。窮地に陥ると彼女は男に色目を使って金をせしめようとする。

そんな秋子がゲーセンでホストの遼(阿部サダヲ)と会って、ふたりはすぐに出来てしまう。ちょうど行く当てのなかった遼が家に転がり込んでくるが、これがまた絵に描いたようなゲス男。そんな男でも秋子は一旦男に嵌ってしまうと、子供を何日もひとりで置き去りにしたまま、男とどこかに消えてしまったりする。

しかし、秋子の妊娠を機にふたりは破綻。遼は出ていってしまう。後半はそれから5年後、周平(成長後は奥平大兼)は十代半ばに達しているが未だに学校には行かず、母と妹・冬華(浅田芭路)の3人で路上生活者となっている。

Continue reading "映画『MOTHER マザー』"

| | Comments (0)

« June 2020 | Main | August 2020 »