読了:「本で元気に」企画
【6月2日 記】 文藝春秋の“本の話”というアカウントが note で展開していた「本で元気に!文春文庫人気シリーズ 期間限定1話無料公開中」のシリーズが終わった。
と言うか、毎日1篇ずつ読んでいて、あれ?続きが出てこないぞ?と思ったら、いつのまにか終わっていたのだ。
期間限定の企画だからいずれサイトも消えてしまうかもしれないのでリンクは貼らないが、僕が読み始めたときの記事のリンクを置いておこう。
連作短編の第1話のみ、全部で17作。そのうち既に読んでいた奥田英朗の 『イン・ザ・プール』を除いて、僕は公開スケジュールに従ってほぼ1日1作のペースで読み進んでいった。
公開された作品のリストを書いておく:
- 伊坂幸太郎 『死神の精度』より 「死神の精度」
5月15日〜6月14日 - 三浦しをん 『まほろ駅前多田便利軒』より 「多田便利軒、繁盛中」
5月16日〜6月15日 - 誉田哲也 『増山超能力師事務所』より 「初仕事はゴムの味」
5月17日〜6月16日 - 平岩弓枝 『御宿かわせみ』より 「初春の客」
5月18日〜6月17日 - 奥田英朗 『イン・ザ・プール』より 「イン・ザ・プール」
5月19日〜6月18日 - 横山秀夫 『陰の季節』より 「陰の季節」
5月20日〜6月19日 - 畠中恵 『まんまこと』より 「まんまこと」
5月21日〜6月20日 - 石田衣良 『池袋ウエストゲートパーク』より 「池袋ウエストゲートパーク」
5月22日〜6月21日 - あさのあつこ 『燦 風の刃』より 「野分/日方」
5月23日〜6月22日 - 千早茜 『西洋菓子店プティ・フール』より 「グロゼイユ」
5月24日〜6月23日 - 池波正太郎 『鬼平犯科帳』より 「本所・桜屋敷」
5月25日〜6月24日 - 湊かなえ 『望郷』より 「海の星」
5 月26日〜6月25日 - 柚月裕子 『あしたの君へ』より 「背負う者(17 歳 友里)」
5月27日〜6月26日 - 夢枕獏 『陰陽師』より 「玄象といふ琵琶鬼のために盗らるること」
5月28日〜6月27日 - 若竹七海 『依頼人は死んだ』より 「濃紺の悪魔」
5月29日〜6月28日 - 山本兼一 『千両花嫁 とびきり屋見立て帖』より 「千両花嫁」
5月30 日〜6月29日 - 藤沢周平 『よろずや平四郎活人剣』より 「辻斬り」
5月31日〜6月30日
これは良い企画である。第1話のみと言っても、一旦完結しているので、ちゃんと「読んだ」という感じが残る。そして、こういう企画でもなければ多分読まなかった作家に巡り会えるのも楽しい。1冊だと分量が多すぎでリスクも大きい。第1話のみだから気軽に読めるのである。
しかし、それにしても時代小説が多い。みんなこんなに時代小説を読むの?
僕は基本的に時代小説は読まないので、これは良い機会になった。
ただ、読んですごく感動したかと言えばそうでもない(笑) そりゃそうだろうな。テレビで水戸黄門や暴れん坊将軍を見て、ああ面白かったとは思うかもしれないが、感動はしないわな(笑)
一番印象に残ったのは山本兼一の『千両花嫁 とびきり屋見立て帖』かな。読み終わって、ああ、男の人が書いていたのか、と驚いた。現代小説では、今までに読んだことのある伊坂幸太郎や三浦しをんを除くと、柚月裕子の『あしたの君へ』が一番心に残った。
名前も聞いたことがない(本当のところは多分聞いたことはあるのだろうが憶えていない)作家にたくさん触れて、それはそれでそれなりに面白かった。
あさのあつこって時代小説も書いてたのか!とか、こんなことを書くと今のファンが怒るのだろうけれど、ああ、湊かなえは昔はこんな良い小説書いてたのか!という発見もあった(笑)
読書は楽しいな。文春さん、素敵な巣ごもり企画をありがとう。
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