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Tuesday, June 30, 2020

NTV『ダブルブッキング』

【6月30日 記】 NTVのドラマ『ダブルブッキング』を録画して観た(6/28放送)。「NTVのドラマ」と書いたが、NTV の放送直後から hulu で配信しており、そこには hulu オリジナル動画もあるらしい。

コロナでドラマの撮影が滞るようになって、各局/各社がそれを打破すべく、いろいろと意欲的な取り組みをしてきた。

僕が観たもので言えば、

などだが、それらを観て正直思ったのは、はっきり言ってこういう作りのドラマには限界があるな、ということだった。

複数の俳優が同じところで演じないで済むように、いろんな脚本家がいろんな設定を考えたのだが、やっぱり選択肢は非常に限られていて、総じて話があまり面白くないのである。

いや、森下佳子や伊藤ちひろが脚本を書いて、巧い役者が演じていると、確かに面白いのだが、でも、この路線で何本も撮れないぞという気がどうしてもしてくる。

ところが、これは面白かった。ものすごく面白かった。コロナ禍が発端になって無理やり考えた企画という感じが全くない。

やっぱりドラマを面白くするのは脚本だということを痛感した。脚本を書いたのは森ハヤシ。多彩な人だ。芸人であり、俳優であり、脚本も書く。僕もテレビや映画で何本かこの人の作品に触れているが、今作が多分最高峰だと思う。

これから hulu で観る人もいるだろうから詳しく書けないが、出だしだけちょっと紹介してみる。

雄二(千葉雄大)は彩(佐津川愛美)とマヤ(奈緒)と二股かけて交際している(実はその前にもひとりいたようだが)。ところが、雄二がマヤの誕生日を一日間違えていたために、リモート飲み会のダブルブッキングをしてしまった。

今日はどちらにとっても大切な日なので、どちらかをキャンセルするわけには行かない。雄二は得意の Web検索と友人・健人(前野朋哉)のリモートでのアドバイスと、PC2台使い分けなどに加えて、持ち前のテキトーな言い逃れでなんとかごまかして切り抜けようとするが、これがどんどん深みに嵌っていく。

そして、彩とマヤについて、雄二が知らなかった秘密があって…、とまあ、この辺で止めておくかな。

ともかく伏線の張り方が抜群にうまい。会話が面白い。雄二がどんどん追い詰められて、それでも馬鹿な思いつきで切り抜けようとして更なる深みに嵌って行く。

我々が観ているテレビ画面に映っているのは、当然それぞれの登場人物の PCカメラによる正面からのクロースアップと、他の PCブラウザ/スマホ画面との合成などしかないわけで、変化に乏しいのは確かなのだが、その分非常によく練られた台詞と話の進み行きで、結構視聴者を笑わせてくれる。

そして、最後には予想もしなかった展開がある(さすがにそれをネタバラシしたら怒られるだろうなw)。オチとしては最高である。

そして、キャスティングが秀逸である。

千葉雄大にはこういう役がぴったりだ。そこに、佐津川愛美という若手の中では飛び抜けて巧い女優と、『あなたの番です』で一躍注目された奈緒という勢いのある女優を両脇に、半分笑いながら雄二をリモートで補佐する、いつもののほほんとした感じの前野朋哉。

そして、ウェブ上の写真だけだが、「モテ男学」のサイトでかっこつける男にシソンヌのじろうという面白い組合せだ。

この企画、隠しネタがてんこ盛りらしく、hulu で何度も見れば見るほど新しい発見があるだろうという売り方をしている。多分そうなんだろう。いろんなことが仕込んであるんだろう。でも、そこまで深堀りできなくても充分面白かった。

これ、舞台でやっても面白いと思う。

なんか、コロナ禍の制約下でもいくらでも撮りようがある、という感じでもないのだが、脚本がよく練られていると結局面白いものは面白いんだなと、少し明るい気持ちになった。

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