YouTube 『カメラを止めるな! リモート大作戦』
【5月3日 記】 YouTube で『カメラを止めるな! リモート大作戦』を観た。
いやあ、上田慎一郎という人はなかなかしたたか、いや、たくましい人だ。もしもあなたが『カメラを止めるな!』を観たのであれば、僕なんぞがとやかく言うことではないので、まずはこれを観てほしい。30分弱の小品なのですぐに見られる。
この作品は『カメラを止めるな!』の続編の体をとっている。日暮D(濱津隆之)が古沢P(大沢慎一郎)と笹原P(竹原芳子、現在は「どんぐり」)からまたもや変な仕事を引き受けてしまう。
それは、コロナ禍で撮影がままならない中、スタッフ/キャストがお互い全く会わない「完全リモート」で1本の映画を撮ってしまおうという企画。番組名は『実録!珍犯罪ファイル』。納期は「今月中」(笑)
日暮は一人暮らしを始めた娘の真央(真魚)の力も借りて、自撮りのウェブカメラ映像を編集してドラマを作ることに。カメ止めに出ていた松本(秋山ゆずき)や神谷(長屋和幸)、山ノ内(市原洋)、細田(細井守)らの俳優たちが再び集まって、いや、集まらずに(笑)撮影が始まる。
なお、日暮の妻・晴美(しゅはまはるみ)は今回海外に短期語学留学中という設定でチャットで出てくる。
出来上がった作品自体はとてもつまらない(笑)。だが、自撮り映像を繋げているので、当然その画面構成は2人の場面でも1ショットのクロースアップの切り返し、切り返しの繰り返しになる。これが前作カメ止めの猛烈な長回しの対極の構図で、こういう皮肉がとても面白い。
一般からの参加も募られて(それが映画にどう組み込まれているのかはここには書かないので見てほしい)、20人以上の素人の自撮りが採用されていたり、エンドロールでは300人以上のダンスシーンがあったりして、これは大変楽しいし、心が暖かくなる。
しかも、本編の未公開映像、監督やキャストからのメッセージ動画は、クラウドファンディング「ミニシアター・エイド基金」の特典として提供されると言う。
いやあ、上田慎一郎という人はほんとにしたたかでたくましく暖かい人だ。
【蛇足】 これを観ていて一番面白かったのは、後ろを通りかかった妻が、僕がリモート会議中なのかと思って後退りしたことだ(笑)
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