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Sunday, April 05, 2020

連続ドラマW『有村架純の撮休』(第2話まで)

【4月5日 記】 テレビドラマやアニメの記事はそんなに書いていないが観ていないわけではない。1月クールだと湯浅政明が監督した NHK のアニメ『映像研には手を出すな!』と大石静脚本の NTV 『知らなくていいコト』が出色の出来だったと思うが、それも最終回を迎え、今は端境期。

おまけに新型コロナウィルスの影響で4月クールのドラマのスタートが軒並み遅れそうな状況で、本来なら観るものがなくなるところだったのだが、先日から録り溜め始めていた WOWOW『有村架純の撮休』があった。で、これを見始めたのだが、これが面白いのだ。

オムニバスの全8話のうち、放送が終わったのが第3回までかな。監督・脚本は毎回変わるが、複数回やる人もいる。初回の是枝裕和監督の分だけ55分で、あとは30分(だと思う)。

文字通り、有村架純が女優・有村架純の役で、その有村架純の撮休を描いている。どうやら毎回冒頭は、有村のマネージャー役の野間口徹が調子こいた感じのプロデューサー・黒田大輔から突然明日撮休になったと言われ、それを有村の楽屋に伝えに来るシーンのようだ。

もちろん有村が有村の役をやるので、有村の実家に『ビリギャル』のポスターが貼ってあったりするようなところもあるのだが、設定を借りているのは売れっ子の女優という公的な部分、しかも大枠だけであって、有村の実生活についてはもちろんフィクションである。

で、是枝監督の初回では、突然訪れたオフに有村は実家に帰ることにする。そこでは有村架純は自然な関西弁を喋っている。僕が彼女を初めて「見た」のは TBS の『SPEC』で、彼女を「見初めた」のは映画『阪急電車』だったが、実際に有村架純はその阪急が走り抜ける伊丹市の出身なのである。

で、関西のどこかの地方都市で暮らす母親が風吹ジュンだ。父親は出てこない。なんか複雑な家庭事情を匂わせてはいるが、それが何なのかドラマはすぐには語らない。有村架純には何者なのか分からない満島真之介が突然訪ねてきてますます分からなくなるのだが、見ているうちに次第に分かってくる。最後まで見て漸く全体像が掴める。

とにかく母と娘の会話がリアルで驚く。脚本を書いている比嘉さくらって誰だろうと思ったら、どうやら是枝監督の弟子筋の人のようだ。

で、第2話が今泉力哉監督。今度の突然のオフに有村は親友の伊藤沙莉と会う。

伊藤は派遣社員で、その派遣先の正社員・若葉竜也にちょっと惹かれており、狙っている。その若葉が有村のファンだと言うので、伊藤は有村に頼み込んで、その夜3人で食事をすることになるのだが、若葉が結構クソみたいな男なのだ。

風吹ジュン、伊藤沙莉、若葉竜也と、ここまで非常に巧い役者を揃えてきた。好きな役者ばかりで嬉しくなる。第6話の渡辺大知と徳永えりも楽しみだ。

2話も1話と同じく会話劇と言って良いと思うが、こちらの脚本もめちゃくちゃリアル。特に最後のシーンなんか、エチュードではないのかと思うほど(本当に台本からは少し外れたのかもしれないが)。

脚本を書いているのがペヤンヌマキという、これまた僕が知らなかった人なのだが、劇団「*ブス会」を主宰する演出家/劇作家なのだそうだ。

このあと是枝と今泉はそれぞれ3話と6話を演出する。僕としては第5話の横浜聡子監督も楽しみにしている。

毎回最後に「このドラマはフィクションであり、実際の有村架純さんの撮休とは関係ありません」などとテロップが出るところがおかしい。いや、意外に本当にこんな感じなのかもしれないと思ってしまう(笑)

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