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Friday, March 20, 2020

映画『初恋』

【3月20日 記】 映画『初恋』を観てきた。

少なからぬ人が異口同音に言うように、三池崇史監督の作品には当たり外れがある。それは僕もそう思う。ただし、どれが当たりでどれが外れかとなると、観る人によって微妙に違っていたりもする。

だから、誰かが貶していたからと言って外れかなと思うのは早計である。現にこの映画も、僕の周りには「自己満足に過ぎない」と酷評する人と「今年一番のお気に入り」と激賞する人の両方がいた。

三池監督一流の悪い冗談なんだろうけれど、『初恋』というタイトルにしておくと間違えて見に来てくれる客がいるかもしれないと考えたという話を聞いて少し嫌な予感がしていたのだが、しかし、観てみた結果、この映画は僕にとっては外れではなかった。

まずはオリジナル脚本というのが偉いではないか(脚本は中村雅)。

デビュー戦から順調に勝ち進んできたプロボクサー葛城レオ(窪田正孝)は突然医師(滝藤賢一)から脳腫瘍だと言い渡された。腐って歩いていると前から助けてと叫びながら走ってくる少女モニカ(小西桜子)。後を追ってきた大伴(大森南朋)をレオは反射的に殴り倒してしまう。

大伴は悪徳刑事で、ヤクザの加瀬(染谷将太)とつるんで、組の麻薬を横取りし、その罪をモニカになすりつけようとしていたのだ。

モニカは借金を抱えたひどい父親によって組に売り飛ばされ、薬漬けになって幻覚が見え、それで逃げ出したのだ。その辺の事情も聞いた上で、行きがかり上レオはモニカと行動をともにする。どうせ死ぬんだというやけっぱちな気持ちもあった。

一方、麻薬を横取りされた組の幹部は、最初はこれが対立する中国人マフィアの仕業だと睨んで動き出すのだが、加瀬の考えた計画がことごとく巧く行かず、加瀬がどんどん窮地に追い込まれていくのが面白い。この辺り、大森南朋と染谷将太という巧い役者のやり取りが楽しい。

そして、加瀬に恋人のヤス(三浦貴大)を殺されたジュリ(ベッキー)が復讐の修羅となって現れるのだが、このベッキーがウルトラ・ハイテンションで暴走する芝居がまた良い。

まあ、どうということのない映画ではあるのだが、絵柄も綺麗だし、ちょっとしたどんでん返しもあって、なかなか楽しい娯楽映画に仕上がっている。

暗い倉庫での撃ち合いは誰が誰を撃っているのか分からないとか、レオが運転する車が警察の包囲網を突破するときに何故突然アニメーションになるのか理解に苦しむとか、貶す人が貶す気持ちも分からないではない。

ま、でも、ええんちゃう? これはこういう映画だと思うし、こういう映画で良いような気がする。造りは本当にしっかりしていると思う。

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