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Tuesday, December 31, 2019

入ってほしい

【12月31日 記】 2006年からこのブログで「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい邦画10本」という企画をやっている。

私的ベストテンの発表ではない。あくまでも「入ってほしい10本」の発表である。こういうのは珍しいのではないかなと思う。でも、なんとなくやり始めたものが 14年も続いていることから分かるように、僕にはこの形が一番合っているように思う。

仮に今年の自分のベストテンを選べと言われたら、僕には選び切る自信がない。10本選ぶのが難しいし、その10本に順位をつけるのも難しい。

「この映画はとても良い映画だ」と思う映画はたくさんあるが、「でも、必ずしも自分の趣味ではない」と思う作品もたくさんある。その一方で「この映画は確かにそれほど完成度は高くないかもしれない。でも、自分としてはめちゃくちゃ好きだ」という映画もある。そういう映画を応援したい。

採点したり序列をつけたりするのとは違う地平で、推して行きたい作品がある。そういうものを選びたい。

つまり、全てが応援したいかどうかに尽きる──そういう選び方ならできる気がするし、そういう選び方しかできない気もする。

そう思いながら、過去13年を振り返ってみる(括弧内はキネ旬の順位):

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Sunday, December 29, 2019

年末の買い物2つ

【12月29日 記】 今月買ったものを2つ。

Gingerbreadspice ひとつはハーブ・ティ。Celestial のティー・バッグは成城石井に行けばいろんな種類のものが置いてあるが、この Gingerbread Spice は東京では滅多に見かけない。

そもそもは義妹が好きで、彼女が大阪に遊びに来たときに梅田の成城石井で「あ、こんなところにあった!」と感激して2箱買うのを見て妻も一緒に買い、帰宅して淹れてみたら妻も僕も大変気に入った──というのが最初である。

ところが、その何年後かに我が家も東京に引っ越したので、この種類はおいそれと手に入らなくなった。成城石井は東京のあちこちにあるが、どこの店にもこの種類は置いていないのである。

それで、先日大阪に出張に行った際に、「もし時間があったら探してみて」と妻に言われて、仕事終わりに阪急三番街の成城石井に寄ったら、Celestial のティー・バッグがたくさん並んだ棚の1箇所に Gingerbread Spice の文字がある(東京ではこの値札にさえお目にかからない)。

だが、その札の後ろはがらんどう、つまりはこの種類だけ売り切れているのである。

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Friday, December 27, 2019

映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』

【12月27日 記】 というわけ(前日書いた「前置き」参照)で『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を観てきた。IMAX の 2D版である。

考えてみれば、同じような設定を何代にもわたって繰り返す、割合稚拙な設定の物語である(僕はこの物語にギリシャ神話の影響を見たりしないし、また今となっては「因縁」とか「因果」とかいう形容もしたくない)。

それをここまで面白く見させるというのは、もちろん特撮や CG の力もあるが、なんと言うかストーリー・ドライブの力であるように思う。

これはやっぱり大活劇なのである(僕はここで黒澤明の影響を語りたいとも思わない)。そして、今作がその大活劇の完結編。ああ、長いことかかって、やっと世の中が平和になって良かった──それが、それこそが全編見終わっての、偽らざる感慨である。

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Thursday, December 26, 2019

STAR WARS 前置き

【12月26日 記】 明日『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を観に行くのだけれど、その後で文章にするときに前置きがかなり長くなりそうだから、その前置き部分だけ先に書いておくことにする。

僕は SF(英語で言う Sci-Fi)のファンではなくて、スター・ウォーズの映画が始まったときも別に興味がなく、観に行かなかった。ただ、日本で公開される前に矢野顕子がラジオで「スターワーズがすごい」と力説していたのはよく憶えている。

で、全く興味を持たないままエピソード4, 5, 6 が終わってしまったのだが、結婚してから妻に「えっ、スター・ウォーズ観てないの?」と言われ、「面白いよ」と言われ、ちょうどその頃に WOWOW で一挙3本連続放送というのがあって、妻と一緒に7~8時間かけて家で一気見したのであった。

それが僕の人生初の、今で言う binge watching であったわけだが、確かに面白くて、それ以降は毎回妻と一緒に映画館に観に行っている。

ちなみに、僕がそれまで全く観ていなかったハリー・ポッターやロード・オブ・ザ・リングやナルニア国物語などを結局全部見切ったのは妻の影響である。

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Tuesday, December 24, 2019

回顧:2019年鑑賞邦画

【12月23日 記】 去年も12月23日だったが、今年も今日「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい邦画10本」を選んでみた。2006年から毎年やっているから今回で 19回目である。

毎年毎年同じことを書いているが、これは必ずしも僕が選んだ今年の第1位から第10位ではない。そして、「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入るであろう邦画10本」ではなく、「入ってほしい10本」であり、つまり、僕の応援メッセージであり、引いては「僕はこんな趣味の人ですよ」という自己紹介みたいなものでもある。

そして、対象としているのは『キネマ旬報ベストテン』ではなく、「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内」である。

さて、今年映画館や試写会で観た邦画は 54本。とてもたくさん観た去年より 10本以上少ない。そんな中から 10本をチョイスするわけだが、今年の邦画は大豊作で、良い作品がとても多かったと思う。

そういうわけで、いざ選ぼうとすると6本までは即決したのだが、残りが優劣つけ難くなった。

「入ってほしい」というタイトルのニュアンスとして、当然評価の固まった大御所よりも、新進気鋭の監督へのエールみたいな要素が強くなるのだが、どうも結構名の通った監督の作品が多いのである。それで結局大御所も含めて 14本選んで、そこから4本落とすという作業になった。

まず、落としたのがこの4本:

ちなみに、『天気の子』にはとても感動したし、応援したい気持ちは山々と言うか雨あられと言うか、なのだが、これはどう考えてもキネ旬ベストテンに「入るに決まっている」作品なので、あっさり除外した次第。

で、残ったのがこの 10本である。毎年書いているように、これは僕の評価順ではなく、僕が観た順番である。

  1. チワワちゃん
  2. 空母いぶき
  3. 愛がなんだ
  4. さよならくちびる
  5. 旅のおわり世界のはじまり
  6. いちごの唄
  7. 蜜蜂と遠雷
  8. 惡の華
  9. ひとよ
  10. 決算!忠臣蔵

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Monday, December 23, 2019

Payback by PayPay

【12月23日 記】 前にキャッシュレスは使ったほうが得だという記事を書いた。「まめに使っていると累計額はすぐに千円単位になってくるし、いろんなサービスやキャンペーンを組合せて上手に使うと、多分年間で万円単位になると思う」とも書いた。

そう書きながら、自分の場合は一体いくらぐらい返ってきたのだろうと思っていたのだが、PayPay アプリに過去の「残高GET」の履歴が全て残っていることに気づいた。

それで合計を出してみた。その結果がこれだ:

  • 2018年合計 1,660円
  • 2019年合計 6,105円

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Sunday, December 22, 2019

映画『屍人荘の殺人』

【12月22日 記】 映画『屍人荘の殺人』を観てきた。木村ひさし監督。

特段観たいという気持ちもなかったのだが、今月中にもう1本見ないと、ここまで溜めてきた SMT Members のポイントがパーになると松竹さんが脅すので、丸の内か新宿のピカデリーで上映中の作品から選んだ。

浜辺美波、神木隆之介、中村倫也の出演。この3人だけでかなりの集客力があるのだろう。ほぼ満席であった。でも、彼らを目当てに劇場に来た人たちをどれだけ満足させられたのかは僕には分からない。

僕としては、せっかく人気も実力もついてきた役者さんたちなのだから、もう少し出演作を選ばないと自らの価値を毀損することになるのでは?と思うのだが、劇場を出たときに「面白かったね」「良かったね」などの複数の声が背後から耳に入ってきたので、今の時代はこういうのが良いのかもしれない。

原作の小説があって、いろいろ賞も獲ったらしいのだが、僕は多分この原作を読んでもあまり感心しないのではないかと思う。というのは、僕は謎解きはおろか、そもそも犯人探しにさえあまり興味がなく、ミステリを読むときにも一般の小説同様に人物が描けているかどうかを鑑賞しているからだ。

トリックとか謎解きとか、そういうことがヨダレが出るほど好きだという人向けではないだろうか?

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Saturday, December 21, 2019

映画『カツベン!』の子役

【12月21日 追記】 一生懸命調べて判った。映画『カツベン!』で黒島結菜の幼少時代を演じていたのは藤田りんか。2008年生まれだが、芸歴は豊富だ。

http://www.charmkids.net/profile/fujita_rinka/

ちなみに大正末期の貧しい少女の衣装を髪型をした姿は、このプロフィール写真より遥かに可愛い。演技も素直で、ひょっとしたら10年後にはスターになっているかも。

成田凌の幼少時代を演じたのは牛尾竜威という少年であることも判ったが、こちらの写真は、ま、別にいいか(笑)

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映画『カツベン!』

【12月21日 記】 映画『カツベン!』を観てきた。周防正行監督。

僕は日頃から観たい映画をリストアップして Evernote に保存しているが、これが今年の邦画リストの最後の作品である。

周防監督はいつもそうなのだが、これ見よがしのカットがない。「どうだ俺のこの映像芸術は!」みたいなカットがほとんどないのである。そういうのを楽しむのも映画鑑賞のひとつだと僕は思うが、周防監督はそんな僕の(つまり映画通ぶった中途半端なド素人の)欲求に答えてくれない(笑)

とにかく設定とストーリーである。今回は無声映画の弁士の話。

まず少年時代の俊太郎と梅子(演じていた女優は何という子なんだろう。めちゃくちゃ可愛かった)のエピソードがあり、その2人が長じて、子供の頃のそれぞれの夢を実現し、一方は活動弁士に、他方は女優になるわけだが、その間を繋ぐ展開がとてもよく練られている。

上手に真似はできても弁士として独り立ちできない俊太郎(成田凌)はヤクザの安田(音尾琢真)に拾われてインチキ弁士となる。彼の役割は旅回りの活動写真の上映で観客を釘付けにすること。その間に安田の一味が留守宅に忍び込んで窃盗の限りを尽くす。

ところが、その悪事がバレて、子供の頃から映画館によく来ていた刑事・木村(竹野内豊)に追われる身となって、転げ込んだのが青木夫妻(竹中直人、渡辺えり)が経営する靑木館という映画館。

そのライバル館を経営するのがこれまた橘というヤクザ(小日向文世)で、安田はその部下に収まっている。そして、そこにかつての梅子が名前を変えて女優・松子(黒島結菜)となって現れる。

そんな設定である。そのひねった設定が結構面白いドタバタの展開を産む。いや、ドタバタ喜劇とかスラップスティックとか言うよりも、これはやっぱり活動大写真のテーストでありトーンであり、監督も間違いなくそこを意識して作っている。

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Friday, December 20, 2019

生姜

【12月20日 記】 何歳のときだったかはっきりは憶えていない。でも、小学校に上がっていたかいなかったかというころの話だ。

誰かの法事で親戚が大勢集まったときのことだ。その中のひとり(僕とどういう関係の人だったかも憶えていない。多分父親のいとこかなんかだと思う)のおばさんに、食べ物では何が好きかを聞かれた。

僕は生姜と答えた。正確には紅生姜のことだ。

そのおばさんは声を裏返して「しょーが!」と叫んだ。ハンバーグとかカレーとか言う子供が多い中で、僕の紅生姜というチョイスに驚いたのだろう。で、こう続けた。「そんなもん食べてるからガリガリやねん」。

子供のころ、僕は確かに痩せていた。そして、確かに偏食が多かった。でも、その2つに直接の因果関係があったかどうかは定かではない。僕の母も子供の頃はひどく痩せていたと言うし、遺伝的形質かもしれないではないか。

そして何よりも、生姜を食べたらガリガリになる、ということはない。生姜以外ほとんど何も食べていないのであればガリガリになるかもしれないが、生姜が好きだからガリガリになるということはない。

とんでもない言いがかりではないか。

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Tuesday, December 17, 2019

ウクレレ・マガジンVol.22 WINTER 2020

【12月17日 記】 リットーミュージックから夏と冬の年2回刊行される『ウクレレ・マガジン』。もう何年買い続けているだろうか。練習曲から歌伴、クラシック、ジャズ・ウクレレと、非常にバラエティに富んでいて楽しい。

時々意表をついた選曲があって、例えば前々号では高田渡の『生活の柄』やちあきなおみの『喝采』がソロ・アレンジで載っていたりする。

今号で言えば、渚ゆう子の『京都慕情』なんかがそれに当たるのだが、僕はそれよりもペドロ&カプリシャスの『五番街のマリー』が気に入った。とてもオーソドックスだがきれいなアレンジで、弾くのも難しくない。

なんて書くと、なんだ歌謡曲ばかりじゃないかと思うかもしれないが、例えば今号で言うとビル・エヴァンスの Waltz for Debby などというジャズの名曲も収められている。これは延々7ページにも及ぶ大作アレンジである。

僕は雑誌をそのままの形で家に残したりはしないのだが、捨てる前に気に入った楽譜だけは切り取って保持している(当然そんな曲の多くは即練習することになる)。

切り取ったページが相当溜まってきた。下手な教則本を買うよりよほど価値があると思っている。

 

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Saturday, December 14, 2019

衣類と言葉の来し方行く末

【12月14日 記】 最近「毛糸のセーター」を着なくなりました。フリースのほうが暖かいからです。

私たちの子供の頃は、冬の衣装の王様は「毛糸」でした。「毛糸のパンツ」(ズボンではなく下着のほう)なんて奴までありましたが、こちらはそのうち誰も履かなくなりました(ですよね?)。

でも、「毛糸のセーター」はその後も随分長いこと冬物の王者でした。そもそもセーターと言えば毛糸に決まっていましたよね。ニットのセーターなんて洒落たものが出てくるのはもう少しあとのことです。

しかし、「ニットのセーター」というのも変な言い方です。ニットとは「編む」という意味の動詞 knit の(現在形と同形の)過去分詞なので、つまりは「編まれたセーター」ということであって、逆に「編まれていないセーター」があるのであれば見てみたいものです。

それは多分「綿ニットのセーター」が略されたものだと思います。毛糸ではなく木綿の糸で編まれたセーター。

ところで「毛糸」も「木綿」も近年はあまり使われない用語です。「毛糸」はいつしか「ウール」と言い換えられ、「木綿」は豆腐にしか使われなくなって、「綿(めん)」もしくは「コットン」と言われるようになりました。

毛糸が防寒着の材料として重宝された時代には、ありがたがって「純毛」などという言い方もしたものです。それは最高級の毛糸の衣装であり、つまり「100% 羊毛」を意味したのです。

その羊毛とか、絹とか、木綿とか、そういう天然素材に対して人間が作ったのが化学繊維で、昔は「化繊」と略されて随分低く見られたものです。「え? これ純毛ちゃうやん。化繊入ってるやん」などと、ウチの母親はよく言っていました。

化繊のうちのレーヨンは「人絹(じんけん)」と呼ばれていました。これは「人造絹糸」の意味で、今聞くと「人造人間」みたいでおかしいです。そもそも英語の rayon 自体が ray(光線)と cotton(綿)を組み合わせた造語だそうです(光沢のある綿、という意味でしょうか)。

レーヨンにはスフという言い方もあり、ウチの祖母はそんな言い方をしていたような気もします。スフはステイプル・ファイバー(staple fiber)の略だそうで、2つの単語の一番上の1字だけ抜くという、今では珍しい略し方です。今残っているのはベア(base up)ぐらいでしょうか。

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Thursday, December 12, 2019

『されど私の可愛い檸檬』舞城王太郎(書評)

【12月12日 記】 『私はあなたの瞳の林檎』を読んで、この、僕にとっての全く brand-new な舞城王太郎に僕は参って、その勢いが止まらずに姉妹編の『されど私の可愛い檸檬』に突入したのだが、こっちもまたべらぼうに面白くてべらぼうに新しい舞城王太郎だった。

この2冊は何だろう、例えば大瀧詠一が『A LONG VACATION』を出した時の衝撃に似ている。はっぴいえんど時代からずっと、ちょっとヘンテコリンな曲ばかり書いていた人に、えっ、こんなにメロディアスなポップスも書けたの?という驚き。

今回はヒップホップの作曲家がクラシックの曲を書いてきたような衝撃。

『私はあなたの瞳の林檎』が若い子たちの、詩のような恋愛の話だったからこちらもそうかと思って読み始めたら、なんのなんの、こちらはもう少し年代が上の、それ故かなりシヴィアな世界ではないか。

最初の短編『トロフィーワイフ』は主人公(扉子)の姉(棚子)の夫(友樹)が“愛の真実”に目覚めてしまい、それは彼にとって妻への愛情を些かも削ぐものではなかったのだけれど、その言葉に引っかかりを覚えた棚子が出ていってしまうという話。

正直。《完璧》って天体のさらに惑星直列、みたいなのが、どうやら姉を中心に起こっている。

などという、如何にも舞城王太郎らしい表現にときどき出くわすのだが、しかし、それは最初から舞城王太郎作だと知って読んでいるからであって、誰だか知らずに読んでいたら、このストーリーから舞城王太郎を想起する人は少ないのではないだろうか。

で、これは夫婦の物語かと思って読んでいたら、いやいや後半は扉子と棚子の壮絶な姉妹の諍いの話になる。

そこには生まれつきの2人の性格と、小さなころからの2人の関係性が根深く結びついていて、この設定と展開が、奇抜ではあるが全くリアルで、並の読者には歯が立たないのである。

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Wednesday, December 11, 2019

念力珍作戦

【12月11日 記】 4日前に今年の3DCGアニメの『ルパン三世』と 2014年の実写版『ルパン三世』について書いたが、たまたま昨夜、仲間内の宴席で「アニメの実写化は難しいなあ」という話になり、そこでルパン三世の話になった。

すると、座のひとりが、「でも、知ってる? 松方弘樹版ルパン三世があったこと」と言い出して、皆が「ええ!そんなんあったんですか!」と驚いて、ネット検索してみると、松方弘樹というのは言い出した彼の記憶違いで、実は松方の弟の目黒祐樹がルパンに扮した映画が 1974年に作られていた。

タイトルがなんと『ルパン三世 念力珍作戦』というとても珍妙なサブタイトルが添えられたもので、監督が坪島孝、 脚本が長野洋という、僕は聞いたこともない人たちなのだが、配役が凄いのである。

ルパン三世が目黒祐樹、次元大介が田中邦衛と、そこまで聞いたところで既に「おいおい、それは違うだろう?」という気になるのだが、そこへさらに銭形警部が伊東四朗である(他にもお笑い系の人がてんこ盛りで出ている)。

しかもビジュアルを見るともっと驚く。下のリンクをつついてみてほしい。もし、リンクが切れていたら、Google で画像検索すればいくつか出てくるはずだ。Amazon でも見つかると思う

今こそ見よう!ルパン三世最初の実写版映画

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Monday, December 09, 2019

2019邦画トキメキ祭り(ALiS から転記)

【12月9日 転記】 (以下は ALiS に投稿した文章ですが、映画の話なのでここにも転記しておこうかと思います。年末の企画に合わせて書いたもので、別に今年のベスト3を選ぼうなどと大それたことは考えずに、#2019トキメキ祭りという企画名に合わせた軽い読み物のつもりです)

《2019邦画トキメキ祭り》

2019年はこれまでのところ、映画館/試写会場で 52本の邦画を観ている。まだ増えると思うが、2019トキメキ祭りの締切が迫っているので、ここで打ち切って 2019年日本映画トキメキTOP3 を選びたい。 

次点『チワワちゃん』 

二宮健監督。岡崎京子の漫画が原作。この、まるでミュージック・ビデオみたいな、でも、映像でしか表せないものをしっかり映像で表した「青春の自爆テロ!」を観て、トキメかないはずがない。

ただ、チワワちゃんに扮した門脇麦という女優が昔からあまり好みでないので、僕の中では惜しいかな次点。 

第3位『さよならくちびる』 

久しぶりの塩田明彦監督。こちらにも門脇麦が出ているが、僕のトキメキはフォーク・デュオ“ハルレオ”のハルではなく、レオ役の小松菜奈。レオはハルに拾われたようなもんだし、ギターもハルに教わったし、レオが好きなシマ(成田凌)はハルにぞっこんだし…。 

そんな劣等感を抱いたレオがハルとマネージャーのシマとの3人でツアーを回るロード・ムービー。キツイぞ、これは。奔放そうに見えてレオの胸中は嵐が吹き荒れている。この小松菜奈にトキメかずにどうする? 

第2位『惡の華』

原作は押見修造の強烈な漫画。敬愛してやまない井口昇監督。そして、脚本は岡田麿里。

ボードレールの『惡の華』など、難しい本ばかり読んでいる中2の春日(伊藤健太郎)が、ある日教室でクラスのアイドル佐伯(秋田汐梨)の体操服を拾い、ついついブルマーを顔に押し当てて匂いをかいでしまう。ところが、それをクラスの問題児・仲村(玉城ティナ)に見咎められて、そこから春日は被虐と官能の地獄に堕ちて行く。

この玉城ティナのめくるめく惡の女王にトキメかずにどうする? 最後に咲く惡の華も怖い。

第1位『愛がなんだ』

『さよならくちびる』にも出ていた成田凌に岸井ゆきのがメロメロに恋をする話。原作は角田光代。監督は今年『アイネクライネナハトムジーク』でも注目された今泉力哉。

痛い痛い、行き場のない物語。僕にはこういう愛は全く共感できない。テルコ(岸井ゆきの)もワケ分からんが、マモル(成田凌)がこれまたひどすぎる。ナカハラ(若葉竜也)がまた異常である。でも、そんな彼らの愛のあり方にどこか惹かれてしまう。

夜の路上で突然ラップを歌い始める岸井ゆきのにトキメかずにどうする?


今年の日本映画はものすごい豊作でした。あまり映画館に行かない人もたまにはご覧あれ。トキメきますよ。

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Sunday, December 08, 2019

掘り出しモノ賞

【12月8日 記】 僕はこのブログ以外にも映画の記事を書いて投稿したり賞に投票したりしています。

そのひとつはインターネット映画大賞で、これについては毎年どの映画に投票したかということだけはこのブログにも書いてきました。

しかし、残念ですが、この賞は昨年で終わってしまいました。なんとこれを運営していたのはたった1人の方だったそうで、そりゃあ維持の限界が来ても仕方がないと思います。

幸いにしてアーカイブの作業を地道にやっていただいているので、今後も閲覧は可能なようで、ありがたい限りです。

それから、もうひとつは coco賞です。こちらは twitterベースの賞で、僕も変名の twitterアカウントで参加してきたのですが、この賞も残念ながら coco賞2017投票を最後に更新がありません。

僕はこの賞に 2012年以来6年連続で投票してきました。面白いのは、1位から10位まで投票する以外に、自分で名前をつけて独自の賞を選ぶことができる点です。

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Saturday, December 07, 2019

映画『ルパン三世 THE FIRST』

【12月7日 記】 映画『ルパン三世 THE FIRST』を観てきた。山崎貴監督による 3DCG ということで、どういう映画になっているかは想像がつくのだが、ま、観ておこうか、という感じで。

2014年に北村龍平監督が小栗旬のルパン三世で撮った実写版があまり盛り上がらず、興行的に失敗に終わったのは、あのテーマ曲の使用許可が得られず他の BGM にしたということも多少はあると思う。

今回は「音楽 大野雄二」としっかりクレジットされており、冒頭からノリノリである。

で、まあ、言うまでもないが、よくできた 3DCG である。実写と見紛うほどのリアルさ、いや、器物は実写と見紛うほどなのだが、人物は造形はもちろん動きもしっかりデフォルメしてあって、まるでフィギュアが動いているみたいである。多分それは狙い通りなんだろうなと思う。

リップ・シンクも正確で、フィギュアのくせにほんとうに喋っている、みたいな感じがする。それも狙い通りなんだろうなと思う。

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Tuesday, December 03, 2019

レスパイア

【12月3日 記】新しくできたレスパイアという名前のホテルに泊まっているのだが、どうもこの名前はしっくり来ない。

日本人が考えた rest + inspire = respire という造語らしいのだが、これではホテル側として、ゆっくり休んでほしいのか、刺激を受けて元気になってほしいのか、そこんとこがさっぱり分からない。

まあ、対照的な2つを共に提供したいということなんだろうが、いくらなんでも分裂しすぎてはいまいか?

それに、元の英単語を考えると、rest するのは私だが、inspire は私がされる側、つまり、rest + to be inspired でないとおかしいわけで、この2つの単語を能動態で並列に繋いだところが非常に気持ち悪いのである。

でも、このホテルに来た英語圏の人は、このホテル名がまさかそんなことを込めた造語であるとは思わないだろうからまあ良いか、と思って念のために調べてみると、あらら、これは辞書に載っている既存の英単語ではないか。

respire: 呼吸する = breathe

あらまあ...。今夜は呼吸しながら寝るとするか。

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Monday, December 02, 2019

布の威力

【12月2日 記】コーヒーの布製フィルタを買った。前から一度使ってみようと、妻と話していたのだ。

で、昨夜早速淹れてみたら、これが明らかに味が違う。旨い!のだ。

我が家はそこそこ良い豆を、淹れる直前に挽いて、そこそこ良いコーヒーメーカーで出している。だから、そこそこ美味しいのだが、それより明らかに旨い!

上手く言えないが、雑味がなくなる、コクが出る、なんかしっとりと口に馴染んでくる感じ。

たかだか紙と布の違いなのに、この味の差には驚いた。

でも、味を文章で伝えるのは、なんと難しいことか。

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Sunday, December 01, 2019

映画『殺さない彼と死なない彼女』

【12月1日 記】 映画『殺さない彼と死なない彼女』を観てきた。小林啓一というのは知らない監督だと思ったが、実は前作『逆光の頃』を観ていた。アニメが混じった短い作品だったが、割合良かったような記憶がある(高杉真宙だったのか!)。

小さな劇場だったがぎっしり満員だった、途中であちこちからクスクス笑いが漏れる。

しかし、見始めてすぐに思ったのは、

  1. なんだ、この靄がかかったような画質は?
  2. 桜井日奈子はどうしていつも黒のタイツなんだろうか?
  3. 一つひとつのカットがものすごく長い。

の3点である。

1)は全体がそんなトーンである上に、人物の背景が悉くぼかしてある。なんでこんな面倒くさいことをしたのだろう。カメラに収めた映像は人間の目が認識する映像とはもちろん違うのだが、ここまで目に見えるものと違う映像を見せられるとちょっと気になる。

2)については、『ママレード・ボーイ』に続いて、他の女生徒はそうでないのにひとりだけ黒タイツというのがすごく気になる。

3)については、冒頭の廊下を2人で歩く2つのシーンを皮切りに、かなりの部分をワンシーン・ワンカットの長回しで撮っていて、切れない芝居を見せてくれる。これはとても良かった。

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