Play Log File on my Walkman #131
【10月6日 記】 時々気まぐれに載せている僕の Play Log。今回も10曲
- オトノナルホウへ→(Goose house)
- ブルー(渡辺真知子)
- 贈り物(吉田拓郎)
- ソバカスのある少女(ティン・パン・アレイ)
- 忘れないで(つじあやの)
- 青春のパラダイス(ちあきなおみ)
- 雨の日のバタフライ(佐野元春)
- 夜の訪問者(小川順子)
- きよしちゃん(矢野顕子)
- Destiny (シェネル)
1)は主に YouTube を活動の場としていた Goose house の 2014年のデビュー・シングル。とにかくカバー作品が素晴らしくてよく観て(聴いて)いたのだけれど、オリジナルも悪くない。
メンバー不定のセッション・グループなのだが、どのメンバーが入っても切れの良いリズムワークと絶妙なコーラスワークで僕らを気持ち良くさせてくれる。
2)渡辺真知子はあれだけ大ヒットを連発した割にはあまりに忘れられている存在だ。僕はこの人の作曲能力は非凡だと思う。特にこの曲の弱拍部からそっと入ってくる出だしのメロディ。これは僕には絶対書けないな、と当時息を呑んだ。こういう入り方だから「とってもブルー」が生きてくる。
『迷い道』『かもめが翔んだ日』に続く3枚目のシングル(1978年)。この2曲や『たとえば…たとえば』みたいな華々しい作品よりも、僕はこの『ブルー』や『唇よ、熱く君を語れ』が好き。
3)は 1974年のアルバム『人生を語らず』に収録されていたもの。こういう、なんか、悪意のある詞が好きで、多分その頃僕も失恋していたのだと思うが、随分共感を得た記憶がある。
拓郎の作品としてはものすごく解りやすく歌いやすい、ケレン味のないメロディ。脂の乗り切った拓郎節である。多分ヘッド・アレンジだと思うのだが、前奏・間奏を含めて編曲もカッコいい。
4)キャラメル・ママからグループ名を改めたティン・パン・アレーが 1975年に出した『キャラメル・ママ』というアルバムのB面2曲め。それぞれのメンバーが楽曲を提供しているのだが、これは詞:松本隆、作編曲:鈴木茂(ちなみに、ご存じの方には言うまでもないが、このバンドのドラマーは松本隆ではなく林立夫である)。
僕ははっぴいえんどの頃から鈴木茂のギターをあまり良いと思っていなかったし、彼が書く曲も今イチだと感じていたが、この曲なんぞは今聴くとコンパクトで素直な良い曲である。歌っているのは南佳孝だったと思う。
5)は 2009年のアルバム『つじギフト〜10th Anniversary BEST〜』に入っていたもの。是枝裕和監督の『海街diary』に共感したアーティストが自曲を持ち寄った配信限定アルバム『海街イメージコンピレーション』(2015年)にも収められている。
つじあやのという人は決してガツンッとは来ないのだが、なにしろウクレレを良い音で鳴らす人なのである。シンプルだけど良い音。こういうウクレレが弾けたら良いなあといつも思う。
6)は 1985年のアルバム『港が見える丘』所収。このアルバムはのちに『星影の小径』に改題されて CD化され、その後また『港が見える丘』に戻ったが、どちらも収められている曲のタイトルである。僕が持っているのは『星影の小径』バージョンなので、希少価値があるのかもしれない(笑)
倉田信雄と武川雅寛が半分ずつ編曲を担当しており、この曲は倉田信雄によるもの。古い歌謡曲をロックっぽいアレンジに乗せて、そこにちあきなおみの何とも言えない柔らかいボーカルが重なってきて、とても気持ち良い。歴史的名盤と言えるのではないだろうか。
7)は 2008年のアルバム『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』の3曲目。如何にも佐野元春らしい、多分佐野元春にしか書けないような曲である。もやっとした夢の中から突然目覚めて何かに突き当たったような、調性がはっきりしないようなところからいきなりメロディアスなパートに移行する辺りが誰にも真似できない感じがある。
佐野元春の最初の円熟期ではないだろうか。
8)この曲は大好きだった。小川順子の1975年のデビュー曲。演歌歌手という範疇に入れられるが、ベタベタな演歌ではなくなかなかポップな演歌である。怖いものがバナナという変わり種で、テレビ番組で目の前に山盛りのバナナを出されてスタジオ中を半狂乱になって逃げ回った姿が忘れられない。
それはともかく、演歌の歴史に残る名曲だと僕は思っている。
9)は 2010年のアルバム『音楽堂』に入っている曲。このアルバムは名レコーディング・エンジニアの吉野金次氏が脳溢血に倒れてから復帰したのを機会に、吉野氏を前面に押し立てた作品である。大瀧詠一の変名「笛吹銅次」は「吉野金次、伊藤銀次と来れば次は銅次だろう」ということで付けたという話は夙に有名である。
で、矢野顕子って時々こんな変な詞を書くんだよな、と思って聴いていたら、なんと「きよしちゃん」とは忌野清志郎のことだった。矢野顕子の清志郎に対するリスペクトは大変なものだ。そして、清志郎の葬式に何万人も集まったと聞いて「そんなのに集まれるくらいだったら、生きてるうちに来い! 生きてる矢野顕子を見に来い!」と言ったのも有名な話。
ことばはいらない
Everything's gonna be alright
We'll do anything to end this fight
沁みる歌詞である。
10)2017年のシェネルの 3rd シングル。TBS金曜ドラマ『リバース』の EDテーマでもあった。流暢な日本語で歌うのだが、シェネルは中国とインドとオランダの血を引き、マレーシアで生まれ、オーストラリアで育っており、日本とは関係がない。にもかかわらず、日本でブレイクした歌手である。
作詞:松尾潔、作曲:川口大輔という日本人コンビによる作品で、洋楽風ではあるがサビなどは如何にも日本人受けしそうな作り。それをシェネルが歌うという組合せが最高だったと思う。
今回はそんなとこ。
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