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Sunday, August 25, 2019

映画『ロケットマン』

【8月25日 記】 映画『ロケットマン』を観てきた。

トランプ大統領が金正恩をロケットマンと呼んだ時に、「おいおい、それはエルトン・ジョンに対して失礼だろう」と思ったのが僕らの世代だ。

特にエルトンのファンというわけでもない。レコードや CD は1枚も買ったことがない。でも、エルトン・ジョンと聞くと即座にバーニー・トーピンという名前が浮かぶ程度には知っている。一番好きな曲は Goodbye Yellow Brick Road かな。僕はこの歌で brick という英単語を憶えた。

まず驚いたのは歌。エルトンだけが歌うと思っていたのだが、ストーリーに合わせてミュージカル風に、エルトンもバーニーも、時として憎まれ役の父親やマネージャーのジョン・リードも一緒に歌う。ときにはハモる。

そして、ダンス。歌だけではなく、これほどまでに出演者が踊るとは予想していなかった。まさにアメリカン・ミュージカル。動きにキレがある。長回しと編集を巧く使って、とてもビューティフルな映像が出来上がっている。

それにしても、バーニー役が『リトル・ダンサー』の主役の少年だったと思い当たらないのは仕方がないとして、エルトン・ジョンに扮したタロン・エガートンが『キングズマン』『キングズマン:ゴールデン・サークル』の主演男優だったとパンフを読んで初めて気づくとは我ながら面目ない(両方とも見たのに)。

どうりでどっかで見た顔だと思った。このエガートン、かなりの特訓をしたらしいが、歌もピアノもダンスも本当に素晴らしい。声に張りがある。エルトンの動きの模写も完璧だ。

ストーリー自体は、もちろんエルトン・ジョン本人にとっては大変なコンプレックスや苦難、試練であったかもしれないが、項目立てて見ると、親の愛情に対する飢餓感、酒とドラッグとセックス(そして、彼の場合はホモセクシュアル)というアメリカのスター誕生物語には決して珍しくない設定である。

それを血の通った物語に肉付けするのは無論エルトン・ジョンとバーニー・トーピンの作品なのであって、さすがに音楽の力は大きいと改めて認識した次第。

エルトンが浮き上がり、観客が浮き上がり、エルトンがロケット噴射して飛んで行く。──印象的なシーンがたくさんあった。

ドラッグにヘロヘロになって半ば自殺を図るようにプールに飛び込んだエルトンを、プールの底で待ち受けていたのが少年時代のエルトンで、おもちゃのピアノで『ロケットマン』を弾いているというのも、なんとも言えないエモいシーンである。

この映画の中でとりわけ大きな存在はバーニー役のジェイミー・ベルと母親役のブライス・ダラス・ハワードである。

上にも書いたようにエルトンの父親や、マネージャーであり愛人でもあったジョン・リードが、結局のところエルトンと決裂した存在として描かれているのに対して、バーニーと母は、エルトンと気まずいときはあっても終始彼と寄り添っているところが描かれている。

バーニーを演じたベル自身がインタビューでこう言っている。

「僕がバーニーを好きなところは、ジャッジしないところだ」

このフレーズは僕の琴線に触れた。とても良い作品だった。

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Comments

おはようございます。EJの話でしたので、思わずしゃしゃり出てしまいました。
初めてコンサートというものにいったのが、エルトンジョンでした。中学3年生の時でした。松山から広島まで見に行きました。初コンサート、初の一人旅行でした。足の手配、枕の手配、当然チケットの手配もすべて一人でやりました。
今でもいろいろと思い出はありますが、一番の思い出は、隣の席だったJK(女子高校生)がコンサートが始まる前に食べ始めたおにぎりがおいしそうだったことです。

Posted by: 仙台のM | Monday, August 26, 2019 09:27

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