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Monday, July 08, 2019

『いだてん』鑑賞

【7月8日 記】 NHKの『いだてん』を観た。今まで1回も観たことなかったのに、1回だけ観た。録画して観た。人見絹枝の回だけ観た。

それは大根仁が、まるで神が降りてきたみたいにこう言い放ったからだ:

次回26話「明日なき暴走」は大根仁の演出回です。はっきり言って自信作です。自己評価は10年に一本作れるか作れないかレベルです。ごくたまに、自分の力を超えた"何かに作らされてる"感覚は、ドラマ『モテキ』第6話の「ロックンロールは鳴り止まないっ」以来です。

初めて観て、なぜこの大河ドラマの番組平均世帯視聴率は低いのか、そして、なぜそのことを鬼の首でも取ったかのように吹聴し、大河ドラマはもうダメだと騒ぐメディアがいるのか、そしてなぜそんなメディアに口角泡を飛ばして反論する熱心なファンがいるのか──それらのことがいっぺんに解ったような気がした。

僕は長らく大河ドラマを観ていない。今回もその流れで観ていないだけだ。ただ、今回がこれまでと大きく違うだろうということは始まる前から分かっていた。

宮藤官九郎と大根仁というのは間違いなく夢の組合せである。そして、名前を聞いただけでそう思う人には、この企画はそれなりに(あるいはそれ以上に)受けることは間違いない。でも、宮藤や大根の世界に慣れ親しんでいない者は多少戸惑うだろう。

視聴者によって恐らく好き嫌いがはっきり別れているであろう阿部サダヲを始めとして、宮藤官九郎人脈の役者がたくさん出ている。派手目の演技も目立つ。これは新しい。そして作りが新しいとそれを見て嫌う人もいる。

嫌いな人は放っておけば良い。見もしないで貶す人は相手にすることはない。僕みたいに1回しか見ていないのに取り憑かれたようになる者もいる。

今回はなんと言っても人見絹枝役に菅原小春を持ってきたキャスティングが秀逸だ。誰だ、こんな人を引っ張ってきたのは。今回始めて観た人もいるかもしれないが、僕は CM や『情熱大陸』で知っていた。彼女はダンサーだぞ。しかも、世界的に有名な。

大根仁が言うだけのことはある神がかりの回になった。

来週も観るかどうかは分からない。でも、1回しか見ていないけど、僕はこの番組の真髄が解ったような気がする。この番組を貶す人の感性がよく解らない。

僕はいつしかアムステルダムのグラウンドに立って、声を枯らして人見絹枝を応援していた。


【後日追記】 結局僕は年末のダイジェスト版で『いだてん』を観た。

 

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