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Thursday, July 04, 2019

アンケートに答える

【7月4日 記】 アンケートに回答していると、選択肢が偶数個しかないものがよくある──「賛成」と「反対」の2つだけとか、「とても良い」「良い」「悪い」「とても悪い」の四者択一とか。

調査の常識として、選択肢は奇数個でなければならない。それは中央値をつくるためだ。例えば、「どちらでもない」「普通」等々。

もちろん、よく知らなくて、何も考えずに偶数個になっている場合もあるだろうが、わざわざ偶数個にするには理由がある。

それは奇数個にしてしまうと、大多数が「普通」や「どちらでもない」などの中央値を選んでしまうからだ。それだと傾向がよく見えない、傾向をはっきりさせるためにあえて中央値を選ばせない構成にしているのだが、それは単にデータを歪めているにすぎない。

例えば僕が答えるとして、「映画が好きか?」であれば多分「とても好きだ」を、「日本酒が好きか?」であれば躊躇なく「全く好きではない」を選ぶだろうが、「革製品が好きか?」であれば選択肢が偶数個しかなかったら途端に迷うのである。

革製品と言っても靴と財布とベルトぐらいしか持っていない。でも、現に革製品を使っているわけだし、それが嫌いなわけでも避けているわけでもない。かと言って、特に革を愛好して、進んで革製品を買うようなこともない。

だから、どっちでもないのだ。フツーなのだ。思い入れがないのだ。もっと言えばどうでも良いのだ。それを「とても好き」「好き」「嫌い」「とても嫌い」の4つ中から選べと言われても困る。

もちろん自分がものすごく愛着を持っていたり入れ込んでいたりするものはある。また、逆に大っ嫌いなものも注意深く避けているものもある。でも、世の中の万物のうちそれらはごく一部であって、大部分のものにはこだわりがなくて、どーでも良いのである。

それを無理やり良いか悪いか、力ずくで白黒をはっきりさせるようなアンケートで得られた結果は歪んだデータである。しかも、多くの場合、その結果の数字が独り歩きして例えば「半数以上が好きだと言っている」などと伝えられて多くの人が誤解してしまうのである。

本当は半数以上の人が好きなのではない。むしろ半数以上の人はどうでもよくて、残りの人たちのうち好きだという人が少し多い、というような程度なのだ。

だから、そういうアンケートに出くわすと、僕は必ずフリーアンサーの欄を見つけて、「選択肢は奇数個にして中央値を作らないと調査結果が歪みます」等々と書いている。

多くの場合は、「なんかうるさいことを書いている奴がいる」みたいな感じでスルーされているのだろう。そういう会社のアンケート結果はずっと歪んだままである。それでは調査をする意味がないのではないかと心配するのである。

これは、「ちょっと知っているからといって知識をひけらかしやがって」などと言われるほどのレベルの話ではなくて、とても基本的なことだと思う。仕事でやるなら基本的なことはまず押さえてほしいと願ってやまないのである。

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