我孫子の不思議
【6月11日 記】 多分それぞれの土地にそれぞれの難読地名がある。遠くに引っ越して生活圏が変わったときに、そういう地名に出くわす。
関西から東京に出てきたときに「これは何と読むんだろう?」と思ったのは東急大井町線の「等々力」と「九品仏」ぐらいだろうか(いまだにその辺りには行ったことがないが)。御徒町も難読だが、これは早くからニュースなどで知っていた。
そう、どんなに特殊な読み方をしても、みんなが知っていればそれは難読ではないのだ。
例えば、地名ではないが、「人間」は小学校低学年で習うから何の不思議もなく読んでいるが、これが30歳を過ぎてからある日初めて目にした言葉であったら、ニンゲンと読める人はほとんどいないだろう。
そんな中で驚くのが「我孫子」である。これも知っていたから読める。何故知っていたかと言うと、関東の千葉県の常磐線の我孫子駅を知る前に関西の大阪市営地下鉄御堂筋線のあびこ駅(と、こちらの表記はひらがなではあるが)を知っていたからである。
で、何が不思議って、これをどうしてアビコと読むのか見当もつかないことである。
例えば、東京には恵比寿、大阪には恵美須町という駅があって、表記は違うけれど、これはいずれも七福神のえびす様から来たものだと思われる。夷や戎も同じである(「夷」や「戎」は中央政府から見た異邦の者を表す漢字だそうだ)。
ちなみに妻は初めて「戎橋」という表記を見たとき、それをイマシメバシと読んだが、「戒」は「戎」より1本棒が多い。
話を戻そう。恵比寿や恵美須や戎がえびす様(大阪弁ならえべっさん、ビールならヱビスとなる)なら、我孫子は一体何なのか? 辞書を引いても載っていないではないか!
もちろん辞書に載っていない言葉が地名になっていても何の不思議もない。しかし、同じ表記で同じ読みで意味が分からない地名が、どうして関東と関西の遠く離れた2箇所にあるのだろう?
それってとても不思議な偶然だとは思わないだろうか?
我孫子って一体何なんだろう?
そして、どうしてこれをアビコと読むのだろう?(アとコは分かるがビが分からない)
Comments