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Sunday, June 16, 2019

前田敦子

【6月16日 記】 昨日観た映画『旅のおわり世界のはじまり』のパンフレットを読むと、黒沢清監督は、

(前田敦子の)他には考えられませんでした。今回はどうしても主演をお願いしたくて、プロット段階から前田さんをイメージしていました。

フレームに写っただけで独特の強さと孤独感が漂う、本当にすごい女優。この役を演れるのは前田さんしかいないと最初から決めていた。

と言っている。映画を観て僕もまさにこの映画は前田敦子抜きでは成立しないなと感じた。一方前田敦子のほうも、

黒沢さんのオファーなら断る理由がありません。

と出演を即決したらしい。なんと幸せな相思相愛だろう。彼女の黒沢作品出演は『Seventh Code』(2014年)、『予兆 散歩する侵略者』(2017年)に次ぐ3本目だ。

『Seventh Code』では、冒頭から前田敦子が西も東も分からないウラジオストクで、重いスーツケースを引きずりながら青い車を追って全力疾走する、という、ある種『旅のおわり世界のはじまり』に似た展開である。『Seventh Code』の前田敦子の延長上に『旅のおわり世界のはじまり』があるのは間違いない。

ただ、『Seventh Code』には“秋元康との合作”みたいな雰囲気が幾分あり、黒沢清らしさは出しながらも、どこか前田敦子のプロモーション・ビデオ風になっていたところがあったのは残念だと僕は感じた。

僕はそもそも AKB48 については興味も知識もほとんどなかったので、前田敦子のことを「他に可愛い子もいっぱいいるのに、なんであの子がセンターなんだろう?」ぐらいにしか思っていなかった。

それが映画初出演の『あしたの私のつくり方』(2007年)でぶっ飛んだ。成海璃子主演の映画だったが、当時の記事に僕は、

僕は実は共演の前田敦子の映画であったと思う。AKB48 のメンバーなんだってね。

この先彼女が大スターになりそうな気はあんまりしない(カリスマ性という意味では成海璃子にかなり引けを取る)けれど、ことこの映画に関しては彼女は目を瞠る出来だと思う。

と書いている。なんと見る目がないんだろう(笑)

映画初主演となった『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(2011年)は彼女にとってちょっと気の毒な作品であったが、その次の『苦役列車』(2012年)が良かった。

それで山下敦弘監督は次作『もらとりあむタマ子』でも前田敦子を起用した。今作では主演である。この辺りで僕も漸く前田敦子の素晴らしさをしっかりと認識したようで、

そして前田敦子はこの映画でまた一皮剥けた感がある。

などと書いている。

その次の出演作が『Seventh Code』で、その後僕が観たのが順に『さよなら歌舞伎町』『モヒカン故郷に帰る』『シン・ゴジラ』『武曲 MUKOKU』『散歩する侵略者』『素敵なダイナマイトスキャンダル』『蚤とり侍』『食べる女』『マスカレード・ホテル』『コンフィデンスマンJP』『町田くんの世界』と、合計17本の作品で彼女を観てきた。

航空機内で観た『探偵はBARにいる3』を含めると18本だ。今ではすっかり前田敦子に魅了されている。

アイドルと言うととかく“歌って踊る”というイメージで、将来の名女優という可能性に思い至らないものだが、彼女はしっかりとその実例を刻んだ。考えてみれば AKB出身の女優も今ではたくさんいる。

中でも僕は川栄李奈に今ぞっこんである。彼女は前田敦子に次ぐ逸材であると僕は思っている。

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