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Sunday, June 30, 2019

映画『ザ・ファブル』

【6月30日 記】 映画『ザ・ファブル』を観てきた。

一応リストアップしていた作品なのだが、聞いたこともない監督だし、知人が「大したことない」と書いているのを読んだりもして、やめようかとも思ったのだが、別の知人が褒めていて、この人とは映画の評価については7割方意見が一致するので、気を取り直して観ることにした。

すごく有名な漫画原作があるらしいのだが、例によって僕は全く知らない。ただ、岡田准一のアクションもので、コミカルな要素もある、という程度の予備知識である。

まあ、要約してしまうとその通り(岡田准一のアクションもので、コミカルな要素もある)なのだが、とても面白かった。

曲者・大物揃いのキャスティングが大変的を射ていて、主要な登場人物全員が見事にキャラが立っている。

小さい頃から殺し屋になるべく訓練を受けてきた伝説の殺し屋“THE FABLE”ことアキラ(岡田准一)。そのアキラを育て一流の殺し屋に仕立てた挙げ句に、今度は「普通の人間として暮らせ、誰も殺すな」と言ってアキラを大阪に送り込んだボス(佐藤浩市)。

アキラの相棒で、格闘技も強いが酒もべらぼうに強くて一日中飲んだくれているヨウコ(木村文乃)。アキラとヨウコを大阪で預かることになった真黒カンパニー社長の海老原(安田顕)と会長の浜田(光石研)。

海老原の舎弟で、刑務所から仮出所してきたばかりの、手のつけられない極道・小島(柳楽優弥)、海老原の部下だが小島と激しく敵対し、海老原を追い落とそうとしている砂川(向井理)。

THE FABLE に憧れ、「THE FABLE を倒して自分が伝説になる」野望を抱き、大学生みたいな軽いノリで殺し屋稼業を続けているフード(福士蒼汰)。

今回は特にこの2人──向井理と福士蒼汰が今まであまりなかった役柄で面白かった。

そして、アキラが大阪で就職したデザイン事務所の社長が田高田(佐藤二朗)、そこでアルバイトをしているのがミサキ(山本美月)で、ミサキは小島に恐喝されている。

──という辺りが全体の設定である。

それぞれが個性豊かな役柄で、それぞれが本当にそれらしく描かれている。普通の人間としての常識がまるでないマシーンのようなアキラを茶化して時々笑えるシーンを交えながらストーリーは展開する。良い脚本である。

そして、どんな相手でも6秒以内に殺すという伝説の持ち主であるアキラが、大阪ではヤクザ組織の揉め事にまきこまれ、恩を受けたミサキを人質に取られた状態で、今度は誰も殺してはいけないという前提でミサキを助けに行く。

そのひねり方は却々面白い。

で、この何年かで極端に筋肉オタク化してきた岡田准一のアクション・シーンがこれまた凄いのである。岡田自身と、フランス人の有名なファイト・コレオグラファー(英語でそんな風に言うとは知らなかった)アラン・フィグラルズの2人が主に擬斗を組み立てたのだそうだが、カメラワークともども怒涛のアクション・シーンになっている。

監督の江口カンは CM 出身で、CMディレクターとしてはカンヌの常連受賞者であり、映画もこれが3本めだそうだ。脚本の渡辺雄介は『20世紀少年』シリーズや『進撃の巨人』などを手がけた人。カメラマンの田中一成は『探偵はBARにいる』シリーズや『少年メリケンサック』などを撮った人である。

アキラを殺すと言ったボスがこのあとアキラをどうしようとしてるのかについて明確には描かないまま終わったことと、誰一人として関西出身でない役者たちが微妙に気持ちの悪い関西弁を喋っていたことを除けば、とてもよくできた娯楽大作だった。

あともうひとつ、THE がついているということは英語だと思うのだが、何故フェイブルではなくファブルなのだろう?

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