夢の中
【4月30日 記】 夢の中でこれは夢だと分かっている、というような話をよく聞くが、僕は昨日までそんな経験が全くなく、果たしてそんなことってあるんだろうかと俄に信じられなかった。
何かをしている(あるいは、場合によっては、何かに追い詰められている)自分がいて、それを客観視している自分がいるという体験はしょっちゅうしている。でも、それは起きているときだ。眠っているときにどうして自分が夢の中にいると分かるんだろう、とずっと不思議に思ってきた。
ところが今朝見た夢でその謎が解けた。生まれて初めて僕も夢の中でこれが夢だと分かったのである。それは僕が想像していたものとは違っていた。
長い長い夢のごく一部であるその部分の内容はこうである:
僕は道に迷っている。夜である。ところが歩いていると突然煌々と照明のついた公園に入る。よし、ここで Googleマップで今自分がどこにいるのか、どちらに行けば目的地なのかを確かめようと思う。
ところが、ポケットから iPhone を取り出してみると、それはやや小ぶりで、分厚くて、形もやや角ばっている。これは初めて買った iPhone 3G ではないか! これでは現在地を調べられない、と僕はがっくりする。
現実には iPhone 3G にはすでに GPS が搭載されていたし、Googleマップもインストールしてあったし、Apple の地図アプリもデフォルトで入っていたので、現在地が判らないということはない。にもかかわらず夢の中で僕はそう思っている。
ところで、同じような夢を僕は少し前に見ている(これは夢の中の話ではなく現実の経験である)。その夢の中で僕は iPhone で現在地を調べようと思うのだが、うまく操作ができないのである。この夢を見ていたからこそ、僕は今朝の夢の中で「あ、これは前と同じだ。これは夢なんだ」と思ったのである。
しかし、それは僕が考えていた状況とは違って、夢の中の僕の判断だった。眠って夢を見ている僕が何故か夢の外側から醒めた頭脳で「これは夢だ」と判断しているのではなく、「夢の中の僕が『これは夢だ』と思っている夢」を僕が見ているだけのことである。
なーんだ、そんなことだったら何でもアリではないか。
このことをみんなは「それが夢だと分かっている」と言っていたのか、と唖然とした。それは夢の外側から客観視している自分が存在するということではなかったのだ。単に「これは夢だと思っている夢」を見たという話だ!
まあ、でも、人生初めての体験だったし、そのことが解って良かったと今は思っている。
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Posted by: hikomal | Sunday, May 12, 2019 17:39