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Saturday, April 20, 2019

名前

【4月20日 記】 僕の父はなんだか知らないけれど、子どもに読みにくい名前をつけるとその子は不幸になると信じていた。

読みにくい名前と言っても時代が時代だから所謂キラキラ・ネームではない。とは言え、基本は同じで、あまり見たことのない難しい漢字、あまり使われない読み、辞書に載っていない読みなどを採用した名前を、父は不幸をもたらす元凶として断罪した。

例えば今の芸能人なら蛭子能収や板尾創路、黒木華、武井咲、高杉真宙、永野芽郁、新田真剣佑、映画監督なら矢口史靖や山下敦弘みたいな感じか。父がこれらの名前を見たらきっと「こんな名前つけたらあかんねん」と言うだろう。

一体何が父をしてそのような頑迷な思い込みに至らしめたのかは分からないが、とにかくニュースを見ていてそんな名前が出てくると、「ほらな、こんな名前つけるから雪山で遭難するんや」とか「見てみい、こんな名前つけるから銀行強盗なんかしよんねん」などと、被害者であろうと加害者であろうと、味噌もクソも一緒にその名付け親を斬って棄てた。

もちろん僕はそんなことは信じていない。ただ、おかげで僕はめったに読み間違われることのない名前を得て、今日に至るまで雪山で遭難することも銀行強盗に入ることもなく、そこそこ無事に生きている。

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