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Sunday, April 07, 2019

映画『麻雀放浪記2020』

【4月7日 記】 映画『麻雀放浪記2020』を観てきた。コカイン使用で逮捕されたピエール瀧が出演していながら東映が公開を決めたことで有名になってしまった。

パンフレットは売り切れだった。まだ上映3日目だし、客の入りもそれほどでもないことを考えると、普段買わない人が買っただけとは思えない。映画を観ることなく転売目当てに買い占めた奴がいるんだろう。常にパンフレットを買う身からしたら甚だ迷惑な事態である。

しかし、これ、ピエール瀧騒動に関係なく、往年の阿佐田哲也の小説や1984年の和田誠監督・真田広之主演の映画のファンが見たら怒る人が出てくると思う。これ、阿佐田哲也に対する冒涜だと言われたら、却々反論できまい(笑)

僕もてっきり 1984年版のリメイクだと思って観に行った。いや、確かに坊や哲(斎藤工)もドサ健(的場浩司)も女衒の達(堀内正美)も出目徳(小松政夫)も出てくる。84年版ではそれぞれ真田広之、鹿賀丈史、加藤健一、高品格が演じた雀士だ。

だが、なんと、これがタイムスリップもので、坊や哲が九蓮宝燈を和がった瞬間に落雷に遭って2020年の浅草に飛ばされるという話。それだけではなくて、日本は東京オリンピックを直前に控えて戦争に突入しあっさり敗戦してオリンピックも中止が決まった直後という想定である。

それにしても、この時代には国民全員の額にマイナンバーのチップが埋め込まれているとか、みんながグーグル・グラスみたいなものを掛けていたり、セグウェイみたいなものに乗っていたりと、いくらなんでも飛びすぎの設定である。だって、来年でしょ?

ところがそんなハイテク日本で坊や哲を拾って家に連れ帰ったのがメイド喫茶のアイドルメイド・ドテ子(もも)で、その住環境たるやまさに昭和の貧民窟であるという皮肉。

このドテ子がとても映画のヒロインとは思えないくらいダサくて、誰じゃこれは!?と思ったら、あのチャラン・ポ・ランタンのボーカリストではないか(僕もグループ名だけは知っていた)。このキャスティングはすごい。

しかも、ドテ子が坊や哲を連れ帰った家にはマネージャーのクソ丸(竹中直人)が同居しており、ドテ子は仕事の上でも誰とでもセックスするがクソ丸ともできていて、でも、人間相手だと吐いてしまうので相手の男にはシマウマの被り物を着てもらうか、VR でシマウマを見ながらするというシュールと言うか、観客を馬鹿にしたような設定だ(笑)

さらに坊や哲と対局する AIロボットの YUKI 役でベッキーが出ていたり、ドテ子の追っかけの傑作なオタクに扮しているのが岡崎体育だったり(これは一目で分かったぞw)、もうトンデモナイ映画なのである(ま、一応麻雀対決はするんだけど)。

そもそもタイムスリップという設定に無理があるし、2020年の東京が無理くりに現実とかけ離れているし、筋運びも演技もあまりに弾けすぎていて、観ている者はここで笑って良いのかどうかと戸惑ってしまうのである。

これは酷評されても仕方がないなあと思う。ついて行ける観客は少ないと思う。

でも、白石和彌監督の新境地であることは間違いない。初期の園子温みたいなアナーキーさがある。あまりに深いので誰も存分には笑えないのではあるが、なんか talkative な映画なのである。何かを僕らに語って語って語り続けてる超ウザい映画である(笑)

お願いだからこの映画を題材にして「製作者が一番言いたかったことは何か?」みたいな問題は出さないでほしい。これはコメディなのだから。あんまり笑えないけど(笑) でもなんか棄てきれない映画だった。

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