『クリエイターのための権利の本』大串肇、北村崇、木村剛大、古賀海人、齋木弘樹、角田綾佳、染谷昌利(書評)
【3月5日 記】 クリエイターのための権利の本である。「著作権トラブル解決のバイブル!」という副題がついている。
バイブルという表現は大げさだ、と言うか、この本のイメージはバイブルというような聖なるものではなくて、どっちかと言うとぴったり来る表現は「アンチョコ」である。
表紙にもこんな説明文が載っている:
現場でトラブルになりがちな権利の問題について
✓クリエイターとしてやってはいけないこと
✓権利を侵害されたときの具体的な対処法
をわかりやすくまとめたクリエイターのバイブル
って、またバイブルと書いてあるが、むしろバイブルや学術書にありがちな概念的な、あるいは理念的な記述を避けて、どこまでも具体例に沿って書いてあるから分かりやすい。
僕はクリエイターではないが、いや何、そこは自分の立場に読み替えれば良いだけのこと。非常に平易な書きっぷりなので、例えば人事異動で今まで全く関わりのなかった権利クリアの仕事を担当するようになった、みたいな人が最初に読むのに適した本だと思う。
実例がたくさん載っていて、写真やイラスト、図表などもいっぱいあって、ご親切にも契約書や見積書、あるいは権利を侵害した相手に出すメールのサンプルまで載っている。
これを仕事に活用しない手はない。ただし、当然のことながらこの本にも著作権はあるわけで、みだりにコピーして不適切な使い方をしていると、この本の7人の著者からこの本に載っているような方法でクレームを受けることになると思うが(笑)
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