もう春です
【3月11日 記】 だんだん暖かくなってきた。
寒くて震えていたらいつの間にか暖かくなり、それがいつの間にか暑くなってぐったりしてたら、そのうちに涼しくなって、気がついたらまた寒くて震えている。
──そういう循環を一体いつまで何回続けるのだろう、と思ったことも何度かあるのだが、しかし、世界中どこの国でもこんなに律儀にくっきりと四季が巡っているものでもないだろう。
そう考えると、この四季のめりはりは、やっぱり日本人の精神性と言うか、発想の仕方と言うかに確実に影響を与えているような気がする。例えば輪廻転生とか因果は巡るとか…。
そういう(理屈はともかく)感性って、こんな風土の中で生きてきたから培われたってことはないだろうか、などと考えてみたりする。
もう春です
古いものはすてましょう
頭をかかえて悩む時期はすぎた
と歌ったのは斉藤哲夫だ(『もう春です(古いものはすてましょう)』、詞曲:斉藤哲夫)。僕の大好きな歌だ。この歌に勇気づけられて、人生のある時期、とても辛い時期を僕は乗り切れたのだと言っても良い。
それほど共感を覚える歌なのだけれど、でも、多分僕らは古いものを捨てられない。それがまた巡ってくるものだと知っているから。
ただ、春がくるたびに、僕らはまた頭を上げて自分の歩く方向を遥かに見やるのである。
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