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Saturday, March 09, 2019

映画『アリータ バトル・エンジェル』

【3月9日 記】 映画『アリータ バトル・エンジェル』を観てきた。

まあ、ざっくり言ってしまうとサイボーグ・アドベンチャーもの。

木城ゆきとの漫画『銃夢』を読んだギレルモ・デル・トロが「これ、おもしろいよ」とジェームズ・キャメロンに紹介し、それに惚れ込んだキャメロンはあくまで自分で監督するつもりで一旦脚本を完成するところまで行ったが、『アバター』が当たってしまって続編を作ることになったために全く時間が取れず、結局自分はプロデューサーに退いてロバート・ロドリゲスに託したということらしい。

原作のことは全く知らないので、あくまで映画単体として書くが、設定や進行にそれほど斬新なものはない(ま、面白いのは面白いのだが)。出だしとしては天馬博士が死んだ息子のトビオに似せて鉄腕アトムを作ったのに似ている。

そう考えると、手塚治虫という人が、如何に時代に先駆けた卓越した発想の持ち主であったかということが窺える。

話が逸れついでにもう少し書くと、多分僕らが記憶のあるギリギリ最後の世代だと思うのだが、鉄腕アトムがアニメになる前に実写版のアトムがテレビで放送されていた。ロボットと言っても当時の番組のこと、人間が四角い箱から手足と顔を出してアトムに扮していたのをよく憶えている。

CGも含めて「特撮」という言葉で括ってしまうと、あれから約60年でついに特撮がこの『アリータ』のレベルにまで到達したかと思うとまことに感慨深い。

そう、この映画の一番の売りは、やはりストーリーではなく造形のすごさにある。

主人公アリータは全編 3DCG なのだ。それが人間のように笑い、涙を流し、物を食べ、人間と手をつなぎ、人間と口づけをする。猛烈なスピードで駆け抜け、宙空に舞い上がり、殴り、蹴り、破壊する。あまりにも自然で、かつ美しい。

モーション・キャプチャーから描き起こしているとは言え、よくもここまでの生命の息吹を描けたものだと驚く。「不気味の谷」なんてどこにもない。原作に似せて目が異常に大きく描かれていること以外は完全に生身の人間と同じに見える。

僕はあまり科学的な正しさにこだわるほうではないのだが、それでも「ちょっとそこは飛びすぎでは?」と思うところもあったし、最後まで観て「おいおい、続編作る気かよ!」と驚きもしたのだが、いやあ、そんなことはどうでも良くて、この造形美だけで十二分に満足である。

人物/サイボーグだけでなく、さまざまな機械やら乗り物やら巨大な街並みやら群衆やら、一体これだけのものを描くのにどれだけの金と労力がかかっているのだろうかと思うと、ただただ敬意を表するのみである。

堪能した。

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