« February 2019 | Main | April 2019 »

Sunday, March 31, 2019

故・萩原健一さんに

【3月31日 記】 3月26日に萩原健一が亡くなっていた。近親者で葬儀を執り行ったあと発表された。

世代によってザ・テンプターズだったり、『太陽にほえろ!』だったり、『傷だらけの天使』だったり、『前略おふくろさん』だったりするのだろうけれど、僕が一番語りたいのは PYG である。

隆盛を極めたグループサウンズ(GS)ブームが下火になり、その3大バンドから2人ずつ実力のあるメンバーが結集したのが PYG だった(実は他にもうひとりメンバーがいたようだが)。

音楽と流行の間でどことなくインチキ臭い位置づけだった GS から、漸く本物の音楽をやるグループが生まれた、と僕は熱狂した。

Continue reading "故・萩原健一さんに"

| | Comments (0)

Saturday, March 30, 2019

映画『美人が婚活してみたら』

【3月30日 記】 映画『美人が婚活してみたら』を観てきた。贔屓にしている大九明子監督。そもそもは『恋するマドリ』(2007年)という素敵な映画を見つけてそれ以来応援しているのだが、一昨年の『勝手にふるえてろ』でブレイクした感がある。

ここのところはずっと女性目線で物語を作ってきた人だと思うのだが、この映画もそうだ。

小さい劇場だが1席も余らず満席の7~8割が女性客だ。田中圭と中村倫也という、このところ人気沸騰中の 30代イケメン俳優が出ており、その2人目当ての客が多いのだろうと思うが、僕は黒川芽以と臼田あさ美狙いである。

僕が“平成3大切ない男子青春映画”だと思っている『グミ・チョコレート・パイン』(2008年)、『ボーイズ オン・ザ・ラン』(2010年)、『色即ぜねれいしょん』(2009年)において、迷える男子の妄想をこっぴどく叩き壊して奈落の底に突き落とすマドンナを演じたのが、前2者では黒川芽以であり、後者では臼田あさ美だったのだ。

この2人が婚活を巡るドラマの主演と共演というのは、めちゃくちゃ趣向に富んだ組合せではないか。

Continue reading "映画『美人が婚活してみたら』"

| | Comments (0)

Friday, March 29, 2019

TEST

【3月29日 記】 ココログからのお知らせを読む限りでは、どうやら多くの不具合が解消されたみたいではあるので、とりあえずテスト投稿してみる。

念のため、リッチテキストでの入力への対応が一番遅れていた Google Chrome ではなく Firefox で書いてみる。

…ふむ、ここまでのところ問題なさそうだ。

Continue reading "TEST"

| | Comments (0)

Tuesday, March 26, 2019

ココログ記事投稿画面の不具合(2)

【3月26日 記】 ココログさんよ、よくもまあ、こんなひどいことをしてくれるなあと思う。

サイトのリニューアルでいろいろ不具合が出た。スタッフは必死になって復旧しているのだろうとは思う。しかし、それにしても、何が一体どうなってこんなことになるのか、想像のつかないようなことの連続なのである。

3/23 の記事に書いた p タグが div タグになってしまう点はどうやら解決したらしい。昨日映画の記事を書いて投稿したときにはすでに解消していて、お知らせのページにもその旨の記載があった。しかし、その下に別の問題が発生して対処中だという記述もある。

昨日はその別の問題に見事に当たってしまった。映画評を書いて、その一覧であるウェブページを更新しようとしたときのことだ。

見てもらえば分かるとおり、僕は年度ごとに番号なしリストを使って一覧表を形成している。使うタグは ul と li である。ところが新しい行を足して更新すると何故か勝手に行と行の間に </ul> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <ul> という5組のタグが挿入されてしまうのである。

Continue reading "ココログ記事投稿画面の不具合(2)"

| | Comments (0)

Monday, March 25, 2019

『空母いぶき』マスコミ試写会

【3月25日 記】 映画『空母いぶき』のマスコミ試写会に行ってきた。今ちょっと興奮が醒めやらない。

えらいもんを観てしまった。と言うか、えらいもんを作ったもんだと。

タイトルから判るように自衛隊の話だ。原作はかわぐちかいじの同名のコミックだ。時代は近い未来と想定されている。

サヨクの人は嫌悪感を覚えるかもしれない。いや、ウヨクの人の中にも不満を感じる人もいるのだろう。でも、これはサヨクにもウヨクにもノンポリにも観てほしい。観て感じて考えてほしい。いや、否が応でも考えてしまう。考えさせられてしまう。

そういう映画だ。

「東亜連邦」という新興国家の戦闘機に自衛隊の偵察機が攻撃され、日本固有の領土・初島が占領されてしまう。

戦後初の航空機搭載型護衛艦《いぶき》を旗艦とする第5護衛隊群が現地に派遣される。

どこまでも敵対的で強硬な態度で攻めてくる東亜連邦に対して、ついに「防衛出動」命令が下される。

Continue reading "『空母いぶき』マスコミ試写会"

| | Comments (0)

Sunday, March 24, 2019

映画『まく子』

【3月24日 記】 映画『まく子』を観てきた。どんな映画か全く知らなかったのだけれど、良い評判をちらほら目にしたので。

冒頭から「どこだ、これは?」と思う風景が出てくる。いや、珍しい風景ではない。日本のあちこちにある温泉町の風景だ。

でも、都会に住んでいると忘れている風景。旅行に行って思い出す風景。そして、そこで描かれているのは僕らの旅のハレの風景ではなく、そこで暮らしている人たちのケの風景──そこに僕はハッとしたのかもしれない。

「四万温泉」という文字が見える。そして、それが実在する地名だとエンドロールで知る。

サトシ(山﨑光)の家は温泉宿を経営している。母親(須藤理彩)が旅館を取り仕切り、父親(草彅剛)は板前だ。女好きの父親は始終女の尻を追いかけていて、今も隣町の女と浮気中である。

そこに転校生のコズエ(新音、ニノンと読む)がやって来る。サトシと同じクラスであるだけではなく、コズエの母(つみきみほ)は住み込みの仲居としてサトシの旅館で働くことになり、サトシと同じ敷地内の別棟に暮らすことになる。

コズエの母もコズエもどこかおかしい。サトシに初めて出会った時に、コズエはサトシに「子供?」と問いかける。サトシは「こ、子供ですけど」と答えるしかない。すると無表情に「年齢は?」と畳み掛けられる。どこか上の空に見えるのに、サトシには興味津々でつきまとう。

そして、挙げ句の果てに、「私たちは土星の近くの星から来た」と言う。

サトシと同様、観ている僕も半信半疑になる。これは宇宙人が出てくる映画なのか? はたまた単に変なことを言う小学生の話なのか?

これが西加奈子の原作だと知っていたら、素直に宇宙人を受け入れて観ただろうが、僕が原作者名を知ったのはエンド・ロールである。

Continue reading "映画『まく子』"

| | Comments (0)

Saturday, March 23, 2019

ココログ記事投稿画面の不具合

【3月23日 記】 リニューアル以来、このココログは相当ひどいことになっている。いや、もちろん全ての投稿者に起きている事象ではないだろうが、僕の環境ではひどい。

リッチテキストで記事を書くと <p> </p> になるべきところがが全て <div> </div> になってしまうのだ。

そもそも div はいくつかの段落をまとめて「ここからここまで」と括った上で何かの操作をするタグだから、たとえ見た目は p タグと同じように見えていても非常に気持ちが悪い。 

Continue reading "ココログ記事投稿画面の不具合"

| | Comments (0)

Thursday, March 21, 2019

Play Log File on my Walkman #127

【3月21日 記】 まだ今年は1回も書いてなかった僕のプレイログ披露。ランダム再生してる中からテキトーに10曲:

  1. さよならを過ぎて(酒井法子)
  2. おんじょろ節(野坂昭如)
  3. ニコラ(小西康陽リミックス)(バニラビーンズ)
  4. インディビジュアリスト(佐野元春)
  5. アーモンド(オレスカバンド)
  6. 廃虚の鳩(ザ・タイガース)
  7. これが私の生きる道(PUFFY)
  8. かえり船(田端義夫)
  9. AMBITIOUS JAPAN!(TOKIO)
  10. Give Me Up(BaBe)

Continue reading "Play Log File on my Walkman #127"

| | Comments (0)

Wednesday, March 20, 2019

昨日○○食べたから

【3月20日 記】 会社の昼休み。

「何食べようか?」
「昨日中華だったから、中華以外」

こんなこと言う人いますよね。

私が知っている中で最たるものは、営業マン時代の取引先の K 氏。“グルメ K”と異名を取るほどの食通(気取り?)の人でした。K 氏は同僚から昼ごはんに何を食べようかと訊かれたときに、よく

「今夜はイタリアンなので、イタリアン以外」

みたいなことを言ったそうです。これ、今夜は会食の約束があってイタリアンの店を予約しているので、ということであれば別に珍しくもなんともないのですが、そうではなくて、この「今夜」は K 家の夕食なのだそうです。そう、家で奥さんが作る夕食。

つまり、K 氏が朝、家を出る時には既に夕飯の献立が決まっているということ。すごいですよね。

Continue reading "昨日○○食べたから"

| | Comments (0)

Sunday, March 17, 2019

映画『君は月夜に光り輝く』

【3月17日 記】 映画『君は月夜に光り輝く』を観てきた。

僕は難病ものは大っ嫌いである。また、永野芽郁も好きではない、と言うか、別に嫌いでもないのだがどこが良いのかまるでピンと来ない。それが何で観に行ったかと言うと、月川翔監督だからだ。

僕は最初、この監督のことを見くびっていて、ずっと観ずに来たのだが、『君の膵臓をたべたい』以降、これで5本連続観ている。

で、映画を見終わってみて、永野芽郁の良さも解った。とても良い表情をする。これは良い役をもらったなあと思う。彼女にピッタリの役柄だ。そして映画の側から見ても、永野芽郁をキャスティングしたのは大成功だったと思う。

映画は渡良瀬まみず(永野芽郁)の葬式から始まる。これは潔いと思った。難病ものだから、どの道ヒロインが死んでしまうことは目に見えている。その目に見えているものに見えない振りをしながらそこにピークを持って行く作りをしていないのである。

それだけではない、まみずとつきあっていた岡田卓也(北村匠海)は姉の鳴子(松本穂香)を亡くしている。交通事故だが、自殺だったのではないかという見方もある。そんな風に思われるのは、その少し前に鳴子の彼氏も病死しているからである。

もう冒頭から死の匂いが芬々と漂っている。そう、これはお涙頂戴の難病ものと言うよりはむしろ死生観を描いたラブ・ストーリーなのである。

Continue reading "映画『君は月夜に光り輝く』"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Friday, March 15, 2019

『賭ケグルイ』マスコミ試写会

【3月15日 記】 映画『賭ケグルイ』のマスコミ試写会に行ってきた。原作の漫画があって、それがテレビアニメになって、その後実写版のテレビドラマになって、それが映画化された。

僕が知ってるのはテレビドラマ以降。最初の3話か4話を楽しく見て、実はちょっと飽きてしまった部分もあり(笑)、忙しくなって見る暇がなくなったこともあってそこで脱落してしまったが、それは別にこの映画を観る上での支障にはならない。

しかし、独特の世界観ではあるので、原作もアニメもドラマも知らずにいきなり観るとちょっとしんどいかもしれない。

ドラマと同じく浜辺美波の主演で、英勉の演出。高杉真宙、森川葵、三戸なつめ、松田るか、岡本夏美、矢本悠馬ら、ドラマ版と同じ出演者も数多い。

全く知らない人のために書いておくと、学校ぐるみでギャンブルに狂っている高校の話である。生徒会がすべてのギャンブルを公式に仕切っており、生徒の評価は勉強の成績でもスポーツの成果でもなく、ギャンブルの勝ち負けで決まる。

金持ちの子女が多いこともあって、高校生のくせに掛け金は何千万、何億という桁になる。負けると単に莫大な借金を背負うだけではなく、男子はポチ、女子はミケと呼ばれる「家畜」になってしまう。

その絶大な権力を持つ生徒会にギャンブルの能力で真っ向から勝負に出るのが転校生の蛇喰夢子(じゃばみゆめこ、浜辺美波)。で、その周りにいるのが(それぞれのエピソードはテレビドラマのほうで充分に描かれた後なのだが)、鈴井涼太(高杉真宙)や早乙女芽亜里(森川葵)、皇伊月(松田るか)、木渡潤(矢本悠馬)らである。

今回は生徒会会長の桃喰綺羅莉(ももばみきらり)役で池田エライザが起用され、ギャンブルをやらない主義の第3勢力“ヴィレッジ”のメンバーとして宮沢氷魚や福原遥がキャスティングされている。

Continue reading "『賭ケグルイ』マスコミ試写会"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Wednesday, March 13, 2019

『デジタルネイチャー: 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂』落合陽一(書評)

【3月13日 記】 落合陽一の出演するイベントには何度か行った。でも、彼が書いたものを書籍という形で読むのは『超AI時代の生存戦略』以来まだ2冊目である。しかし、なんであれ今回も面白い。どういう面白さなのかと言うと、圧倒的にスリリングな面白さである。

それは僕らがものを考えたりまとめたりする上で前提となる基本的な認識だと思っていることを悉く覆してくれるからだ。いや、覆すとかひっくり返すとか、そんな感じじゃない。それが決して前提でも基本的認識でもないということが落合陽一には初めからきっと見えているのだと思う。だから初めからそういうこだわりがない。

デジタルネイチャーという造語を「計算機自然」という、形容矛盾を内包する日本語に逆翻訳する辺りが如何にも小憎らしい。

でも、本当にこんな風に機械と自然が融合してしまう時代が来るんだろうか? 人が自分の興味のある情報しか仕入れなくなってどんどんオタク化してくる一方で、自分の興味のない分野のことは AI がネット上に記憶していてくれるからそれで大丈夫なのだという楽観論は本当に大丈夫なんだろうか?

そういう意味で今回のこの本もやっぱりやや危ない匂いはする。でも、その不安の衣を1枚ずつひっぺがすみたいに、落合の論考は続く。

この本の副題を見よ。なんだろう、このミケランジェロ的な学際的知性の膨大な広がりは。第2章の表題の通り、人間機械論とユビキタスと東洋的なものがごちゃまぜに、しかし有機的にひとつになっている。

Continue reading "『デジタルネイチャー: 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂』落合陽一(書評)"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Monday, March 11, 2019

もう春です

【3月11日 記】 だんだん暖かくなってきた。

寒くて震えていたらいつの間にか暖かくなり、それがいつの間にか暑くなってぐったりしてたら、そのうちに涼しくなって、気がついたらまた寒くて震えている。

──そういう循環を一体いつまで何回続けるのだろう、と思ったことも何度かあるのだが、しかし、世界中どこの国でもこんなに律儀にくっきりと四季が巡っているものでもないだろう。

そう考えると、この四季のめりはりは、やっぱり日本人の精神性と言うか、発想の仕方と言うかに確実に影響を与えているような気がする。例えば輪廻転生とか因果は巡るとか…。

そういう(理屈はともかく)感性って、こんな風土の中で生きてきたから培われたってことはないだろうか、などと考えてみたりする。

Continue reading "もう春です"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Saturday, March 09, 2019

映画『アリータ バトル・エンジェル』

【3月9日 記】 映画『アリータ バトル・エンジェル』を観てきた。

まあ、ざっくり言ってしまうとサイボーグ・アドベンチャーもの。

木城ゆきとの漫画『銃夢』を読んだギレルモ・デル・トロが「これ、おもしろいよ」とジェームズ・キャメロンに紹介し、それに惚れ込んだキャメロンはあくまで自分で監督するつもりで一旦脚本を完成するところまで行ったが、『アバター』が当たってしまって続編を作ることになったために全く時間が取れず、結局自分はプロデューサーに退いてロバート・ロドリゲスに託したということらしい。

原作のことは全く知らないので、あくまで映画単体として書くが、設定や進行にそれほど斬新なものはない(ま、面白いのは面白いのだが)。出だしとしては天馬博士が死んだ息子のトビオに似せて鉄腕アトムを作ったのに似ている。

そう考えると、手塚治虫という人が、如何に時代に先駆けた卓越した発想の持ち主であったかということが窺える。

話が逸れついでにもう少し書くと、多分僕らが記憶のあるギリギリ最後の世代だと思うのだが、鉄腕アトムがアニメになる前に実写版のアトムがテレビで放送されていた。ロボットと言っても当時の番組のこと、人間が四角い箱から手足と顔を出してアトムに扮していたのをよく憶えている。

CGも含めて「特撮」という言葉で括ってしまうと、あれから約60年でついに特撮がこの『アリータ』のレベルにまで到達したかと思うとまことに感慨深い。

そう、この映画の一番の売りは、やはりストーリーではなく造形のすごさにある。

Continue reading "映画『アリータ バトル・エンジェル』"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Friday, March 08, 2019

samorost3

Samorost3

【3月7日 記】 妻が Samorost3 を最後までやりきった。

彼女の誕生日プレゼントに iPad にダウンロードしておいたのだが、却々気づいてくれず、でも、やり始めると一気に熱中モードに入り、ほぼ半年で完遂した。僕もそのうちの7割ぐらいはいっしょにやったり、その場で見ていたりした。

所謂 non-verbal game である。言葉はいらない。言葉がなくても分かる。──というのは正しくもあり正しくもない。確かに言葉がなくても何となく分かる気はするが、すぐには分からない。あくまでやっているうちに少しずつ分かってくるのである。

そもそもゲームというものにはルールがあって、それを大体解った上で始めるものであるが、ルールブックもマニュアルも何もなくいきなり始めるわけだから、暫くは360°全方向に手探りで、何を最終目的として、何をそのための手段としてやっているかも判らず、やりながら掴むしかないのである。

で、やって行くうちに、あ、このマークがあるところではこうすれば良いのか、こんな反応をされたときは自分がやっていることが間違っているのか、こういうヒントは多分この方向性で推理すれば良いのかと見当がついてくる。

でも、あまりにも難しいので、途中何度かネット上にある攻略法の記事のお世話になった(つまりは、カンニングしたわけである)。ただ、難しいから、謎が多いから楽しい、というだけではない。ゲームという枠組みに入る前に、すでに絵と音だけでめちゃくちゃ楽しくて胸踊るのである。

Continue reading "samorost3"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Tuesday, March 05, 2019

『クリエイターのための権利の本』大串肇、北村崇、木村剛大、古賀海人、齋木弘樹、角田綾佳、染谷昌利(書評)

【3月5日 記】 クリエイターのための権利の本である。「著作権トラブル解決のバイブル!」という副題がついている。

バイブルという表現は大げさだ、と言うか、この本のイメージはバイブルというような聖なるものではなくて、どっちかと言うとぴったり来る表現は「アンチョコ」である。

表紙にもこんな説明文が載っている:

現場でトラブルになりがちな権利の問題について
✓クリエイターとしてやってはいけないこと
✓権利を侵害されたときの具体的な対処法
をわかりやすくまとめたクリエイターのバイブル

って、またバイブルと書いてあるが、むしろバイブルや学術書にありがちな概念的な、あるいは理念的な記述を避けて、どこまでも具体例に沿って書いてあるから分かりやすい。

Continue reading "『クリエイターのための権利の本』大串肇、北村崇、木村剛大、古賀海人、齋木弘樹、角田綾佳、染谷昌利(書評)"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Sunday, March 03, 2019

映画『九月の恋と出会うまで』

【3月3日 記】 映画『九月の恋と出会うまで』を観てきた。

元々はテレビ制作会社を経てフリーの助監督として長年働いてきた人だからかもしれないが、山本透という人は監督と助監督を行ったり来たりしている。

今作は監督だがその前の『億男』では助監督。その前の『私に××しなさい』は監督だが、その前の3作『曇天に笑う』『プリンシパル』『亜人』では助監督。その前の『猫なんかよんでもこない』では監督、『アンフェア』では監督補、『夫婦フーフー日記』や『永遠の0』では助監督だった。で、僕が最初に観た彼の監督作は、そのさらに前の『グッモーエビアン!』(2012年)だった。

この映画は「物語は…その恋を見つけた日から始まる」という、なんだかヤワで少女趣味な一節で始まる。ちょっと嫌な予感がした。でも、見終わるとこの冒頭がうまく繋がってくる。

最初に書いておくとこの映画は、分類としてはタイム・リープやタイム・パラドックスを扱った SFものではない。これはラブ・ストーリーである。100%ラブ・ストーリーで塗り固められたベースにタイム・リープという設定が、ストーリーを転がすための道具として投げ込まれたに過ぎない。

Continue reading "映画『九月の恋と出会うまで』"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Saturday, March 02, 2019

映画『洗骨』

【3月2日 記】 映画『洗骨』を観てきた。監督・脚本は沖縄出身の照屋年之──ガレッジセールのゴリである。

と言っても、お笑いタレントが突然メガホンを執ったわけではない。中退とは言え、日芸の映画学科(演技コースらしいが)だし、芸人になった後も短編映画を何本か撮って、受賞歴もある。

沖縄の離島に残る「洗骨」という風習を扱っている。それが何なのか、知っていても映画を見る妨げにはならないが、今回はただ、死者を弔う特殊な儀式とだけ書いておこう(ま、漢字を見れば想像もつくだろうし)。

死者は新城恵美子(筒井真理子)。遺されたのは夫の信綱(奥田瑛二)と息子の剛(筒井道隆)、娘の優子(水崎綾女)、そして信綱の姉の信子(大島蓉子)である。

信綱は妻の死からいつまで経っても立ち直れない酒浸りの毎日。剛は東京の大手企業に勤める「島の出世頭」だが、葬儀に同行した妻は居心地が悪そうだ。そして、棺桶にへばりつくようにして、途方に暮れて亡き母の髪を触っているのが美容師の優子だ。

この子どもたちが4年後に「洗骨」のためにまたここに戻ってくる。それぞれ、この4年間に新たな悩みを抱え込んで。

Continue reading "映画『洗骨』"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« February 2019 | Main | April 2019 »