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Tuesday, January 15, 2019

『七つの会議』マスコミ試写会

【1月15日 記】 映画『七つの会議』のマスコミ試写会に行ってきた。面白かった。

これ、池井戸潤の原作を読んでいる人も多いんだろうと思う。僕は全く知らずに見たからストーリー自体を楽しめて良かった。原作をかなりコンパクトにまとめてあるという話なので、原作を読んだ人の感想は僕とは少し違ってくるのかもしれない。

中堅メーカー・東京建電を舞台とした企業もの。原作を読んでいない人に敢えてストーリーを先に伝えることはしたくないので、ここには詳しく書かないことにする。

重厚な作りの社会派ドラマかと思っていたら、主役のぐうたら社員・八角に扮した野村萬斎のケレン味たっぷりの(と言うか、ほとんど出演者全員がケレン味たっぷりなのだがw)演技と、そこに気弱な課長・原島(及川光博)と、あっけらかんとした女子社員・浜本(朝倉あき)を組合せたことによって、前半は結構コミカルに、従って、あまり重い気分にならずに見られる。

特に序盤で狂言回し的な役割を果たした朝倉あきが良かった。

僕はこの人、2011年の『神様のカルテ』でしっかり名前を憶えて、以来ずっと応援しているのだが、大作で大役をもらって(主演の『四月の永い夢』があったものの、あれはマイナー作品だったから)ファンとしては嬉しい限りだし、今回しっかりその期待に応えたと思う。

前半の運びは、何故こんなぐうたら社員が飛ばされずに、他のエリート社員ばかりが失脚するのか、という謎を軸に展開するのだが、後半は硬派の企業ドラマに収斂して行く。ある種の誇張はあるが、企業と社員の病的な部分をよく描いていると思う。

ただ、原作者もそうだが、演出も福澤克雄なので、誰もが想像がつく通り『半沢直樹』や『下町ロケット』や『陸王』の線である。でも、その延長線上だから見飽きた感じで面白くないかと言えばそれは逆で、観客はいつも同じ手練手管で同じカタルシスに嵌められて行く。

とにかくものすごく豪華なキャストなのだ。しかし、それにしても、これを見ていると歴代の『日曜劇場』の主要な登場人物がごっちゃに脳内に現れて非常に混乱すること必至である(笑)

野村萬斎、及川光博という今まであまり福澤組と接点のなかった2人をメインに据えて従来作品との差異を打ち出しているが、香川照之、片岡愛之助、音尾琢真、立川談春、北大路欣也、朝倉あき、木下ほうか、土屋太鳳、小泉孝太郎、溝端淳平、春風亭昇太、赤井英和と並べられると、これはもうどこから見ても歴代『日曜劇場』のフィナーレであり、芝居に既視感が出てしまう(実は他にもうひとり大物がいるけど、これは書けないw)。

『日曜劇場』では大抵異業種からのフレッシュな起用が一人か二人はあって(そもそも立川談春がそうだった)、それがアクセントになっていたのだが、今回そういうキャストがなかったのは残念ではある。

まあ、でも、しっかりとしたエンタテインメントで、しっかりと楽しめる2時間だった。

最後は、「そんなにべらべら語ったら余韻も何もなくなっちゃうよ」という感じだったのだが、その後にエピローグがあって、そこでしっかりと余韻を形作っていた。

見て損はないんじゃないかな。2月1日封切り。

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