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Tuesday, December 11, 2018

Play Log File on my Walkman #126

【12月11日 記】 また半年近く空いてしまった。久しぶりのプレイログ披露。今回も10曲。

  1. サヨナラ COLOR(小泉今日子)
  2. Big Boss(渡辺勝)
  3. 大利根無情(三波春夫)
  4. 春のナヌーク(MOONRIDERS)
  5. 点描のしくみ(吉井和哉)
  6. 傘がない(UA)
  7. 二重唱(デュエット)(岩崎宏美)
  8. きかせて(the Indigo)
  9. 初恋の丘(由紀さおり)
  10. 鏡面の波(YURiKA)

1)は SUPER BUTTER DOG のオリジナルではなく、2003年の小泉今日子のバージョン。歌としては永積タカシのほうが巧いのだが、小泉今日子という人には何とも言えないセンスがある。アレンジもはっきり言ってオリジナルのほうが好きなのだが、こちらも何とも捨てがたい。

それこそがスタッフ/ブレーンを含めての小泉今日子ブランドなのだと思う。

2)はちみつぱいにいた渡辺勝というシンガー・ソングライターはもうほとんど忘れられている。でも、僕はずっと好きだった。はちみつぱいの『センチメンタル通り』では文字通りセンチメンタルな渡辺勝と、カントリーっぽく粘りを出して歌う鈴木慶一のデュエットが印象深い。

この歌はアーリー・タイムス・ストリングス・バンドなどを経たあと、ソロで出したアルバム『ぼくは白い雲』(1976年)に入っていた。これもセンチメンタルな感じの楽曲だが、メロディも詞もとても潔くて、僕は好きである。

3)ご存知三波春夫の、と昔なら言われただろうが今の若い人はもう誰も知らない三波春夫。でも、1964年の東京オリンピックも1970年の大阪万博も、テーマ曲はこの人が歌って大ヒットしたんだよ。

これはそれよりも前の1959年のヒット。歌謡曲と言うより浪曲である。大利根河原の決闘で命を落とした平手造酒(ひらてみき)という侍の話である。「落ちぶれ果てても平手は武士でござる。行かねばならぬ」という台詞がガツーンと響く。ん?響かんか?

4)これは MOONRIDERS の超絶技巧ギタリスト白井良明の、作曲家としての力量をまざまざと見せつけた作品。この転調はほんとうに気持ちが良い。ナヌークはイヌイットの言葉でシロクマのことだそうで、聴いていると北国の春の風景が目に浮かぶ。

そして、白井良明の美しいギターと、ちょっと面白い声質のボーカルも心地良い。1996年の『Bizarre Music For You』所収。

5)2012年に出た吉井和哉の12枚目のシングル。内田けんじ監督の映画『鍵泥棒のメソッド』の主題歌。そんなにものすごいことをやっている曲ではないのだが、点描のしくみという歌詞の発想が面白いこともあって結構心に残る。

6)これも井上陽水のオリジナルではない。UA のカバー・アルバム『KABA』に入ってたんだっけ?と思ったらそうではなくて、2004年の 『Yosui Tribute』に入っていたらしい。

軽い音色のギター伴奏で始まるが、だんだん音が厚くなってくる。ドラムスが跳ねる。ベースがうねる。そこに UA の独特の声が絡みつく。やっぱり彼女は天才だと思う。そして、村上虹郎の表現者としての才能はやっぱり母譲りなんじゃないかな、と変なことを思った。

7)岩崎宏美と聞いて最初にこの曲を思い浮かべる人はいないだろう。1975年の彼女のデビュー曲。この曲はさほど売れず、このあとの『ロマンス』が最初の大ヒットになった。

だが、この曲も阿久悠/筒美京平コンビが満を持して書いた感がある。サビの作り方、全体の編曲──如何にも歌謡曲らしい良い作品だ。岩崎宏美の声が若々しくて溌剌としている。

8)とうとうあんまり売れなかったバンドなんだけれど、僕は the Indigo というデュオは大好きだ。これは 2000年の彼らのセカンド・シングル。ボーカルの田岡美樹が詞を描くこともあるが、この曲は作詞・作曲・編曲の全てをトラック・メイキング担当の市川裕一が手掛けている。

詞も曲も演奏も、そして何よりも田岡のボーカルも、聴いていてほんとうに気持ちが良い。そう、気持ちの良いポップなのだ。絶対いいバンドだと思うんだけどな。

9)由紀さおり11枚目のシングル(1971年)。これはいずみたくではなく渋谷毅の作曲で、詞は北山修。この当時の由紀さおりは今と比べて声に遥かに張りも伸びもあり、透明感もある。

しかし、最近は初恋なんて歌にならないね。若い子に「初恋は?」と訊くと「幼稚園のころ」なんて言うもんだから情緒も何もあったもんじゃない。1970年台ぐらいまではにしきのあきらが「もう恋なのか」とひとりごちたり、伊藤咲子が「辛いだけの初恋」と呻吟したり、若者がリアルタイムで初恋を歌える時代だった。

この歌の場合はリアルタイムの恋ではなく、初恋のころを振り返る歌だが、ほんとうに爽やかで気持ちが良くなる。最高位69位と、実はあんまり流行らなかったのだけれど。

10)これは2017年のTVアニメ『宝石の国』のオープニング・テーマ。こういう曲は大好き!  頭がクラクラする。3拍子と4拍子、16ビートとロッカバラードが重層的に縫い合わせてあって、聞けば聞くほど複雑なリズムが脳の皺に入ってくる感じがする。

こういう超複雑な曲には言いようもなく魅せられ惹きつけられる。100回聴いても1000回聴いても、10000回聴いてもきっと飽きないだろう。

今回もまた 1959年から 2017年まで 60年近いスパンの中からランダムに現れた名曲に酔った。音楽は途切れない。

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