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Wednesday, September 12, 2018

SWEET 19 BLUES で火がついた

【9月12日 記】 8/31 に書いた『SUNNY 強い気持ち・強い愛』の映画評で、『SWEET 19 BLUES』の「出だしのコード進行が解らなくて遂に楽譜を買ったのだが、楽譜を見てもなお、この進行を理論的にはどう解釈すべきなのか分からない」と書いた自分の文章で自分に火がついた。

もう一度楽譜を引っ張り出してきて矯めつ眇めつしてみて、実際音を出してみて、さらに理論書まで読み返して、挙句の果てにネットでいろいろ検索してみたりもしたけど、まったくもって素敵なコード進行だ。

5連符✕4のチャラチャラとした前置きの1小節のあと、F ⇒ C ⇒ Dm ⇒ Am と1拍ごとにコードが変わる前奏最初の小節は(これはこれで、書こうと思えばいろいろ書けるのだが)とりあえず措いておいて、ここで取り上げたいのはメロディの出だしの2小節のコード進行。

F のキーでいきなり G の音で始まるのだが、こういうケースは別に珍しくない。その場合多くは所謂ツーファイブ Ⅱm7 ⇒ Ⅴ7 という進行になっている。この曲でも無理やりこのステレオタイプを適用して Gm7 ⇒ C7 という進行も可能だ。

4小節まで考えるとすれば、Gm7 ⇒ C7 ⇒ Am7 ⇒ Dm7 として、そのままツーファイブ進行して Gm7 に戻るというパターンもアリかなとも思うのだが、このメロディに当てはめると美しくないし面白くもない。

実際のコード進行は冒頭に Ⅱm7 ではなく Ⅱ の G を持ってきて、その後が E♭M7 である。これがなんとも不思議な取り合わせではないか。理論的にこうであると前後を明快に繋げる説明が(僕には)できない。

当然この2つのコードはメロディの音をきれいに押さえている。と言っても、この部分は非常に動きの少ないメロディで、ほとんどは G の音である。小節の最後の音である D まで押えるとしても2音を含んでいれば良いのであり、そうなると当てはめられるコードは山ほどある。

もちろん G も E♭M7 もそれに該当する。E♭ ではなく E♭M7 となっているのも D音を押えるためである。

その考えに従うと、僕が最初に書いた Gm7 ⇒ C7 は Gm7 ⇒ C9 に改めるべきだろう。

さて、まだほとんど分析らしいところまで至っていないのだが、今回はここで終わり。久しぶりにもっともっと勉強してもっともっと深掘りしてみたいという思いが沸々と起こってきた、ということを書きたかったのである。

ちなみに、、『SWEET 19 BLUES』の最初の8小節の進行はこうだ:

G | E♭M7 | Dm | F/C |
G/B | Gm/B♭ | F F/A B♭ Gm/B♭ | Csus4 C |

1~2小節と 5~6小節はほぼ同じメロディなのに、ベースを含めてコードを変えてきている。で、これを2回繰り返したあと、♪sweet sweet 19 blues から1小節ごとにコード・チェンジする前奏1小節目の進行が戻ってくる。

縦横斜めの音の関係がものすごくスリリングだ。このスリリングをもう少し時間をかけて分析してみたい。今日はここまでが精一杯である。

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