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Monday, September 03, 2018

日本ポップス史をめぐる“家宝”

【9月3日 記】 全284ページにぎっしりコンテンツが詰め込まれた『昭和歌謡職業作曲家ガイド』を、1字たりとも読み飛ばさず、一日で一気に読んでしまった。

別に昭和歌謡が好きだというわけではない。つまり、明治・大正の音楽はどれも好きになれないとか、平成の音楽には悉くついて行けないとか、そんな風に昭和と他の時代の音楽を切り分ける気は全くない。

ただ、僕の青春期がすっぽりと昭和という時代に収まっているというだけのことだ。青春とは何歳までを言うのか知らないが、一番音楽を聴いていた、結婚する少し前までの時期がすっぽり昭和に嵌っているというだけのこと。

そして、それがたまたま広い意味での歌謡曲の黄金期でもあったというだけのこと。

つまり、僕は昭和に興味があるわけではなく、日本のポップスの変遷に興味があるのである。一時ホームページのほうにも掲載していたが、僕の卒論のタイトルは『ニュー・ミュージックの新展開』である。

今回買ったこの本は、そんな流れの中で、僕にとっての“家宝”となった。

さて、以下に今までに手に入れた“家宝”を並べてみる。まずは書籍(一部の雑誌の特集号などを含む。単体の楽譜は除く)。

  • 『新譜ジャーナル1976年12月号 特集FOLK&ROCK10年間の名曲Best100』(1976年、自由国民社)
  • 『ニューミュージック白書』(1977年、エイプリル出版)
  • 『昭和ヒット歌謡曲集・一(昭和3~29年)/二(昭和30~41年)』(1977年?、全音楽譜出版社)
  • 『新譜ジャーナル別冊 日本ポップス史』(1977年、自由国民社)
  • 『ザ・シングル盤50's~80's』(1984年、群雄社)
  • 『Hotwax presents 歌謡曲 名曲名盤ガイド 1970s』高護編著(2005、シンコーミュージックエンタテイメント)
  • 『Hotwax presents 歌謡曲 名曲名盤ガイド 1980s』高護編著(2006、シンコーミュージックエンタテイメント)
  • 『Hotwax presents 歌謡曲 名曲名盤ガイド 作曲家編 1959-1980』高護編著(2008、シンコーミュージックエンタテイメント)
  • 『SINGLE CHART-BOOK COMPLETE EDITION 1968~2005』(2006、オリコン・エンタテインメント)
  • 『レコード・コレクターズ2010年8&9月号 日本のロック/フォーク・アルバム・ベスト100①②』(2010年、ミュージック・マガジン)
  • 『筒美京平作品 楽譜集 Kyohei Tsutsumi Songbook Ultimate Collection 1966~2008 100songs』(2013年、全音楽譜出版社)
  • 『昭和歌謡職業作曲家ガイド』馬飼野元宏(2018年、シンコーミュージック)

次に DVD。

  • 『HIT SONG MAKERS 栄光のJ-POP伝説 [DVDエディション]』(2006年、ジェネオンエンタテインメント、5枚組)

そして音源。

  • 『Hotwax presents 歌謡ポップス・コレクション 1970’s「ガールズ・イット・エイント・イージー」ユニバーサル編』(2006年、ユニバーサル)
  • 『筒美京平 Hitstory Ultimate Collection 1967~1997 2013Edition』(2013年、Sony Music Direct、9枚組)

それ以外は1曲ずつ根気よく収集している。よく BS で、番組だか宣伝だか分からない体で延々曲紹介している10枚組とか20枚組のコンピレーションは買わない。選曲が良くないから(その辺りのことはここにも書いた)。

この中で個人をひとりだけ取り上げた作品は筒美京平関連の2つだけである。筒美京平という人はそれだけ特別な存在だということだ。

そして、高護が絡んだ本や CD がたくさんある。彼は批評と分析という面でこれまた特別な存在だということだ。

でも、他の人たちが特別でないわけではない。よくもこれだけ特別な存在が輩出したなあというのが、昭和ポップス史の特徴ではないだろうか。読めば読むほど、そして、読んで改めて聴けば聴くほど、それは輝いてくる。

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