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Wednesday, August 01, 2018

映画『カメラを止めるな!』

【7月31日 記】 映画『カメラを止めるな!』を観てきた。

僕はワンシーン・ワンカットの長回しが好きで、映画の中で見つけるとこのブログでもよく取り上げている。

ただ、映画の初めから終わりまでワン・カットとなると話は別だ。そこまでやろうとすると単なる表現の手段が目的になってしまう。

初めからワン・カットで撮れることを前提に全体を作らなければならなくなる。「それから3年後」とか「ちょうどその頃 500km 離れた大阪では」みたいな表現は、何か記号的な処理を挟まないと描けないことになってしまう。それはどうだろう、と思う。

この映画がそんな手法を採っていると聞いた時に一度は見るのをやめようと思った。特に監督が「三谷幸喜の影響を受けた」と言っているらしいと知ってなおさら観る気が失せた。僕はとりわけ三谷幸喜のワンシーン・ワンカットを評価していない。

あれは単に台詞を言っている役者を追っているだけのカメラだと思う。台詞を言っていないほうの役者をアップで捉えたり、俳優の表情が見えないくらいカメラが思いっきり引いたりするのも撮影の妙なのであって、喋っている役者を取っ替え引っ替え追っかけるのは単なる野暮ではないか。

それに気づいてから三谷が監督の映画はほとんど観ていない。脚本家としてはとても好きなのだけれど。

とは言いながら、ともかくこれだけ熱狂的に褒めている人がいるのは如何なる理由なのか、それを見届けたくて結局この映画を観に行くことにした。

で、観てみると全然違うのである。これは見事にやられた。

まず、ワンシーン・ワンカットについて言うと、この映画全編がそうなのではなく、劇中劇、と言うか映画内映画だけがワンシーン・ワンカットなのである。とは言え、37分もあって却々トリッキーである。1台のカメラがかなり揺れて酔う。これはヌーベル・バーグだな、などと思う。

しかし、この作中作"ONE CUT OF THE DEAD"はゾンビ映画であるので、ワンカットで追い回すことが如何にもノンストップホラーという感じを出していて、必然性のない手法ではない。

しかし、それにしても、知らない役者ばっかりだし、如何にも自主制作映画っぽい、ぎこちないシーン満載だな、と思いながら観ていたのだが、これがすっかり騙されていたことに後半気づく。ネタバレになるから極力書かないが、いやぁ、やられた、という爽快感さえある。

映画全体としては、このワンシーン・ワンカット映画製作(しかも、生放送!)のオーダーを受けたあまりぱっとしない監督、スタッフ、役者を描いたものなのだが、ワンカットで撮ることの不自由さをものの見事に逆手に取った、まさに計算し尽くされた稀代の秀作である。

よくもまあ、こんな脚本書いたなあと思う。

都内では6館、全国でも13館だけの上映で、早く観ないと見逃してしまうと思って急いで駆けつけてきたのだが、なんと、今週末から拡大上映が決まって TOHO シネマズなどでも観られるようになるとか。

ネタバラシ書けないのが残念。早く観てほしい。そして、一緒にこの映画について語りたい──そんな気にさせてくれる名画だった。

パンフを買ったら、水道橋博士の核心を突いた表現が載っていた:

この映画は、「三谷幸喜監督の映画が芝居ほど面白かったら良いのに」・・・という、邦画ファンの見果てぬ夢を既に叶えている。

なんという痛快!(笑)

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Comments

こんにちは。仙台では10日から上映されるようです。これだけ話題になっているので、時間を取って見に行くつもりです。
仙台で映画館に行くのはAKB関連の何か(もう忘れました)以来2度目です。

Posted by: 仙台のM | Wednesday, August 01, 2018 at 17:08

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