時代
【7月5日 記】 義母が来た。妻と3人で家で夕食した。妻と2人で後片付けをしていると、義母はびっくり仰天、「あんたの旦那さんはいつもこうやってお勝手のお手伝いしてくれるの!? 良い旦那さんだわね」などと。
僕が「お義母さん、それは単に時代が違うんですよ」と言うと、義母はなるほどという感じで頷いていたが、僕としては深い考察もなく全てを時代のせいにしていまうという、自分としては普段は意識して避けている論理展開をしている。
ま、面倒くさいし、義母と議論をしようという気もないので、それで良いと割り切って言ったのではあるが。
しかし、考えてみれば、これが祖父の時代であればきっと「男はそんなことをするものではない」と正面から諭しにかかる人がいただろう。
これが母の時代であれば、「たとえ普段は夫が洗い物を手伝っていたとしても、そういうときだけは夫に働かせず、いつも自分がひとりでやっているように見せるのが妻の務めである」などと教える人もいただろう。
それを考えると、時代が違うというのもあながち的はずれな物言いではないのかもしれない。
もうちょっと昔であれば、義母だって夫に洗い物をさせる娘を嗜めたかもしれない。でも、娘を責める代わりに素直に「良い旦那さんね」と喜んだ。これも時代のなせる技かもしれない。
時代というのはまことに掴みどころがないが、説明しにくいものを説明する何かなのかもしれない。
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