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Monday, May 28, 2018

「アメフット」考

【5月28日 記】 日本大学のアメリカン・フットボール部の事件が世間を騒がせているが、この問題をテキスト・メディアが報じるに際して、「アメリカン・フットボール」の2つの略し方を目にする。

「アメフト」と「アメフット」

そして、僕の周りの少なからぬ人が「アメフット」は気持ち悪いと言う(もっともある年代以上の人だけかもしれないが)。

ホームページをやっていたときに何度も書いたことだけれど、それは日本語において多くの略語が「前半後半から2文字ずつ4文字」あるいは「前半後半から2音ずつ4音」という原則に従っているからだ。

ただし、音を基準にする場合、二重母音や長音、撥音、促音などは全て2音と数える。アメフットは5文字5音だから気持ち悪いのだ。

もちろん、古くはベア(ベース・アップ)とかモガ(モダン・ガール)みたいに前後半から1文字ずつ、あるいは1音ずつ持ってきて構成された略語もある。

しかし、かなり以前から2+2形式は主流である。

泥縄とか学割とか──それって「2文字」とか「2音」とか言うよりもむしろ「漢字1文字ずつ」じゃないかと言われるかもしれないが、そうではない。たまたま漢字の切れ目が2文字、2音であったというだけのことである。

鰻丼(うなぎどんぶり)をうなどん、「モーニング娘。」をモームスと略すように、漢字の読みがどこで切れるのかはあまり関係がない。

モームスの例からも分かるように、この略し方は固有名詞にも使われる。無声映画時代のスター阪東妻三郎がバンツマ、木村拓哉がキムタクと略されるのもこの例である。

ところが、この2+2方式はこの20年くらいの間に如実に廃れてきた感があって、メアドやコスパなどの1+2または2+1もかなり勢いを増してきている。そう言えばアメリカン・フットボールには昔(最近はほとんど耳にしないが)アメフという略し方もあったが…。

もうひとつ「そう言えば」を連ねると、僕らの少年時代にはアメラグという言い方もあった。これはアメリカン・ラグビーの略だが、略す前のアメリカン・ラグビーという言い方は使われることがない。

アメリカン・フットボールを見たことがなかった昭和中期の人たちは多分「アメリカのラグビーだよ」などと言っていたのではないだろうか。

アメリカン・フットボールもラグビー・フットボールもフットボールには違いないが、フットボールというのは足でボールを蹴るからそういうのであって、本来はつまりサッカーのことである。

手で運んだり投げたりしている時間のほうが長いアメフトやラグビーをフットボールと呼ぶのは、よくよく考えるとおかしなことだ。

話はどんどん逸れるのだけれど、テレビを見ていたらアメリカ人にインタビューしている番組があって、その中で通訳が「テレビでサッカーを観ていた」と訳していたのだが、相手はアメリカ在住のアメリカ人であるから、ここでの football はやはりアメフトと訳すべきだったのではないかと思った。

で、話は戻るが、上に書いたように2+2の略し方においては長音や促音は2音と数えられるのであるが、もうひとつ原則、と言うか、傾向があって、長音や促音はよく省略される、つまり「ー」や「っ」は除外されてしまうのである。

だから、ハリー・ポッターはハリポッではなくハリポタと略され、メール・アドレスはメルアドもしくはメアドと略されるのである。

その原則、と言うか、傾向に照らすと、アメフットはハリポッタみたいな感じで、如何にも気が抜けた印象になる。

それが僕らの感じ方ではないだろうか?

それがどうした?と言われれば、別にそれがどうかするわけでもないのだけれど。

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