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Saturday, May 26, 2018

映画『恋は雨上がりのように』

【5月26日 記】  映画『恋は雨上がりのように』を観てきた。

永井聡監督についてはとりたててファンと言うほどのこともないのだが、予告編を見て出来が良さそうだと思ったから。で、本当にそこそこ出来が良い。

またしても漫画原作である。女子高生がバイト先の中年の店長に恋をする話である。それ以外にはとりたてて何もない、と言うか、それがすべての映画である。

冒頭からテンポが良い。いきなり走り出すヒロインに躍動感が漲っている。あんなシーンにワイヤーアクションを使うという発想が秀逸。細かいリズムを表情豊かにあしらった劇伴とも非常にマッチしている。

カメラが動きながら長回しでファミレスの全体像を描き出して行く辺りも、画としても魅力があるし、説明としても手際が良い。

橘あきら(小松菜奈)は高校2年生。陸上部。100m の選手。高校記録を持つくらい速い。

そのあきらがアキレス腱を切って、うなだれている時、病院の帰り、雨の日に入ったファミレスの店長の優しい気遣いに惹かれて、そこでバイトすることにする。陸上部は休部。

目つきがきつくて、クールで愛想がないので、周りはみんな「どうしてファミレスでバイトしてるんだろう?」と言っている。そのくせ、彼女に惹かれる同僚も少なくない。

店長の近藤(大泉洋)は45歳。バツイチ。別れた妻が引き取った一人息子と時々会っている。本が好きで学生のときは作家を志していたが、実は未だにその夢を捨てきれておらず、作家として成功している同級生の九条(戸次重幸)への嫉妬も感じている。

近藤はあきらにまっすぐ告白されて戸惑う。「俺は45歳だよ」と言う。「親子ほど年が離れてる」「援交だと思われる」などと言う。その年のおやじとしてはまことにまっとうな反応である。

「人を好きになるのに理由が要りますか?」
「俺と橘さんだと、理由は要ると思うよ」

それでもあきらは諦めない。そう、こっちはこっちで17歳のまっすぐなのだ。

強引にデートの約束を取り付ける。モーションを掛けてくる同級生のタカシ(葉山奨之)や職場の先輩(加瀬亮介)はつれなく拒み、幼馴染のはるか(清野菜名)とは喧嘩をし、他校の 1年下の陸上選手・みずき(山本舞香)の挑発にも乗らず、陸上のことなんか忘れて、頭の中は店長のことばかり。

店長は、でも、大人だ。彼女の陸上競技への思いに気づき、「もっとやりたいことがあるんじゃないの?」などと言う。

ストーリー的には何の驚きもない。でも、カメラワークがとても良くて良い画がいっぱいだ(撮影は市橋織江)。

特に終盤あきらと店長が土手で再会して話すシーン。両者を正面からワンショットで撮ったカットを切り替え切り替えしてドラマを進めて行くのだが、この時の2人の微妙な距離感が絶妙である。

そして、小松菜奈の太もも、小松菜奈のお尻、小松菜奈の胸──ドキッとするくらい結構エロい構図がある。これは小松菜奈ファンにはたまらんのではないか。

良い台詞もたくさんある。どうやらこれは原作の台詞をそのまま使ったらしい。そして、監督は役者に対して、それらの台詞を一言一句変えないように指示したという。

途中ちょっと分かりにくい、伝わりにくい部分も脚本にはあったが、上で挙げたような巧い台詞がところどこりにあるので、結局良い話に収まったと思う。

小松菜奈、大泉洋、戸次重幸、吉田羊(あきらの母親役)ら、キャスティングは大成功だと思う。本当に雨上がりのような、心が晴れる映画になった。

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