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Thursday, May 03, 2018

映画『ママレード・ボーイ』

【5月3日 記】  映画『ママレード・ボーイ』を観てきた。廣木隆一監督。

僕は 2015年に「いい部屋ネット」の CM で桜井日奈子を見た瞬間に「この娘は来る!」と確信したのだが、今は「やっぱり来たか!」という思いよりも、「随分時間がかかったな。“岡山の奇跡”とまで言われたのに」という印象のほうが強い。

飯豊まりえや浜辺美波が一気にブレイクしたのを尻目に、ちょっと伸び悩んでるかなと心配していたのだが、今回満を持しての初主演映画である。

原作は1992年から『りぼん』に連載され、コミックスは累計1000万部を突破した吉住渉の漫画。一度アニメ化もされ、「実写化してほしい少女漫画」の市場調査では断然トップに上がってくる作品とか。

2組の夫婦(筒井道隆+檀れい、谷原章介+中山美穂)がハワイ旅行中に偶然出会い、お互いがそれぞれ相手のパートナーを好きになってしまい、離婚して組合せを変えてそれぞれ再婚することになった。

ただ、両夫婦には光希(みき、桜井日奈子)と遊(吉沢亮)という同い年の高校生の子供がおり、子供のことを考えるとそのまま離婚して別れ別れになるのも良くないだろうということで、シェアハウスを借りて2家族6人で同居することになる。

──という、少女漫画にありがちな、一見荒唐無稽な設定に思えてしまうのだが…。

で、想像がつくと思うが、いろいろあるうちにこの光希と遊が恋に落ちるという話。

廣木隆一監督のところには結構少女漫画原作の話が来て映画化しているのだが、中にはあまり廣木監督らしからぬ作風のものもあった。でも、この作品は圧倒的な廣木隆一作品だった。

冒頭から結構な長さのワンシーン・ワンカットで、ファンとしては見ていて嬉しくなる。その後もかなりの長回しが何度も出てくる。しかも見事にデザインされたその構図の変化がいずれもめちゃくちゃ面白い。役者は大変だったろうなと思う。

桜井日奈子は演技者としてはまだ初心者だが、こうやって長回しで鍛えられるのはとても幸せなことだなあとしみじみ思った。

僕は廣木監督の特徴はこの長回しだけではなく、引いた画だと思っているのだが、最近はあまりそれが出て来ない気がする。この作品も一種のアイドル映画なので、むしろカメラを切り替えながクローズアップを収めたカットが少なくなかった。

吉沢亮は桜井日奈子よりも少し場数を踏んでおり、その分彼女よりも一歩進んだ演技をしていた。鍋島淳裕のカメラは、その吉沢の良い表情をたくさんアップで捉えていたと思う。

そして、人物を大きく捉えた構図から、しばしばカメラは動き出し、大きく引いて2人を取り巻く世界を画面に収めるところがある。海辺の円形の広場での2人のシーンなどを見ると、やっぱりこの監督の撮る遠景はなんと力強いのだろうと感動する。

そこには世界の大きさと人間の小ささの対比があるように、いつも僕は思ってしまう。

で、この恋愛ドラマはこのままたらたら行って終わるのかなと思ったら、終盤、これは全然予想できなかった設定が出てくる。若い2人の恋愛を余裕を持って眺めていたのが、先の展開が気になって思わず身を乗り出してしまった。

多分、年寄りの観客は(そんなもん、ほとんどいなかったけどw)茶番と言うだろうけれど、僕はとても良い映画だったと思う。

桜井日奈子はいいね。ただ、ほとんど黒タイツ姿か膝下丈の制服だったのは残念。あまり足に自信のない子なんだろうか? これからスターになろうとする存在なのに、ちょっと惜しい気がする。

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